ついに明かされた『デス・ストランディング』の基本ゲームプレイ内容まとめ。公開された濃厚な50分間の映像をおさらい

 

東京ゲームショウ2019 PlayStationブースにて、9月12日15時30分から開催されたステージイベントに小島秀夫監督が登壇し、『デス・ストランディング(Death Stranding)』50分に及ぶゲームプレイ映像が公開された。『デス・ストランディング』はコジマプロダクション開発中の、PS4向けストランドゲーム。映像では、謎に包まれていた『デス・ストランディング』のゲームプレイの基本となる部分が紹介され、多くの要素が新たに明らかとなった。なお、本作は発売日である11月8日の0時からプレイ可能となるそうだ。

ゲームプレイ映像の内容を端的に言い表すと、主人公のサムは配達人である。『デス・ストランディング』の舞台となる北米大陸は、BTやミュールと呼ばれる集団などの危険があり、多くの人々は安全な都市やシェルターの地下に居る。Qpidを使って通信機器を起動させ、孤立している都市同士をカイラル通信のネットワークへ繋いでつながりを作り、都市内の遺伝子に変化をもたらすための精子や卵子など、重要な物資を運ぶというのが、サムの役割と言えそうだ。

画像は配信からのキャプチャです

本作のプレイでまず重要となるのが、フィールドの移動だ。旅の物資や装備に加えて、荷物を運んでいことになるわけだが、重量や荷物のバランスの要素があり、LRでバランスを取りながら移動する。バランスによって体力やスタミナの減り方が変わってくるという。また、フィールド上には泥濘んでいる場所や川の深いところなど、足を踏み入れることで、斜面から転げ落ちたり、川に流されたりする場所が設定されている。そうした事態に陥ると、旅の同行者でありあの世と繋がっている赤ちゃん「BB」が機嫌を損ねたり、荷物がダメージを負ってしまうので、地形センサーを駆使して、赤い場所を回避しながら進んでいく。なお、滝壺に落下してしまうと、すごいことになるそうだ。

危険は地形以外にもあり、地上にはBTや“悪いヤツ”が蔓延っている。本作では、コンパスモードを使って自分でラインを引き、道を決めて進むことが可能。ルートを設定すると、空間に設定した線が表示されるので、広大なフィールド上を迷う心配はないようだ。北米大陸を歩いていると、孤立してシェルターの地下に住んでいるフレッパーズの落とし物が落ちていることもある。今回動画で紹介されていたのは、その近くのシェルターに住むミュージシャンの所有物。縄を使って崖を降下し、梯子をかけて谷を通過すると、シェルターに到着した。端末を操作して荷物を届けると、シェルターに住むフレッパーズで、カメオ出演しているミュージシャン三浦大知氏がNPCとしてホログラムで登場。荷物を届けてくれたことに驚き、ハーモニカを報酬として贈り、UACへの加盟と通信機器の起動を許可してくれた。このように世界には隠れ住むフレッパーズがおり、ミッションをこなしたり落とし物を届けたりすることで、報酬をくれたり彼らと仲良くなり、出迎えをしてくれるようになったりするそうだ。

画像は配信からのキャプチャです

シェルターや都市などで新たに通信機器を起動すると、カイラル通信のネットワークが繋がり、通信領域が拡大する。カイラル通信の通信領域内では、カイラルプリンターと呼ばれる3Dプリンターのようなものを使い、武器や装備が生成可能。また、通信が繋がった領域内では、コミュニケーションボタンにより反応が返って来たり、他のサムの行動とも繋がれるようになり、1人ではなくなるという。たとえば、自分が設置した梯子や通ってきた痕跡が他のサムの元に表示されたり、他のサムが建造した橋や設置した装備品、安全なルートをたどることも出来る。誰かの辿った痕跡を利用したり、あるいは誰かが自分の設置した設備を利用したりすると、いいねが送信されて、誰かが使ったことがわかるそうだ。いいねによって何が起こるのかはわからないが、少なくとも悪い気はしない。

看板で温泉の場所を知らせることや、充電器を設置しておいたり、荷物を置いておいて他のサムに届けてもらったり、音楽を流すこともできる。動画中では、コラボレーションによる星野源氏による楽曲が再生されたり、同じくコラボレーションによってゲーム内に実装されているバイク「RIDE WiITH NORMAN REEDUS」が乗り捨てられたりしていた。橋など大きな構造物は他のサムと物資を出し合って建造できるほか、最初は獣道でも誰かが通っていくとそこが道になったりなど、間接的に他のサムと繋がり助け合ったり、繋がりによって何かが成し遂げられるシステムが用意されている。また、フィールド上では休憩することで回復できるが、誰かが休憩したところと同じところで休憩すると、何か良いことがあったりするそうだ。なお、本作には数多くの温泉が登場し、温泉によって効能が異なる。動画に登場したバッテリー温泉では、疲労回復に加えてバッテリーの充電も出来るものだった。また、ノーマンが「いい湯だな」と歌い出すシーンも紹介された。入浴中にコミュニケーションボタンを押すと、このようなシーンが見られるそうだ。

画像は配信からのキャプチャです

今回の動画では、戦闘についても紹介されている。今回は、ミュールと呼ばれる黄色い防護服のようなものを纏い、配達症候群の集団との戦闘シーンが流れた。ミュールは、荷物に反応する性質を持ち、他のサムから奪われた荷物がいくつも彼らのキャンプ内に置かれていた。動画のサムは、ミュールのキャンプに接近する前に、まず荷物をその場に置くことで反応されづらくし、フローターに乗って気付かれないようにミュールのキャンプに潜入。

ミュールの一人が背中を向けたところを縄を使って拘束すると、ミュールのロッカーにアクセスし、他のサムから奪われた装備、スピードスケルトンや縄を撃つ銃「bola gun」を入手して装備を変更。しかし、ミュールに潜入していることが気づかれてしまい、大勢のミュールに囲まれることに。bola gunから縄を放ち、ミュールを撃退していくも数が多い。ミュールの槍による攻撃を交わしつつ、最終的にミュールの一人が乗っていたトラックを奪って、ミュールの領域外へ逃走することで、戦闘が終了した。ミュールとの戦闘は、一般的なTPSに近いような印象を受けた。また、今回登場した車はボロボロだったが、後々ブリッジズの正式な車が手に入るという。

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もう一つ公開されたのが、BTとの戦闘シーンだ。BTは本作に登場する目に見えない存在。目に見えないものの彼らが近くにいると悪寒が走り、BBがいることにより肩に装備したセンサーによって、BTの位置がわかる。また、BTからもサムのことは見えておらず、音や気配によって察知してくる。サムが止まっていると見え、動くと消えるそうだ。BTを倒すことはできないが、サムには特殊な血が流れていて、サムの血やうんち、シャワーを浴びた後の水など老廃物を使うことで、BTを拘束できる。逆に、BTに見つかってしまうとハンターが現れて、捕まるとキャッチャーと呼ばれる中ボス風の反物質で構成されたBTがいる空間に連れて行かれてしまう。

その空間は、地面がタールの海で満たされている。動画では、荷物を置いて重量を軽減し、車や構造物の上など、浮いている場所に乗って戦闘していた。キャッチャーにも、通常のBT同様に血などによる攻撃が有効で、最初は血液グレネードで応戦していたが、6発のグレネードを投げたところでキャッチャーは倒れず、武装は品切れ。キャッチャーに食われ、クレーターが出来てしまうかと思われたが、コミュニケーションボタンを押して助けを求めると、白い姿で他のサムが空間に姿を表し、ハンドガンやグレネード、血液パックを届けてくれた。2人来てくれたサムのうち、片方はただ応援してくれるだけだったが、他のサムにもらった装備を活用して、キャッチャーを撃退すると、カイラル結晶が報酬として手に入り、タールまみれの姿で通常の空間へ帰還することができた。なおBTは雨の降っている場所にいるという。天気予報を見て雨の降る領域を避けたルートを選択して進むことで、BTとの戦闘を回避しながらゲームを進めることも出来るそうだ。

画像は配信からのキャプチャです

50分のプレイ動画の最後で登場したのが、5万人が住むという都市「Port Knot City」にたどり着くシーンだ。都市が遠目に視界に入ると、サムがアクションをしながら感動的な音楽が流れ始め、カメラが切り替わる演出が入った。小島秀夫監督は、本作をどこにでもいけるので、自分でラインを決めるゲームだという。そのため、プレイヤーによってサムの道程は変わることになるが、都市には荷物を待っている人々がいる。運び終えたことや、たどり着いたことによる達成感がある。オンライン上で繋がり、助け合ったこともある。そうした要素により、都市に到着したシーンでは、泣く人も多いのだとか。なお、バイクで駆け抜けていく人もいるが、それはあまりしてほしくない、曲を聞いてほしいとも語っていた。

長い演出のあと、都市の配送センターへたどり着いて荷物を届けると、一人で完璧な状態の荷物を届けたことにホログラムのNPCが驚き、通信機器を起動するとカイラル通信の領域が大幅に拡大。その後、地下のプライベートルームと呼ばれる部屋で休み、大統領執務室に来てくれと呼ばれたところで、動画が終了した。なお、プライベートルームには、シャワールームを含め、ノーマンと遊べる要素が用意されていて、土曜日のステージで実機プレイでの公開になるそうだ。

動画の後には、小島秀夫監督の口から本作の情報などが語られた。『デス・ストランディング』は、人によって体験が変わるゲームだという。やたら荷物を拾う人がいたり、サブストーリーなどは無視してどんどん進む人。建造物を作るのに夢中になる人がいれば、ひたすらバイクに乗る人もいる。自分で作らず、人にいいねをあげたりするだけでもいいそうで、一人で旅をしていて誰も助けてくれないが、コミュニケーションボタンを押すと返事が返ってきたり、誰かの足跡や声を追いかけていくと、温泉があったりする。色んな人と繋いでいって、世界中の人と繋がることが楽しいゲームになっているのだとか。

また、本作のテーマ同様に開発も繋がりによって成り立っているという。独立してから3年半が経つが、会社や事務所もゼロから探し、ソニー(SIE)やゲリラ(ゲリラゲームズ)、星野氏や三浦氏、そして制作も繋がっている人とやってきた。間に代理店が入ったりはせず、直接あって話して、一緒にやりましょうという、繋がりで本作は作られいる。また、発売まで2か月を切っているが、現在は過酷な状況で、小島秀夫監督は今日も帰って仕事をするそうだ。