焔をもって鍛造し、突撃する。新要素満載の『LoL』新チャンピオン「山の下の焔、オーン」

『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』を開発運営するRiot Gamesは8月8日、新チャンピオン「山の下の焔、オーン」の実装を告知した。新規・既存チャンピオンに関する開発状況をプレイヤーに知らせるチャンピオンロードマップで先月言及されていた「新しいヴァンガードチャンピオン」がこのオーンとなる。

『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』を開発運営するRiot Gamesは8月8日、新チャンピオン「山の下の焔、オーン」の実装を告知した。新規・既存チャンピオンに関する開発状況をプレイヤーに知らせるチャンピオンロードマップで先月言及されていた「新しいヴァンガードチャンピオン」がこのオーンとなる。

 

山と溶岩に縁深い鍛冶の神

チャンピオンロードマップでは、次の新チャンピオンである「ヴァンガード」とともに関係の深い要素として言及されていた「ルーンテラでもっとも寒い地域」。その言葉の通り、オーンは雪と氷に閉ざされた北方地域「フレヨルド」出身ではあるが、分厚い氷の下で熱く煮えたぎる溶岩の化身たる亜神だ。孤独を愛し、素晴らしい道具や武具を作り出す匠であるオーンの物語も公開されている。この物語によれば、既存チャンピオンの「ボリベア」「アニビア」はそれぞれオーンの弟妹にあたる神格であり、チャンピオン間の設定もアップデートされていくようだ。

鍛冶の神であるオーンだが、ゲーム上の能力としてもその設定が反映されている。固有スキルのひとつ「歩く鍛冶場」は、その場で武具を作り出せる──つまりリコールせずともアイテムを購入できるという掟破りの能力だ。これまでの『LoL』では、どんなチャンピオンもリスポン地点に戻らなければショップにアクセスできず、それ以外でのアイテム購入は不可能だった。『DotA 2』では、ショップからアイテムを運んでくれる「クーリエ」というアイテムで遠隔購入が可能ではあるが、『LoL』でこうした要素が導入されるのはオーンが初めてとなる。

「歩く鍛冶場」を使ってアイテムをリスポン地点以外で購入するには、ショップ画面を開いて単に購入手続きを行えばいい。オススメアイテムについてはショップ画面を開かずとも、HUD上部に直接ショートカットが表示されているため、これをクリックするだけでよい。購入手続きを行うと、所持ゴールドを消費した上でオーンがその場で鍛造を始める。鍛造アニメーション中は操作がまったく効かず動くことができないため、敵に攻撃されることのない安全なところで行おう。また、オーンは鍛冶師であって錬金術師ではないため、この能力で購入できるのは武具に限られ、ポーション等の消耗品類は鍛造できないと明言されている。

オーンの武具制作能力は「歩く鍛冶場」だけに留まらない。もうひとつの固有スキル「名匠」により、オーンのチームメイトは所持している武具をひとつだけ選んで特別なアップグレードを施すことができる。通常『LoL』では、チャンピオン1体が所持できるアイテムは全部で6個であり、その枠を上回る数のアイテムを買うことはできないため、必然的にアイテムに投資できるゴールド額は限られることとなる。その制限を例外的に一部取り払うことができるのだ。

オーンがアップグレードできるのは、現時点のPBEでは画像の8つのアイテムとなっている。これらのアイテムに指定額のゴールドを消費してアップグレードを行うと、アイテムから得られる能力値が増加する。対象アイテムや増加能力値は今後も検討されるとのことだ。

 

オーンの能力

アイテムに関して今までの『LoL』の常識を打ち破る能力を持つオーン。そんな彼のプレイ面を見ていこう。オーンのチャンピオン分類は「タンク」、サブクラスは「ヴァンガード」となっており、集団戦の口火を切り敵中に飛び込んでいく壁役だ。手にしたハンマーを武器とする近接攻撃チャンピオンで、消費リソースはマナとなっている。

所持スキルは、山や溶岩といった要素から連想されるものとなっている。Qの「火山噴火」は、指定方向に溶岩の走る亀裂を発生させて触れた敵にダメージとスロウ効果を与え、一定時間後に亀裂の終点に小さな壁を作り出す。Eの「灼熱の突撃」は短距離のダッシュスキルで、壁に当たるとオーンの周囲の敵をノックアップする。Qで作り出した壁をはじめ、ほかのプレイヤーが作った壁でもノックアップが可能なので、開けた場所では味方とのコンビネーションが重要になる。ぶつかった壁が敵の作った壁であれば破壊できるため、味方を分断する意図で壁を設置された状況を打開する鍵になる可能性もある。プレイヤーが作った壁とEとの詳しい相互作用については、PBE実装時点での検証動画を参照されたい。Wの「ふいごの息」を使うとオーンがシールドを獲得し、同時に炎の息を前方に吹きかけてダメージを与える。最後の一息には特殊な効果があり、これが当たった敵には通常攻撃でノックバックさせることができる上に、新デバフ「脆弱」を与える。

「脆弱」はオーンの実装をもって新しく導入されるデバフで、これを受けている間に移動不能効果を受けると最大体力の割合ダメージを受け、移動不能効果は持続時間が増加するというものだ。QWERの通常スキルに豊富なノックアップ・ノックバックを持つオーンは、移動不能効果のデパートと言っても過言ではない。味方のスネアやスタンとも組み合わせて、CCチェインで戦闘を有利に運んでいこう。

Rの「鍛冶神の呼び声」は一風変わったスキルだ。方向を指定して発動させると、一定距離から巨大な炎の精霊がオーンに向かって走ってくる。炎の精霊に触れた敵はダメージと「脆弱」を受ける。このアルティメットスキルは再発動が可能で、2回目の発動ではオーンが短距離をダッシュする。ダッシュする際にオーンが炎の精霊にぶつかると、ハンマーで精霊を叩いて強引に方向転換させる。方向転換した精霊は触れた敵にダメージと脆弱を与えるだけでなくノックアップ効果も持つようになり、非常に強力なイニシエートスキルとなっている。なお、EやRのダッシュは地形に当たると止まってしまうため、壁抜けは全くできない点に注意したい。

一見しただけで強力なイニシエート・タンクをこなせそうなオーンだが、想定ロールはもちろんソロのトップレーナーだ。有志のテストプレイを見るとジャングルも回れそうで、ダッシュスキルやノックアップを駆使したレーンへのガンクも強力そうに見える。しかし固有スキルの「歩く鍛冶場」で有利を築くためには豊富なゴールドが不可欠であり、収入が細くなりがちなジャングルでは利点をひとつ殺してしまうことになりかねないだろう。

オーンは8月30日頃実装と予測される7.17パッチでの実装が予告されている。世界大会で使われる環境は7.18パッチとかねてから予告されているものの、残念ながらオーンは新しすぎるために使用不能となる予定だ。プロシーンで見られるのは世界大会後のいずれかのトーナメントになるだろう。『LoL』で最も不思議なジャングラー「アイバーン」を送り出したデザイナー、Squad5氏の手によってサモナーズリフトに解き放たれるオーンは、チームプレイが楽しいチャンピオンになると心から断言できる。実装を楽しみに待とう。

Sawako Yamaguchi
Sawako Yamaguchi

雑食性のライトゲーマー。幼少の頃からテレビゲームに親しむが、プレイの腕前は下の下。一時期国内外のTRPGに親しんでいたこともあり、あらゆるゲームは人を楽しませるだけでなく、そのものが出発点となって人と人を結びつけ、新しい物語を作る力を持っていると信じている。2012年から始めた『League of Legends』について、個人ブログやTwitterにて日本語で情報発信を続けている。

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