『LoL』味方に擬態して敵を惑わす新チャンピオン「ニーコ」発表。女性チャンピオンに好意を寄せるレズビアンという側面も


Riot Games1120日、同社が開発・運営する『リーグ・オブ・レジェンド』(以下、LoL)の142体目となる新チャンピオン「不思議のカメレオン、ニーコ」の実装を告知した。今年8月に公開されたチャンピオン開発ロードマップでは「カラフルなメイジの存在はあまり長くは隠しておけない予感がしている」との記述があったが、今回ようやくその正体が明らかになった形だ。

ニーコのチャンピオントレーラーの中でもひと際目を引くのは、カメレオンみたく味方のチャンピオンに擬態して敵を欺くシーンだろう。彼女はいろいろな姿に変身する妖怪”シェイプシフター”で、味方の姿に化けて敵を混乱させることがまさしくニーコの主な戦術となっている。固有スキルの「駆け巡る色彩」によって味方チャンピオンに姿を変えることができる。敵チャンピオンにダメージを与えたり、敵チャンピオンからダメージを受ける、もしくはQEスキルを使用することで擬態が解除される。初期状態では25秒のクールダウンだが、ニーコが3レベル上昇するごとに待機時間が減少し、16レベル時点では10秒ごとに擬態することが可能だ。味方の姿に変身する際はヘルスもコピーされるので、キル目掛けて追いかけてくる敵をベイトするには最適である。また、レベル6以降のイブリンに変身した場合、カモフラージュ状態はコピーできない。さらに細かな仕様としては、味方チャンピオンに変身中はミニマップ上のアイコンも味方チャンピオンのものになるほか、そこに向かうことを示すピンも擬態したチャンピオン名が表示されることが報告されている。これは味方としても状況を把握しづらく、コミュニケーションエラーの原因となり得るので注意が必要だ。

Wの「シェイプスプリッター」も敵を惑わせるにはうってつけの性能で、少しの間だけインビジブル状態になって移動速度が増加し、自身のクローンを指定方向に歩かせることができる。これを上手く扱うことができれば、敵のセットアップを回避できるだけでなく、重要なスキルを使わせてから反転する、といったことも容易だろう。Qの「弾ける花弁」は、指定地点に種を投げて一定時間後に花を咲かせることで敵にダメージを与えるスキルだ。これによって敵をキルするか、チャンピオンまたは大型モンスターにダメージを与えると、最大2回まで追加で花が咲く。レーンフェイズではミニオンのキルを上手く絡めながら、追加で咲く花の範囲攻撃によって敵チャンピオンへダメージを与えることが重要となるだろう。メイジの主力スキルとしては射程は短めで、確実に命中させるにはリスクを伴うが、代わりに序盤からダメージが高く設定されている。Eの「からまれ!」は方向を指定して魔法の渦巻を投げ、ダメージと短いスネア効果を与える。2体以上の敵に当たると、大きさ、速さ、スネア効果時間が増加する。敵チャンピオンがミニオンの後ろにいるとき、あるいは敵チャンピオンが一直線上に重なっているときに真価を発揮しそうだ。また、Wの「シェイプスプリッター」のパッシブ効果として、通常攻撃3回ごとに追加魔法ダメージを与え、少しの間だけ移動速度が増加する。

Rの「ポップブロッサム」は1.25秒の詠唱後、シールドを獲得しながら飛び上がり、周囲の敵にスロウを与え、着地時に範囲内の敵に大ダメージを与えて1.25秒スタンさせる、非常に強力なAoEスキルだ。さらに、固有スキルで味方チャンピオンに化けているタイミングで発動すると、詠唱モーションを隠すことが可能だ。円形の広い範囲にダメージとスタンをばら撒けるので、ドラゴンやバロンピット内など敵チャンピオンが密集しやすいポイントは狙い目だ。敵チャンピオンの中に飛び込んでいく必要があるので、味方チャンピオンに擬態したりインビジブルを活用しながら、完璧にセットアップしたいところだ。失敗して取り残されてしまうと、ニーコ自身が危険に晒されることになるだろう。

ニーコはミッド・サポートで運用されると予想される。ニーコはブリンクやダッシュは持っておらず、機動力に長けているとは言えない。しかし、移動速度上昇やインビジブル状態、味方チャンピオンへの擬態を上手く駆使すれば、敵への奇襲を仕掛けることが可能だ。メインスキルとなるQの射程はやや短いが、ウェーブクリア能力は決して劣っていないことから、安全にレーニングをこなせるだろう。マップコントロールを重視しながら味方と共に動き、仕掛けるべきチャンスが訪れた際には、味方チャンピオンに擬態したりインビジブル状態で敵の真ん中に飛び込み、Rの範囲AoEスキルで敵を制圧することが主な戦術になると思われる。またリードゲームプレイデザイナーであるRiot Scruffy氏の発言によれば、ミッド・サポートでの運用がメインとはなるものの、ジャングルでの運用も不可能ではないように調整されているとのことだ。同ツイート内では今後ジャングルチャンピオンが実装予定といったことが明言されているあたり、ニーコのジャングル運用は本意では無いと伝えているようにも感じる。幅広いロールで活躍できるポテンシャルを秘めたニーコを、プレイヤーたちはどのように扱い、どのロールを最適解とするのか、今から非常に楽しみである。

ニーコと他チャンピオンとのやり取りを見てみると、彼女はシヴァーナをデートに誘ったり、イブリンに好奇心を抱いたりと、女性に対して関心を持っているように思われる。一方で、男性チャンピオンに対しては、エズリアルへの「まあまあ(Pretty)」といった発言を除けば、好意的と捉えられるコメントは見られない。そう、ニーコは同性愛者であることをRiot Gamesが正式に認めたチャンピオンなのだ。こういった話題はコミュニティ間でたびたび議論されており、エズリアル、ヴァイ、フィオラなどが同性愛者なのではないかと言われているが、Riot Gamesからの正式な確認は一度も取れていなかった。しかし、今回実装されるニーコの件に関しては、Rioterからの正式な回答が得られている。『リーグ・オブ・レジェンド』の各チャンピオンに明確なストーリーが設定されていることはご存知だろうが、昨年4月に実装された恋人同士の「ザヤ・ラカン」の例もあり、これまでよりキャラクターコンセプトが洗練されている印象を受ける。今年8月の時点で「チャンピオンの開発プロジェクトはいくつか進行中」と発表されており、そのうちの一つであるニーコが話題を呼んだ今、それに続く新チャンピオンの登場にも期待が掛かるところだ。

ニーコのチャンピオンデザインはSolCrushed氏が手掛けている。過去にはイレリア・ヨリック・ポッピーのリワークを担当した人物である。先日シーズン8が終了し、ライブサーバーに適用されたアップデートではプレシーズンの到来に合わせて大幅な調整が行われている。Riot Games曰くメタを大きく変動させることはないとのことだが、例のごとく変更点は多岐にわたっており、適応するのにやや時間が掛かりそうな状況である。新チャンピオン・ニーコは、その整理にひと段落がつくであろう今年最後のパッチ(8.24)にて実装予定だ。