「ポケモン」をリアル化する絵を描きSNSに投稿し続けたイラストレーター、映画「名探偵ピカチュウ」のスタッフとして雇われる

本日11月13日、ハリウッド映画「名探偵ピカチュウ」の映像が公開された。馴染み深いポケモンたちがリアルに描かれる作風は、これまでのシリーズに見られなかったものだ。このリアル調のデザインには、長きに渡りSNSでリアルポケモンイラストを投稿してきたアーティストが携わっているようだ。

『ポケットモンスター』シリーズのモンスターをリアル調に描き、そのイラストをSNSなどで投稿してきたクリエイターRJ Palmer氏が、本日トレイラー映像が公開された映画「名探偵ピカチュウ」にコンセプトアーティストとして携わっていることをTwitterで明かした。

Palmer氏は、「Realistic Pokemon」と題してさまざまなポケモンをリアル化するイラストを描き続けてきた。リザードンやカメックスといった獰猛なものだけでなく、イーブイおよびその進化系7種のようなかわいらしいものまで、幅広くかつリアルにポケモンを描いてきた。特筆すべきはその画力。数々のポケモンの特徴を捉えつつ、おぞましいほどリアルにリアレンジしている。そのポケモンも頭のてっぺんからしっぽのディテールまで緻密に描き込まれており、まさにアートと呼ぶにふさわしいイラストになっている。

Image Credit : RJ Palmer

氏は以前からDeviantArtなどSNSでイラストを投稿しており、古くから“リアルポケモン”を含んだアートをシェアしてきた。一部ファンの中では有名なイラストレーターであったが、なんと今回ハリウッド映画「名探偵ピカチュウ」の製作に参加しているというのだ。確かに「名探偵ピカチュウ」においては、ポケモンたちは従来の作品のようにデフォルメ化されておらず、非常にリアルな姿で描かれている。ポケモンたちの特徴をうまくつかみつつ、現実世界の生物として描写されていたが、そのコンセプトアートにはPalmer氏が携わっていたようだ。

氏がKotakuに語ったところによると、「Realistic Pokemon」とGoogleで検索をかけたプロダクション・デザイナーよりオファーをもらったという。氏は、普段はUbisoft San Francisco studioで働いているが、2016年から2017年に7か月をかけて多くのポケモンのデザインを考案したとのこと。映像で確認できるポケモンのデザインには、公に出る前から長い時間をかけて培ってきたPalmer氏のノウハウと愛情が詰まっているだろう。

Image Credit : RJ Palmer

その絵に見覚えるがある人にとっても、従来のポケモンとはかけ離れたイラストを描く氏が、まさか『ポケットモンスター』の映像作品に携わるとは予想できなかっただろう。もちろん、氏の才能があってのことかと思われるが、リアルなポケモンを描き続ける氏の信念があったからこそ、実現できたことではないだろうか。好きなことを“続ける”ことの重要性が感じ取れそうだ。いずれにせよ、夢のある話だといえる。

RJ Palmer氏の描いたポケットモンスターのイラストは、氏のホームページDeviantArtArtStationページから確認できる。これを見たのちに、「名探偵ピカチュウ」の公開された映像を視聴し、その仕事っぷりを堪能してみてもいいかもしれない。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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