2人プレイ専用ゲーム『違う星のぼくら』は、「人々を孤独にさせる」「人間関係の後ろめたいところを発露させる」ゲーム、なんでそんなの作ったんですか
2人プレイ専用ゲーム『違う星のぼくら』開発者インタビュー

講談社ゲームクリエイターラボは4月25日、『違う星のぼくら』を発売する。対応プラットフォームはPC(Steam)。本作のパズルギミックの一部が遊べる特別体験版も先行して配信中だ。
『違う星のぼくら』は、個人のインディーゲームクリエイターところにょり氏が手掛ける2人プレイ専用ゲームだ。前作『違う冬のぼくら』同様に2人プレイ専用でありつつ、本作は目的秘匿型のゲームとなっている。2人でパズルを解きながら旅を進めていき、それぞれに与えられた目的を果たすことになる。
このたび弊誌では、開発者のところにょり氏と本作のパブリッシャーである講談社ゲームクリエイターズラボの片山裕貴氏に話を伺った。『違う星のぼくら』がどんなゲームで、どう開発を進めているのか。そして、ところにょり氏がどんな思いを込めて本作を届けるのか。開発者のパーソナルな部分にも踏み込んで垣間見えてきた、『違う星のぼくら』の2人プレイ専用ゲームならではの魅力をお伝えする。
――自己紹介をお願いします。
ところにょり氏:
大学卒業後、2016年頃から個人でゲーム制作をしているところにょりと申します。2021年の講談社ゲームクリエイターラボ発足時に1期生として参加して、『違う冬のぼくら』というゲームを作りました。現在は『違う星のぼくら』というゲームを開発中です。
片山裕貴(以下、片山)氏:
講談社ゲームクリエイターズラボの担当編集の片山裕貴です。
――昨年の夏頃にご取材したとき(関連記事)、『違う冬のぼくら』は販売数60万本を達成されて、さらにコンスタントに売れ続けているとお話しされていましたが、現在はどれほどの販売数なんでしょうか。
片山氏:
現在は85万本くらいですね。
――さらに25万本……。
ところにょり氏:
ずっとじわじわ売れてくれているタイトルで、僕が今まで手掛けたゲームの中でも特に『ひとりぼっち惑星』がそうだったんですけど、最初の1週間の初動が良くても、それ以降は一気に右肩下がりみたいなものが多かったんです。なので、初めてこういう売れ方をしてくれて本当に驚いていますね。

――そんなまだまだ売れ続けている『違う冬のぼくら』がありつつ、4月25日には新作となる『違う星のぼくら』の発売を控えています。『違う星のぼくら』はどんなゲームになるのでしょうか。
ところにょり氏:
『違う星のぼくら』は、前作『違う冬のぼくら』と同じく、2人プレイ専用のゲームです。前作と、そしてほかの2人プレイ専用ゲームとも大きく異なる点が「目的秘匿型」というジャンルです。ふたりのプレイヤーそれぞれに別のストーリー、目的が与えられていて、自分だけに与えられたストーリーを秘密にしながら、相手と協力しないといけないゲームになっています。
――ふたりそれぞれに違うストーリーとなると、開発がすごく大変そうですが……。
ところにょり氏:
ストーリーに関しては前作のほぼ倍以上苦労しました。ふたつのストーリーを同時に作りながら、かつそれを同時進行させて、もちろん面白いものでなければならないので大変でしたね。『違う冬のぼくら』のときもそうだったんですが、『違う星のぼくら』も基本的にストーリーやレベルデザイン、あとはプログラムもほぼすべて自分ひとりで開発していますので……。
『違う星のぼくら』は、開発者の暗黒面を前面に
――『違う星のぼくら』はどういった人たちをターゲットに作られているのでしょうか。
ところにょり氏:
前作と同じように、もちろん2人プレイ専用ゲームを一緒に遊ぼうぜっていう関係性のふたりに遊んでほしいという気持ちで作っています。カップルとか夫婦、友達、そういう関係の人たちですね。

――体験版は結構邪悪というか、不穏な印象を感じました。製品版では、仲良しなふたりがプレイしても大丈夫ですか。
ところにょり氏:
元々僕が作っていたゲームは不穏さというものが軸に、「僕、ところにょりはこういう人間です」っていうのがただ出ているだけということがあって。それこそ『違う冬のぼくら』では、何とか上手く偽装されていたみたいなところがあるんですけど。
――前作も大概でしたが、あれで偽装……?
ところにょり氏:
偽装というか、『違う冬のぼくら』では、僕の“光のところにょり”みたいなところを全面に押し出して、その中でどうしてもあふれ出てしまう仄暗い面がちょっとずつ出ちゃっていたよね、という感じでした。でも、『違う星のぼくら』は……、今回はもういいやっていう(笑)
――な、なんで!?
ところにょり氏:
わざわざ隠さなくても、もう良いかなと。最初から全面的に押し出している感じになっていますね。
――ええ……。2人プレイは、仲の良い人たちが楽しく遊ぶジャンルだと思うんですが、なぜご自身の暗黒面をぶつけようと思ったんでしょうか……?
ところにょり氏:
2人プレイだからこそ、仄暗くても受け入れてくれるというのが『違う冬のぼくら』を経た経験としてあるのがひとつですね。前作で結構なものでも受け入れてくれるなっていう、こちらからの信頼があったので、じゃあ「次はこういうのどうですか」という気持ちで作りました。

『違う星のぼくら』の体験版の感想を見てもそうだったんですが、苦しい展開だったとしても、ふたりで遊んでいるからこそ、そこに何かプラスの面をお互いに見つけようとしたりとか、自分ひとりで沈むんじゃなくて、ふたりで何とかここから立ち上がろうよみたいな感じになったり、そういう人たちもいらっしゃいましたね。
――逆に、『違う星のぼくら』は、ちょっとギクシャクした関係の人たちがやっても大丈夫なんですか?
ところにょり氏:
基本的には仲良い人同士が遊んでこそかなと。なので、ギクシャクしている人同士で遊ぶと、よりギクシャクするような作りにはしています(笑)
――ダメじゃん!!
ところにょり氏:
前作もそうだったんですけど、すごく仲良い者同士だったとしても、どこかで相手のことを実は見下しているとか、そういう関係性のふたりがプレイすると結構ギクシャクしがちですね。『違う冬のぼくら』では、片方に付き従わないといけないという状況になることがあるんですけど、そういうときに普段自分が上だと思っていた方が付き従わないといけない立場になったとき、すごいストレスになるみたいなんですよね(笑)
こいつに命令されるの嫌だな、みたいな感じになって、関係がよりギクシャクするみたいな風になっているのとかを見ると……、すごい楽しかったですね。
――こわ……。
一同:
(笑)

ところにょり氏:
自分の作ったギミックで、他人の関係性が変化している様子を見るの、楽しいじゃないですか。人と人の関係の中で隠された歪みみたいなものが表に出てきている瞬間に、単純に受け手として、物語を見る者として興奮するみたいな、そういう感じですね。
――きれいな言い方をしていますがだいぶ悪趣味では……!?
ところにょり氏:
『違う冬のぼくら』のSteamのレビューで、たまに「ケンカしました」と書いて低評価にしている人がいたんですけど、そういうのを見たときはすごい楽しかったですね(笑)
――やばい。
片山氏:
(笑)『違う星のぼくら』には「押す」というアクションがあります。隣にいるキャラクターを押して、押し出すことができます。それがすごい有機的に現れるようになっていますね。その点に関しては、本当に前作よりも強まっているなと感じます。

――なんで「押す」なんてアクションを入れたんですか。絶対にケンカの原因になりますよ!!
ところにょり氏:
もともと『違う冬のぼくら』で、ギミックを使って相手を邪魔する……、言ってしまうと殺すみたいな妨害ができたんですね。たとえばゲートが開いたり閉まったりするところで、相手を上手く誘導して押し潰して笑うみたいな遊び方をしている人が結構いたんです。これはお互いに楽しく笑い合える要素になるなと思ったので、常時できるようにしようと。そこで、押すというアクションを入れたわけです。真剣にお互いにギミックを頑張って解いているときに、ぜひ不意に相手を押してみてほしいですね。
――ひ、人でなし!!ひとりでゲームを開発しているから、2人でプレイしている人の気持ちを考えてないのでは!?
ところにょり氏:
もちろん常に2人プレイの人たちの気持ちを考えながら作っています。だから、受け手の自分と作り手の自分が同時に存在しています。こういうことをされたら嫌だなと思いながら、じゃあ取り入れようと作っていくみたいなのを延々と、ずっとやっているみたいな。
――光のところにょりと闇のところにょりの2人がプレイしてる!
ところにょり氏:
ただ、実際自分でやってみたら本当に嫌過ぎて却下するみたいなこともあります(笑)
――頑張れ、光のところにょり!
ところにょり氏:
ちなみに力関係は闇の方がだいぶ強いです。
――(絶望)
ところにょり氏:
というのも、僕が純粋に受け手として、いろいろな作品を楽しむ立場として、作り手にボコボコにされる感じというのが本当に大好きなんです。そこで自分が何を作ろうかと考えて、そういう作品を作ろうとなりましたね。
――そんなちょっと陰多めなところにょりさんのパーソナルな部分も踏み込んでお聞きしたいのですが……、人間関係で悩んだりすることもあるんですか。
ところにょり氏:
もちろんありますよ。ただ、僕が今まで作ってきたゲームは、それこそ『ひとりぼっち惑星』がまさにタイトルからそうなんですけど、孤独というものにずっとフォーカスしてきたんです。それがなぜ『違う冬のぼくら』、『違う星のぼくら』で2人プレイ専用プレイを作ったのか、「急に矛盾してるじゃん」ってところがあると思うんですけど、僕はそれには明確に答えがあって。孤独じゃない人たちを孤独にしたいなっていう(笑)
――その野望、諦めてもらっていいですか?
片山氏:
(笑)
ところにょり氏:
孤独な人に対して寄り添うというよりも、今すでに孤独じゃない人を孤独にするという、直接的なアクションをしないといけないな、という気持ちに切り替わりました。
――その積極性いりませんから!!
ところにょり氏:
それこそ、2人プレイ専用ゲームって、自分にとってすごい大切な人とプレイすることがほとんどじゃないですか。そのふたりの関係性に「でも、あなたって孤独ですよね?」と問いかけるみたいなことが、前作、今作を通してのテーマにしているんですよね。
――なんでみんながうっすらと思っても、はっきり認知したくないことを認知させようとするんですか!!
ところにょり氏:
人類ってひとり残らず孤独なわけじゃないですか。そういう当たり前のことを、当たり前にゲームにしたっていうだけの話なんです。
――責任転嫁がひどすぎるっ!
ところにょり氏:
(笑)『違う冬のぼくら』も、それぞれで物の見え方が違うということをゲームの中で体験してもらっているだけであって、現実世界でも同じじゃないですか。みんなが同じものが見えているのかはわからないし、相手が何を考えているのか、自分の気持ちを理解してもらえているのかもわからないし。常に自分というものは外側のすべてのものと接続されていないわけじゃないですか。

だから、完全なる孤独という、当たり前のことを当たり前に思い出そうねと。あなたたちふたりですごく仲良さそうだけど、孤独だよと、その当たり前のことを一度思い出してみようという。そういうところをゲームにしている感じですね。まあ、わざわざ言わなくて良いことを大きな声で言っているわけです(笑)
――その声、もうちょっと小さくしてもらっていいですか!?
ところにょり氏:
でも、一応光の僕もいて(笑)自分と相手がまったく違う、完全なる他人でお互い孤独同士だっていう前提がないと、相手を理解しようとか、そういう気持ちになれないというのがあると思うんです。
それこそ、自分と相手が同じ接続された人間だと思っているからこそ、相手が何か違うことをしたときに「違うだろ」と思っちゃうけど、自分も相手も孤独同士で、完全なる他人だと思っているんだったら、違う意見でも相手の考えを受け入れていこうということにもなるので、そこを認識しないと世界平和はないよっていう(笑)
――……う、不本意ですがそれは同意です。たしかに、悪い依存関係だと「どうして自分の期待に応えてくれないの」ってなりますよね。
ところにょり氏:
あらゆる分断は、自分と相手が同じOSを積んでいると信じているからそうなっちゃうんでしょうね。
――ちなみに、『違う冬のぼくら』をやっていたときも思ったんですが、ゲーム中にストーリーパートに入るとボイスチャット禁止マークが出て、情報共有をしない方が良いのかな、という風になりますが、その情報っていつ共有して良いのか悩みどころでした。ところにょりさん的には、『違う星のぼくら』では、どれくらいのタイミングで情報共有することを想定していますか。
ところにょり氏:
『違う冬のぼくら』に関しては、本当にプレイヤーに委ねる前提で作っています。ただ、それぞれに情報が与えられて、関連する選択がその後に迫られる作りになっているので、情報共有しないと決断できないと思います。なので、プレイヤーが自ずと情報共有することになっていたと思います。
ただ、『違う星のぼくら』に関しては、ずっと秘密にしておいてくださいという感じです。前作のようにここが秘密を明かす場所だねっていう格好の場所がすぐ現れるわけではなくて、基本はちょっと黙っていてねっていうのがわかりやすいというか、ストーリー上、これはあえて言わない方が良いよねと。体験版もそうですが、これは相手に言う方がおかしいよねという作りになっているので、ストーリーをきちんと受け取ってくれた人は、ここで言わない方が当たり前だよなと、そういう風に思ってくれるかなと考えています。
テストプレイでもちゃんとギスギス
――現在はまだ開発中で、テストプレイもされているそうですが、テストプレイヤーの方はどういった感想を述べられていましたか。
片山氏:
僕はテストプレイをして、ちょうど年末で一緒にプレイした相手も、お互い疲れていたんですかね。それで結構ギクシャクし始めて(笑)
――担当編集、ギクシャクしてますやん……。
ところにょり氏:
ちょっとケンカになりかけたんですね(笑)
片山氏:
その後はちゃんと関係性は元通りに、「面白かったですね」となりましたので安心してください。仲直りできました。
――それ、元通りになったと思ったのは片山さんだけで、相手の方は覚えているかもしれませんよ……。
片山氏:
なんでそんなこと言うんですか(笑)
――ところにょりさんに触発されたのかもしれません。
一同:
(笑)

ところにょり氏:
ちなみに、現在ストーリーはほぼ完全にできているんですが、ステージは最後まで通して遊べるかというと微妙なラインなので、ストーリーとゲーム性の全部を最初から最後まで体験した人っていうのはひとりもいない状況なんです。なので、まだわからないですね(笑)発売直前にテストプレイをしてもらって、これ出せないなってなる可能性も……、なくはないですね。
――85万本売れたゲームの続編なのに……。
ところにょり氏:
本当にそんなんですよね。ずっとひとりでやっているので頭がおかしくなりそうです。というか、最近なっていますね。ずっとふたりのプレイヤーが動いているという夢を、延々1週間くらい見ています。夢の中でもずっとステージを作っているわけですね。
――前作、そして『違う星のぼくら』もだと思いますが、お互いのインタラクティブな要素が多くて、レベルデザインも非常に大変そうです。とても複雑な作品を、しかもひとりでどうやって作っているんでしょうか。
ところにょり氏:
ステージに関しては、iPadで延々とキャンバスが広がるノートアプリを使って、延々と描いていくかたちで作っています。ただ前作とか、同じ場所にいるけどそれぞれが違うものに見えている状況、ひとつのオブジェクトが片方にはロープに見えていて、片方には箱に見えているみたいな物を作るときは、複雑過ぎて大変でした。考え込み過ぎて、この先に行ったら人は狂うんだなと思いましたね。
――でも、ギミックはほとんどそういったものですよね……。
ところにょり氏:
そうですね……。しかも掛け算みたいなもので、2倍以上の作業量みたいな感じではありますね。上ルートと下ルートのプレイヤーがいて、下のプレイヤーで成立したとしても、そのレベルデザインが上のプレイヤーときちんと有機的に繋がっていないといけないですし。それに応じて、片方のレベルデザインを変更したら、もう片方と矛盾が生まれてくるので調整して……みたいな、針の穴を通すようなことを延々とやっていますね。
――そんな気が狂いそうな作業を、講談社さんは天から眺めているんですか。
片山氏:
もちろんそんなことはなくて(笑)ところにょりさんが作ったステージを、タイミングを見てテストプレイさせていただくということを、毎回長めにやっていますね。ちょうど先週も3時間半くらいやっていたんですが、ずっと喋りながらプレイしているのを、ところにょりさんに見ていただいています。そのプレイでここに集まるんだとか、これは気づかないんだとか、そういうことに実際気づいてもらう感じですね。そのせいなのか、ところにょりさんの頭の中には、片山ともうひとり、平田(講談社ゲームクリエイターズラボ、平田京市郎氏)がこう反応するだろう、みたいなイメージがあるみたいで……。
一同:
(笑)

ところにょり氏:
そうなんです。作りながら頭の中の片山さんと平田さんが「そのパズルは複雑過ぎるんじゃないでしょうか」みたいなことを延々言ってくるんです(笑)
僕の作っていて気が狂ってくるというのは、自分の当たり前と世間の当たり前がズレてくるという感じなんです。ここのステージはこういう作りだともちろんわかるよねと思いながら作ると、実際プレイしてもらったら前提もわかっていないみたいな。そういうズレを片山さんと平田さんに修正してもらっている感じなんです。
片山氏:
これは僕らとしては冥利に尽きるものもあって、こちらでこれをこうしましょうと言って作っていくよりも、ところにょりさんのアイデアと頭の中の僕らで作ってもらって、何回も反芻することで最初からある程度レベルの高いものになるんじゃないかなと。それを実際の僕らがテストプレイをして、プラス10点を加えた方が、結果的に良いものができると思っていて、今のこのやり方が合っているんじゃないかと思っていますね。
仲が悪くなっても責任は取りません
――……ちなみに、体験版はどうしてあんなにショッキングな内容になったんでしょうか。
ところにょり氏:
体験版のリリースは結構急遽決まったんですが、実は僕はあまり体験版というものに乗り気ではなかったんです。で、体験版を自分で作ってみるにあたって、何ができるんだろうと考えたとき、体験版だからこそどんなエグいことでも許されるだろうな、と思ったんですよ。どうせお金を払っていないわけだしみたいな(笑)
――言い方。
ところにょり氏:
(笑)これは前座であって本編ではないですという前提があるので、逆にあらゆることが許されている構造だと気づいて、何でもやっちゃおうという作りになりました。
――その話を聞いたときは講談社側もさすがに反対されたのでは?
片山氏:
そのお話を聞いて、めっちゃ良いですねとなりましたね。やりましょうと(笑)
――狂ってる!!
一同:
(笑)
ところにょり氏:
まあ、体験版はまったく別物なので、遊んでもらわなくても大丈夫な内容になっていて、そっちはそっちで成立するようになっています。どんなゲームか興味がある人は、本編とはまったく違う前提で遊んでみてください。
――先の質問とやや被りますが、本編は、どういう関係性の人とプレイするのがおすすめで、どういう関係性の人とプレイしないのがおすすめですか。
ところにょり氏:
僕としてはやっぱり、実は相手のことを見下しているとか、そういうイーブンじゃないよねみたいな力関係のふたりでやると、ちょっとギスギスしてくれるんじゃないかなと(笑)
ただ、2人プレイ専用ゲームというものをわざわざ一緒にプレイしようねって思ってくれる人は、もう全員プレイしてほしいなと思っています。わざわざプレイしなくて良いふたりにプレイしてほしいと強気なことは思っていませんが、自然とこのゲームを遊んでみたいなと思ってくれた人にはおすすめしたいと思います。

――仲が悪くなったら責任取ってくれますか。
ところにょり氏:
いや、取らないです。それはふたりの関係性なので(笑)このゲームで持ち上がったふたりの問題は、いつか絶対出てくる問題だと思うので……。
――こら!!
ところにょり氏:
早くて良かったねって言うぐらいかもしれないです(笑)
一同:
(笑)
――邪悪すぎる!『違う星のぼくら』はあくまでもただのきっかけだと。
ところにょり氏:
掘り起こさなくて良いことをわざわざ掘り起こしているわけではなくて、当たり前のふたりの問題が当たり前に出てきたっていうだけでしょう。きっと。
――うう……。最後に、本作をプレイするにあたって、遊ぼうと思っているけどどういう心準備をしたら良いのか教えてください。
ところにょり氏:
『違う星のぼくら』では、特に2人プレイ専用ゲームの面白さというものを全面に押し出した作品になっています。前作に比べてもとっつきやすいゲームになっていると思うので、別にそんなに心構えとかなく、本当に自然に、面白そうだなと思ったらプレイしていただけたらなぁと思います……(笑)
――心構え絶対いるでしょう!
片山氏:
間違いなく感情が動かされるゲームであると思いますので、そういうゲームを遊んでみたいという人はぜひプレイしてください。
――た、楽しみではあります。……ありがとうございました。