不死のカニ達が掟をかけて戦う『カニノケンカ』早期アクセス配信スタート。敵のタラバガニが無敵化される現象は既に修正

 

同人ゲームサークルNussoftは8月12日、不死のカニ同士が戦う新感覚3D格闘アクションゲーム『カニノケンカ』の早期アクセス版の配信を開始した。対応プラットフォームはPC(Windows7以降)。boothでは1480円、itch.ioでは14.8ドルでダウンロード版が販売されている。

ローカル対戦やオンラインマルチプレイにも対応。早期アクセス版には、19体のカニと41種類の武器が収録されているが、開発の状況によってはバランスの調整や要素の増減が起こる場合もあるそうだ。正式版リリース時には、早期アクセス版の製品版へのアップデートが予定されている。Nintendo Switch版のリリースは正式リリースのタイミングになるほか、戦闘バランスが安定したタイミングでSteamでも配信するとのこと。

『カニノケンカ』は、知性と力を持ったカニ同士が、甲殻類の掟に従い戦う3D対戦アクションゲームだ。舞台となるのは、カニ達が神によって力を授かり、人類に代わって万物の頂点に立った世界。知性を獲得し、巨大化して不死の肉体を得たカニ達には、剣はおろか銃弾も通じない。だが、そんなカニ達にもただ一つ、従わなければならない掟があった。背を大地につけた者は負け―――『カニノケンカ』は、ルールに則り相手をひっくり返そうとするカニ達の闘争を描いた作品だ。プレイヤーは、そんなカニの1体となり、最強のカニを目標にあらゆるものをひっくり返していく。

バトルが始まると、カニらしく2本のツメを操作して、対峙するカニと戦う。ツメはパンチで相手に打撃を加えたり、ツメを閉じて何かをはさみこんだりすることが可能。左右のツメはそれぞれ独立して動作でき、ツメを閉じている最中は相手のパンチを弾けるようになる。しかし、どれだけダメージを与えても、カニは不死なのでHPが減って倒れたりはしない。勝利条件はただ一つ、相手をひっくり返すことだけだ。

強大な力を持っていても、秩序を重んじるカニ達にとってこの掟は絶対であり、3カウントで負けを認める。攻撃を加えることで%が増加し、徐々にひっくり返りやすくなるので、相手の攻撃を防ぎつつ、打撃やハサミなどでダメージを与えて、相手の背を3秒間地面につけることができれば勝利となる。また、カニはかしこいので、素手以外にその辺りに落ちているヤシの木や巨大な椅子を掴んで殴ったり、剣や銃を扱うことも可能。ヤシガニやズワイガニ、伊勢エビなど並み居る甲殻類をひっくり返し、頂点を目指そう。

同人ゲームサークルNussoftは、野生化したゲームプログラマーを自称するぬっそ氏によるサークルだ。海洋生物の真の戦闘能力を描いた魚介系3D対戦アクションシューティング『ネオアクアリウム -甲殻王-』。カニやイカ、サメや駆逐艦など、海の生物たちがパーティーを組み、海中の覇権を争う3Dアクションシューティング『ACE OF SEAFOOD』を過去にリリースしている。本作では主にカニを描いているが、サメや駆逐艦、フジツボなどを操作したい方は、Steam版やコンシューマー版もリリースされている過去作から遊んで見るのも良いだろう。

なお、『カニノケンカ』の音楽を担当したDEKU氏によれば、当初ぬっそ氏からは「日本をイメージした曲」とオーダーを受けてプロトタイプを作成したものの上手く行かず、再度要望を聞いてみると「ニンジャ」と言われたのだとか。オーダー通り、ニンジャをイメージした曲を制作した結果いい感じのBGMが完成したそうなので、カニとはニンジャなのかもしれない。

※ ステージ3-5で敵のタラバガニが無敵化する現象は修正済み。早期アクセス版ということもあり、精力的にアップデートが行われている。

【UPDATE 2019/8/14 12:20】
なお、ぬっそ氏のツイートによれば、Nussoftの売上は国内に依存しているという。だが、『カニノケンカ』(海外ではFight Crab)はインパクト抜群のトレイラーを中心に、英語圏でも注目を集めている。海外メディアIGNはテンション高めの紹介動画を公開し、コメント欄では「Fight Club」のセリフを改変して「Fight Crabについて話してはならない」といった反応も。

また、SNS上では『大乱闘スマッシュブラザーズDX』のプロプレイヤーとして、Team Liqudに所属するHungrybox氏も「これを遊ばないといけないことはわかっている」とユーモラスに反応している。『大乱闘スマッシュブラザーズDX』では、世界的な強豪の一人にして、最強のプリン使いとして知られるHungrybox氏だが、今年4月に開催された大会ではカニを投げつけられるという珍事があり、その後自身の配信上でカニにリベンジを果たしている(弊誌記事)。何かとカニと因縁のある同氏が、カニになる日はそう遠くなさそうだ。