ソニーは10月31日、2017年度第2四半期（7〜9月）の連結業績を発表した。それによると、売上高および営業収入は2兆625億円で前年同期比で22.1パーセント増。営業利益は2042億円で同じく346.4パーセント増だった。これにより2017年度上期（4〜9月）の連結業績は、売上高および営業収入が3兆9206億円（前年同期比18.7パーセント増）、営業利益は3618億円（同255パーセント増）となった。ソニーはこの増収増益を受けて2017年度通期の業績見通しを8月時点から上方修正し、営業利益は1997年度以来の過去最高益となる6300億円を見込んでいる。
ご存知のようにソニーは多種多様な事業を展開しているが、今回すべてのセグメントにおいて増収増益を達成している。売上高で際立つのはゲーム＆ネットワークサービス分野およびホームエンタテインメント＆サウンド分野で、営業利益に目を移すと同じくゲーム＆ネットワークサービス分野と半導体分野が業績を牽引している。
ゲーム＆ネットワークサービス分野、つまりPlayStationプラットフォームビジネスに注目してみると、2017年度第2四半期の売上高は4332億円で前年同期比35.4パーセント増、営業利益は548億円で同じく288パーセント増と、大幅な増収増益を達成している。これには為替の影響も含まれるが、ソニーはPS4ソフトウェアおよびハードウェアの販売が好調だったことによって増収となり、結果増益にも繋がったとしている。ソニーは2017年度通期の業績見通しについてこの分野においても上方修正し、PS4の販売台数の見通しについては8月時点の想定から引き上げて1900万台とした。
ソニーは2017年度末時点でのPS4の累計販売台数を7800万台と予想しており、現在のPS4および関連サービスを収益を最大化させる収穫期として位置づけている。今回の増収の要因のひとつとしてネットワーク関連からの収入（ソフトウェア販売を含む）を挙げているが、PlayStation Plusの会員数は2016年度末時点で2600万人を超えており、こちらも寄与していることが予想される。
一方PlayStation VRについては今回言及はなかったが、今年6月時点で100万台を販売しており、またVR/AR関連調査会社Greenlight Insightsは10月末時点で150万台に達していると報告している（Road to VR）。ソニーは9月に開催したプレスカンファレンスでゲームだけに留まらないPSVRの活用法をさまざま示しており、拡大を続けるユーザーベースがプラットフォームの多様性と好循環を生み出していることがうかがえる。これから年末商戦期を迎え、ソニーはPlayStationプラットフォームの販売促進活動を強化していくとのことだ。
