『The Last of Us Part II』物語やゲームプレイに関する新情報が続々解禁。暴力のサイクル、民兵の番犬、新たな感染者

『The Last of Us Part II』に関する新情報が続々解禁。『The Last of Us Part II』の進化したビジュアルやゲームプレイにより描かれる暴力のサイクル。その暴力の対象となる民兵の番犬、新たな感染者、新たな敵対組織などについて紹介されている。

発売日が2020年2月21日に決定したNaughty Dogの最新作『The Last of Us Part II』。シングルプレイキャンペーンだけでディスク2枚組の大ボリュームになると報じられており、マルチプレイの実装はやむなく見送りとなっている(関連記事)。では、その野心的なシングルプレイキャンペーンはどのような内容となっているのか。26日より、SIE公式および各種メディアのデモ版動画・記事による情報発信が解禁されている。本稿ではソニー・インタラクティブエンタテインメントやNaughty Dogが発信した公式情報をもとに、本作に関する新情報をまとめていく。

公式情報としては、開発者コメンタリー付きのゲームプレイ動画が公開されているほか、PlayStation.Blogに、SIEのシニアソーシャルマネージャーTim Turi氏によるハンズオンレビューが掲載されている。デモ版は大きく2つのパートに別れており、前半は真冬のワイオミング州ジャクソン、後半は緑が生い茂るワシントン州シアトルが舞台となる。

デモ前半では、ワイオミング州ジャクソンにある生存者たちの拠点およびその周辺が舞台となり、19歳になったエリーと親友ディーナの日常や人間関係が描かれる。雪が降り積もる中、エリーとディーナは周辺地域のパトロールとして、廃墟化した町をいくつか巡ることに。危険な感染者や略奪者、もしくは生存者の痕跡がないか調べていくのだ。そしてデモ終盤で廃墟化した図書館に到着した2人は、互いの気持ちを伝え合う。これまでに公開されたトレイラーでも描写されているように、エリーとディーナの複雑な関係性は、続編において重要な役割を果たすのだろう。

デモ後半では、舞台をワシントン州シアトルのヒルクレスト区域に移し、愛する人を傷つけた者たちへの報復劇が描かれる。デモ版で紹介されたのは、民兵のようなWLF(Washington Liberation Front)という組織に捕らわれたトミーを救い出すために戦う場面。暴力のサイクルが描かれるという本作では、暴力をいかにしてプレイヤーに響かせるかが、ひとつの主題となっている。Neil Druckmann氏は、WLFにもそれぞれの生活や守るべき家族があるのだと強調していた。進化したビジュアルやアニメーションにより暴力描写がリアルになったことはもちろんのこと、敵対組織のひとりを倒すと、その死体を見つけた敵が悲痛な声とともに仲間に情報伝達したりと、ゲームプレイ面でも影響を及ぼすようだ。

また続編ではジャンプや回避といった新しいアクションが導入される。エリーの身のこなしは前作の主人公ジョエルよりも軽快。小さな隙間であれば飛び越えることができ、結果として移動できる場所が増えるという。共同ゲームディレクターのAnthony Newman氏によると、ジャンプアクションが追加されたことで、より面白いパズルや、より垂直的な広がりのあるレベルが可能になったという。

また回避移動により、敵の近接攻撃をかわすことができる。だからといって戦闘が簡単になったわけではない。敵は賢くなっており、たとえばWLFは互いにコミュニケーションを取りながら攻めてくる。正面衝突を避けたい場合はステルス行動に徹することになる。新作では地面に伏せる、もしくは地面を這って移動することが可能。体勢変更のアニメーションも滑らか。前作よりも選択肢が増えた、深みのあるステルスアクションが期待できそうだ。

新たな敵種としては、WLFの番犬や新種の感染者が紹介されている。匂いに敏感な番犬が相手になるということで、エリーは前作の聞き耳に相当する「残り香の可視化」というスキルを発動できる。これにより番犬が匂いを嗅いで回るルートを把握。なおNaughty Dogによると、動物を殺さなくてもストーリーを進められるようにデザインされているという。

「The Last of Us Part II – Inside the Demo」よりキャプチャー

新型の感染者シャンブラー(Shambler)は嚢胞の塊であり、プレイヤーの接近や被ダメージなどによりガス状の酸を放出する。また新型ではないが、ミニボス戦として紹介されたストーカーは、ランナーとクリッカーの中間のような個体。先述した回避移動の導入により、前作よりもダイナミックな戦闘が可能となっている。

「The Last of Us Part II – Inside the Demo」よりキャプチャー

スキルツリーは、前作に続きサプリメントの摂取により解放できる仕組みとなっている。残り香の可視化範囲拡大や体力の増加、クラフトレシピの会得、近接武器の強化など、プレイスタイルにあわせて新しいスキルを習得できる。クラフトベンチでは銃器を間近で愛でることができるほか、銃器用の新しいアタッチメントとして、缶を使った手製サイレンサーを工作できるとのことだ。

物語やビジュアルだけでなく、ゲームプレイとしても確かな進化を感じさせる『The Last of Us Part II』。今回のデモではジョエルは登場していないが、エリーとジョエルの関係性は引き続き重要な要素になるという。ジョエルについては、今後の情報発信もしくはゲームの発売を待つことになりそうだ。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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