音速ヒロインアクション『Freedom Planet 2』開発元インタビュー。『2』になってパワーアップしたポイントや、長期にわたった開発を乗り越えられた秘訣を訊いた

GalaxyTrailは4月4日、『Freedom Planet 2』のコンソール版を配信開始した。弊誌では開発者のSabrina DiDuro氏にメールインタビューを実施。本作の開発経緯や、『2』になってパワーアップしたポイントなどを伺った。

デベロッパーGalaxyTrailは4月4日、『Freedom Planet 2』のコンソール版を配信開始した。対応プラットフォームはNintendo Switch、PS5/PS4およびXbox Series X|S/Xbox Oneで、日本語表示にも対応している。価格は税込2900円。4月10日までは10%OFFセールが実施されている。

『Freedom Planet 2』は2014年に発売された高評価2Dアクションゲーム『Freedom Planet』の続編だ。プレイヤーは個性豊かな4人のキャラクターから1人を選択し、24個のステージを攻略する。ギミックにあふれたステージを高速で駆け抜ける、爽快なアクションが特徴だ。

本作は2022年9月14日にSteam版が先行して発売されている。記事執筆現在1259件のレビューを集め、そのうち96%が好評の「圧倒的に好評」ステータスを得ている。コンソール版の発売にあたり、弊誌では開発者のSabrina DiDuro氏にメールインタビューを実施。本作の開発経緯や、『2』になってパワーアップしたポイントなどを伺った。


──自己紹介をお願いします。

Sabrina DiDuro(以下、Sabrina)氏:
こんにちは!GalaxyTrailというインディーゲームスタジオに所属している、Sabrina DiDuroです。Freedom Planetシリーズのプロデューサーをしています。

──『Freedom Planet 2』の特徴について教えてください。

Sabrina氏:
『Freedom Planet 2』は高速横スクロールアクションゲームです。前作『Freedom Planet』の高速プラットフォームアクションをより拡張し、洗練したゲームとなっています。プレイヤーは、俊敏な特殊能力を駆使して、曲がりくねった地形と複数の探索ルートがある2Dフィールドを高速で駆け抜けます。そして、ステージの最後には強力なボスが待ち構えています!

ステージとステージの間には、探索したり、難易度を調整できるアイテムの購入ができたりするようなエリアが設けられています。また、ストーリーは(英語音声ではありますが)フルボイスで楽しむことができます。

──前作『Freedom Planet』はユーザーから好意的な評価を受けていますが、セールス的にも好調でしたか。

Sabrina氏:
前作『Freedom Planet』は私たちにとっては大きな成功であり、私たちがゲーム開発を続ける大きな助けとなりました。PC(Steam)版のほかに、Wii U、Nintendo Switch、PS4で販売していましたが、PC(Steam)だけでも30万本以上のセールスを記録しています。

──前作も日本語字幕に対応されていますが、日本から反響はいかがでしたか。

Sabrina氏:
SNSなどで、日本のプレイヤーによるゲームの動画や、美しいファンアートをいくつも見させて頂きました。日本からのサポートにもとても感謝しています。


──『Freedom Planet 2』を制作することになった経緯を教えてください。

Sabrina氏:
前作『Freedom Planet』は私たちスタジオにとって初めての商業ゲームで、制作の過程でいくつも貴重な学びがありました。その学びを活かして『Freedom Planet』開発の最終段階で、ゲーム内容を改善・洗練する方法を考えましたが、ゲーム内容に大きな変更を加えるには遅すぎました。

『Freedom Planet 2』では、私たちが考えていた改善点をすべて取り入れ、新しいゲームを作り上げることができました。特に、キャラクターのキャロルとミラのモーションを改良し、ライラックと同じように動けるようにしたいと考えていました。『Freedom Planet 2』 ではキャロルとミラでのプレイがより楽しめるようになっていると思います。

──『Freedom Planet 2』では、前作で敵キャラクターとして登場したニーラがプレイアブルキャラクターになっています。彼女をプレイアブルとして追加した理由を教えてください。


Sabrina氏:
メインキャラクターのデザイナーをしているTysonというクリエイターが、ニーラのデザインを描き直したのを見たとき、それが素晴らしかったので、彼女を操作可能なキャラクターにするアイデアが浮かびました。Tysonのキャラクターデザインは本当に刺激的でした!

操作可能キャラクターには攻撃が遅いが強力な「パワー」タイプが必要だと感じていたので、ニーラはそういったキャラクターとして作成しました。ほかのヒロイン達はニーラと比べると、とても活発的なキャラクター達なので、ストーリー的にも、冷静さと厳しさを持つニーラが仲間になる事で、ほかのヒロイン達とのかかわりが非常に面白いものとなると感じていました。

──そのほかに、『Freedom Planet 2』になってパワーアップした点を教えてください。

Sabrina氏:
『Freedom Planet 2』は『Freedom Planet 』と比べて、大規模なゲームになっています。前作の2倍のステージ数と、2つの大陸にまたがる壮大なストーリーがあり、1度クリアするのに4~5時間はかかると思います。4人の操作可能なキャラクターは、それぞれ能力やストーリーの内容が異なるので、4人全員でまったく違うゲーム体験を得られます。また、ゲームを簡単にするアイテムや逆に難しくするアイテム、ゲーム内でミュージックを聞くことができるレコードなどの収集要素も豊富に用意してあります。


──『Freedom Planet 2』を制作するにあたって、2D『ソニック』の影響を受けているという情報を見ました。2D『ソニック』シリーズではどの作品からもっと影響を受けていますか。

Sabrina氏:
たくさんのレトロゲームに影響を受けていますが、『ソニック』から受けた影響は間違いなくもっとも強いものの1つです。シリーズの中では特に、『ソニック&ナックルズ』のような昔の2D『ソニック』シリーズ作品から影響を受けました。また、近年発売されたものでは『ソニックマニア』にも大きな影響を受けました。実は、『ソニックマニア』の開発者の1人でもあるChristian Whiteheadも『Freedom Planet 2』の開発に協力してくれているんです!

──2D『ソニック』シリーズ以外に影響を受けた作品はありますか。

Sabrina氏:
私個人としては『ロックマン』シリーズの戦闘要素から大きな影響を受けています。また、『ガンスターヒーローズ』や『エイリアンソルジャー』など、株式会社トレジャー製のアクションゲームにも影響を受けました。ボスとの戦闘ではトレジャー作品の影響が感じられると思います。


──『Freedom Planet 2』は2015年の発表から、かなり長い年月にわたって開発されたタイトルですが、当時を振り返って、どのような点にもっとも苦労されたかを教えてください。

Sabrina氏:
ゲームの完成に時間がかかればかかるほど、開発を中断せざるを得ないような出来事が起こる可能性が高くなります。具体的には言えませんが、2015年のからリリース日までの間に、そういったトラブルに何度か遭遇し、そのたびに苦労しました。

長期間の開発サイクルでは、物事を軌道に乗せ続けるのは難しいことです。幸いなことに私たちは、ゲームを開発するモチベーションを維持し続けることはできていました。そのため、トラブルが解決した後は、中断したところからすぐにゲーム開発を再開することができました。

また、私たちのチームは小規模ですが、メンバーは多彩な才能をもった人ばかりなので、特定の人が休む必要がある際は、ほかのメンバーがその人のタスクを引き継ぐなど、柔軟なチーム運営ができたことも、困難を乗り越えられた秘訣だと思います。

──最後に日本のプレイヤーに向けてメッセージをお願いします。

Sabrina氏:
私たちのゲームを応援してくださって本当にありがとうございます。皆さんの応援は私たちにとって、とてもかけがえないものです!皆さんに『Freedom Planet 2』を楽しんでいただけることを願っています!

──ありがとうございました。

『Freedom Planet 2』はNintendo Switch、PS5/PS4およびXbox Series X|S/Xbox One向けに発売中。日本語表示にも対応している。価格は税込2900円。4月10日までは10%OFFセールが実施されている。

Junichi Matsui
Junichi Matsui

『風来のシレン』『アンリミテッド:サガ』『Dwarf Fortress』を人生の師とする雑食ゲーマーです。

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