カテゴリー レビュー・インプレ

レビューは、オンラインゲームなど終わりがないものを除き、原則クリアしたタイトルを対象にしています。アーリーアクセスやデモなど正式発売前のゲームはプレビュー、軽い紹介はインプレッションとして分けています。

『死印』レビュー。絵作りの妙が生む恐怖、ミステリへ移行するシナリオの高い完成度

体験版の内容を紹介した際にも書いたが、『死印』というゲームの根幹について論じる時に、「アートワークの持つインパクト」の話を外すことはできない。ホラーゲームにとって、アートワークが他ジャンルのゲームより比較的重要な意味を持つというのは当然ではあるにせよ、『死印』はアートワークそのものがゲーム自体を牽引している、少し珍しいタイプのホラーADVといえる。

格ゲーカルチャーショック『Slice Dice & Rice』レビュー。動かしていて楽しいキャラクターで事故勝ちを狙え

「Inspired by Bushido Bladeだって?すぐそれ。昔のタイトルを持ち出せばゲーマーが喜ぶとでも思っている。『ブシドーブレード』ってのは、もっとこう、サツバツとして、蛍火ロングソードで……」。こう斜に構える筆者は、きっと懐古アピールのキャッチコピーに疲れていたのだろう。

『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』 ハイラル城という「異境」についての考察

本記事は別記事"『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』レビュー 伝統からの脱却と呪縛からの解放"の補稿、いわば延長戦のような立ち位置の記事である。先の記事ではネタバレが過ぎるという判断から触れることを明確に回避していた、ゲーム中におけるラストダンジョン「ハイラル城」にスポットを当て、『BotW』におけるその存在について紐解いてみようという試みだ。

仄暗い巨大船舶を進むADV
『リトルナイトメア』紹介。レインコートの少女の孤独な逃走劇

『リトルナイトメア』は広義のプラットフォーミング(アクション)にあたるが、アクション性に重きを置くというよりも、『INSIDE』が確立したような環境によるストーリーテリングに重点を置いた作品である。基本的な動作は、少女には大きすぎるドアや家具が配された部屋を抜ける謎解きと、彼女を捕まえようとするものたちから逃げ、隠れるといったアクション性を等分に配している。

「怪異」と戦うホラーアドベンチャー『死印』プレビュー。張り付く狂気と不安感、UIへの懸念

異様に首の長い花嫁と、薄暗がりの中でその姿を照らす電話ボックス。そのミスマッチなコントラストの一枚絵で恐怖心を煽り立て話題となったホラーアドベンチャーゲーム『死印』。発売を約2週間後に控えた本日5月18日昼、PlayStation Networkで第1章がプレイ可能な体験版が配信される。

『仁王』レビュー。戦国版「SOUL」に終わらない古き良きシングル重視、挑戦的な“横軸”で描く戦国時代

今作がシステム面で大きな影響を受けている『SOUL』シリーズ自体が、「死にゲー」という一種の様式としての代表作と捉えられている面からか、まるで『仁王』が戦国版『DARKSOULS』であるかのように言及されてしまうことには、多少の違和感を覚える。

『ブルーリフレクション』レビュー。ジェンダーロールからの解放と、優しい世界による癒やし

『BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣(以下、ブルーリフレクション)』をレビューしようとする時にチェックするべき項目は、「ゲームそのものの完成度」と「ジェンダーロールからの逃避先としての機能」の両面が高い水準で両立されているか、その2点しかない。