『Anthem』のライブサービス責任者がBioWareを退社。リード・プロデューサーに続く主要人物の離脱

『Anthem』のライブサービス責任者がBioWareを退社。8月にはリード・プロデューサーのBen Irving氏が退社しており、『Anthem』開発チーム主要人物の離脱が続く。

『Anthem』のライブサービス責任者であるChad Robertson氏がBioWareを退社した。Robertson氏は10月31日、自身のTwitterアカウントを通じて「BioWareで過ごす最後の週になります」と報告。「『SW:TOR(Star Wars: The Old Republic)』『Anthem』、オースティンのスタジオ、そしてBioWareについて心配する必要はありません。将来に大いに期待していてください」と別れの言葉を告げた。退社後はゲーム業界にて新たな一歩を踏み出すとして、近いうちに今後の進展をシェアできるだろうと述べている。

Chad Robertson氏はソフトウェア・エンジニアとしてキャリアを始めたのち、かつて存在したElectronic Arts傘下のMythic Entertainmentに入社。2005年から1年間、リード・テクノロジーエンジニアを担当した。その後2006年から2011年までEAで過ごし、2011年からBioWareに移る。BioWareではスタジオ・テクニカルディレクター、CTO、テクノロジー責任者、スタジオディレクターを担当後、2018年9月よりライブサービス責任者を務めてきた。

Image Credit: BioWare

今年8月には、『Anthem』のリード・プロデューサーであり、Robertson氏と同じく2011年にBioWareに入社したBen Irving氏が退社(関連記事)。9月には、家庭の事情により長期離脱中のゲームディレクターJonathan Warner氏が、復帰の目処は立っていないと近状報告。その後はRobertson氏が自身の名義で公式ブログを更新したりと、チームの顔として活動していた。同ブログでRobertson氏は、『Anthem』を素晴らしいゲームにするという約束は必ず守ると伝えていたが、今後は誰がチームの舵を切っていくのだろうか。続報が待たれる。

なお『Anthem』では当初「Act」単位での継続的なコンテンツアップデートが計画されていたが、ゲームが抱える根本的な問題の解消を優先するため計画撤廃。現在はシーズンごとにアップデートをおこなう方針を取っている。直近では、10月のアップデート1.5.0により期間限定イベント「スカルの季節」が開幕。天変地異型のコンテンツや新たなフリープレイイベントが追加された。

EAは先日、Valveと提携し、同社のPCゲームをSteamでリリースすると発表(関連記事)。『Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー』『The Sims 4』『Apex Legends』『Battlefield V』『FIFA 20』といった主力作品が提供例としてリストアップされたが、『Anthem』には触れられていない。EAの業績報告や投資家向けの報告でも『Anthem』の名が言及されることはほとんどなく、同作の今後がやや心配ではある。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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