『Marvel’s Avengers (アベンジャーズ)』PS4ベータテストのプレビュー。憧れのヒーローを操作してマルチプレイやハクスラに勤しむ

『Marvel's Avengers (アベンジャーズ)』PS4ベータテストのプレビュー。憧れのヒーローを操作してマルチプレイやハクスラに勤しむ『Marvel's Avengers (アベンジャーズ)』のコンテンツを紹介。

『Marvel’s Avengers (アベンジャーズ)』は2020年9月4日発売予定のアクションアドベンチャーゲーム。A-Dayの悲劇によりアベンジャーズが解散してから5年後の世界を舞台に、カマラ・カーンを中心として再び集結するヒーローたちとAIMの戦いを描く。本作はあらかじめコミック版や実写映画版とは異なるオリジナルの物語を描くことを謳っており、アベンジャーズについてよく知らずとも、すんなり物語に入り込めるよう作られているという。そんな本作のベータテストが8月に開催される。このたび、ベータテストのコンテンツを先行してプレイする機会を得られたため、本稿ではその内容を紹介していく。

PS4版予約者対象のベータテストは8月7日〜8月9日まで。その後、PS4版のオープンベータテスト、Xbox One/PC版予約者対象のベータテスト、全プラットフォーム向けのオープンベータテストと続く(関連記事)。

ベータテストで遊べるコンテンツ

今回のベータテストには、チュートリアルを兼ねつつ物語の一部を体験できるヒーローミッション、ホログラムを使用して訓練をおこなうHARMルーム、ソロもしくは最大4人でのマルチプレイが可能なウォーゾーン/ドロップゾーン・ミッションが含まれている。ドロップゾーンは、用意されたフィールドの中で単一の目標(例:拠点奪取、ターゲット破壊、特定の敵の排除)を目指すミッション。ウォーゾーンは、複数の目標を複合し、ひとつのシーケンスとして成立させたミッションだ。たとえば、拠点奪取→フィールド探索→敵施設侵入→ターゲット破壊といったように、複数の目標が連続して登場する。敵、フィールドの密度が高く設計されており、製品版では長くて1プレイに2時間を必要とするミッションも含まれているようだ。ミッションをクリアすると、後述する「装備品」をはじめ、ゲーム中で使用できるアイテムやコレクションなどが手に入る。

各ミッションには「ミッションパワー」が設定されており、高ければ高いほど敵の攻撃が強く激しくなっていく。いわばミッションに挑む上での推奨レベルであり、ヒーローの装備品から割り出されるパワーレベルが、ミッションパワーの値に達していればノーマル難易度で挑めるという目安となる。もの足りなく感じれば、難易度調整によりミッションパワーを上げ、より豪華な報酬を狙いにいくことも可能だ。

操作するヒーローが指定されたヒーローミッションとは違い、HARMルームチャレンジ、ウォーゾーン/ドロップゾーン・ミッションは、好きなヒーローを選択しプレイすることができる。ベータテストで今回使用可能なヒーローは、ハルク、カマラ・カーン、アイアンマン、ブラック・ウィドウの4人だ。なおソロプレイ時には、コンパニオンAIがミッションに参加。プレイヤーが育てたヒーローが、プレイヤーが組んだビルドのまま、冒険のお供となってくれる。オンラインCo-opでは他プレイヤーとの共闘を、ソロプレイではコンパニオンAIのチーム編成を考えるという、違った楽しみ方が用意されているのだ。

コミックや劇場での光景を再現する3Dアクション


続いて、本作のゲームシステムについて説明していこう。『Marvel’s Avengers (アベンジャーズ)』のシステムは主に集団戦を中心とする3D戦闘アクションを軸に構成されている。プレイヤーはヒーローを操作し、速度のある弱攻撃と、威力のある強攻撃、遠くの敵を狙い撃つ遠距離攻撃を使い分けながら、バッサバッサと敵をなぎ倒していく。ただ相手も黙ってやられるはずもなく。繰り出される攻撃の寸前に敵の頭上に出るアイコンを確認しつつ回避ボタンを押せば、ひらりふわりと迫る暴力は無力化される。本作には俗に言うジャスト回避の概念があり、タイミングよく回避に成功すると、一瞬周囲がスローモーションになる。ヒーローの中にはブラック・ウィドウのように、特定の攻撃に限りパリィやカウンターを決めることができる者もいる。攻撃の種類に関しては、敵の攻撃中に現れる色のついた輪で判別が可能だ。

ヒーローにはそれぞれコマンドで発動する「アサルト」「サポート」「アルティメット」の3種の固有ヒーローアビリティが備わっており、一度発動すればいつか観たコミックや劇場での光景を、モニターの中に再現することが可能となる。このほか盾持ちの敵にはスタイリッシュに背後をとったり、体力とは別途敵に設定されたゲージをMAXにしてよろめかせてからテイクダウン技を出すことで、瞬時に大ダメージを与えたり(これは演出中に他ヒーローが割り込むことでさらにダメージを増やすことが可能)と、戦いの中に爽快感をもたらすようなモーションが備わっている。

本作はゲームプレイを進行するにあたってステージ制を採用しており、ミッションごとに異なるフィールドが用意されている。フィールドには一方通行のリニア型、小さな箱庭に近しいオープンスペース型、密室型の3種が存在し、ハルクであれば「崖捕まり」、カマラであれば伸びる腕を用いたロープアクションというように、ヒーローごとに固有の能力を活かしたステージギミックが備わっている。中には特定のヒーローでしか到達できない場所も存在するため、万遍なくさまざまなヒーローで遊ぶことをおすすめしたい。

能力や外見の多彩なカスタマイズオプション

すべてのヒーローは、それぞれに用意された4つの部位に関する装備品、アーティファクト、そしてスキルツリーシステムによって強化が可能だ。装備品に関しては同じ名前の装備であっても能力値は異なり、中には攻撃に属性を付与するものもある(本作には属性の概念があり、敵ごとに得意不得意な属性が存在する。ヒーローの装備品も同様)。いわゆる「ハック・アンド・スラッシュ」要素を楽しむことができるようになっているわけだ。スキルに関しては、レベルアップによって入手するポイントを消費してアンロックしていく。開放することによって新たな技を使用することができる。ベータテストには実装されていなかったが、製品版ではヒーローアビリティに関しても強化が可能となっているという。

ヒーローの能力だけでなく外見のカスタマイズ要素もあり。ヒーローごとにチャレンジカードという、俗に言う「バトルパス」のようなポイントシステムが設定されており、ポイントは日ごとに切り替わるデイリーチャレンジと、週ごとに切り替わるウィークリーチャレンジを達成することで獲得できる。ポイントが一定以上貯まると、ヒーローのコスチュームやネームプレート、ゲーム内アイテムなどが手に入る。ゲーム内通貨のクレジットを消費することでチャレンジカードのレベルをスキップし、報酬を即時アンロックすることも可能。なおコスチュームはチャレンジカード以外に、ミッション報酬、オンラインマーケットプレイスでの購入により入手できるものがある。

6人のアベンジャーズ


ここからは本作に登場するヒーローの紹介に移ろう。最初に紹介するのはソー・オーディンソン。通称「ソー」。主神オーディンの息子であるという名が示すとおり、彼は北欧神話をモチーフとした異世界「アスガルド」出身のアスガルド人だ。高潔な心の持ち主しか振るうことのできない超兵器「ムジョルニア」を振るい、まさに天変地異と呼ぶに相応しいパワーで敵をなぎ倒していく。ゲーム的にはムジョルニアを使用した、全体的に大振りの攻撃を主体とし、アビリティを使用すれば雷を用いた範囲攻撃も可能となる。ひとたびプレイヤーキャラとして選択すれば雷神という二つ名に相応しい豪快なプレイフィールをプレイヤーへもたらしてくれることだろう。今回のベータテストでは、序盤のストーリー部分でのみ操作可能。


次に紹介するのは「アイアンマン」ことトニー・スターク。彼はヒーローでありながら特殊能力を持たない普通の人間であり、並ぶ者のいない天才でもある。自身が持つ知識と技術、そして財力の粋を集めて制作されたパワードスーツを身にまとい、時に空を飛び時に大地を駆け、科学の力で多くの人間を救ってきた。そんなアイアンマンの特徴はなんといってもスーツに内蔵されたさまざまな兵器群だ。両手のガントレットから放たれるリパルサーレイ、小型ミサイル、敵を焼き尽くすレーザービーム。ときには巨大ボディアーマーに搭乗し戦うこともある。

ゲーム中ではその戦法の多彩さが装備システムと絡める形で再現されており、「リパルサー」「レーザー」「ロケット」に該当する3種類の装備品を付け替えることによって、戦闘アクションが大きく変化する仕組みとなっている。3種それぞれに専用のスキルも用意されているため、自分に合わせたビルドを模索していく楽しみもある。もちろん、ブースターを使用した3次元戦闘を本作でも自らの手で作り上げることが可能だ。気弱なナルシストである彼らしい軽口も健在。戦闘中のいたる場面で聞くことができる。

コード・ネーム「ブラック・ウィドウ」、本名 ナターシャ・ロマノフはスーパーヒーロー管理組織「SHIELD」にかつて所属した元旧ソ連出身のスパイであり、アベンジャーズのメンバーである。その肩書どおり諜報や工作に秀で、戦いにおいてはさまざまな暗器を駆使した戦法を用いる。ゲーム内では主にハンドガンを駆使した中距離での戦いや、敵の攻撃に対するカウンターを軸として立ち回る高速戦闘を得意とする。アビリティの中には自分を含めた周囲のヒーローを敵の視界から完全に消し去るものもあり、上手く使用できれば戦闘を回避しつつ目的地にたどり着くという、独自のプレイスタイルを開拓することもできる。


ブルース・バナー博士はとある事件がきっかけで、剛力の怪物「ハルク」へと変身してしまうようになってしまった天才物理学者。感情が昂ぶれば昂ぶるほどに力を増大させ、果ては物理法則を捻じ曲げるほどの健脚と豪腕、驚異的な回復力、そして暴走気味な新たな人格を得るに至った彼のアクションは、豪快ながらも機敏で、その大きな肉体を活かした範囲攻撃を得意とする。ゲーム中では敵を鷲掴みにし武器として振り回したり、大地をえぐり投げ飛ばすといったアクションや、使用中に体力が回復し続けるアビリティ。彼の破壊力でなければ解決できないステージギミックが存在したりと、さまざまな個性を持ったヒーローたちのなかでも、特に色濃いキャラクターに仕上がっている。また「一般市民が強制的にヒーローと同等の超能力を手に入れてしまった」という本作の世界観のもと、後に紹介する本作の主人公「カマラ・カーン」に対し、同じく「好きで得たわけではない超能力に思い悩む者」として共感の意を示すこともある。ストーリーにおける彼の動向にも注目したい。


第二次世界大戦中に行われた人体実験の末、「超人血清」と呼ばれる薬剤を投与された「キャプテン・アメリカ」スティーブ・ロジャースは、まさしく「超人」と呼ぶに相応しい肉体と明晰な頭脳を獲得するに至った。紆余曲折の末に大戦の終結後も長いこと氷漬けにされてしまった彼であるが、現代に蘇った今でも、アメリカ政府ではなく「自由・平等・博愛」の3本柱で成り立つ「アメリカン・スピリッツ」を守るため、日夜戦いに勤しんでいる。そんな彼の在り方は、特殊合金「ヴィブラニウム」製の盾を用いた攻防一体のオールラウンダー。盾を構えながら移動することで攻撃を防ぎつつ、近距離には当て身、中・遠距離にはブーメランのように盾を投げ敵を一掃するなど、器用貧乏ではなく器用万能をその身で体現している。今回のベータテストでは、序盤のストーリー部分でのみ操作可能。


最後に紹介するのは本作の主人公であるカマラ・カーン。彼女は自身で二次創作をするほどのアベンジャーズヲタクであり、後に「ミズ・マーベル」の称号を継ぐ者でもある。5年前のA-Dayでの惨劇を契機として、突如身体に眠るインヒューマンの遺伝子が覚醒したカマラは肉体を自在に巨大化、伸縮できる変身能力と超回復力を持っている。使用感としてはハルクと同様範囲攻撃に優れており、ステージによってはロープアクションさながらの専用ステージギミックを利用することで、通常では届かないような場所に行くこともできる。アイアンマン同様に移動能力に優れた彼女は、ステージ探索要員としても優れた能力を発揮することだろう。

またゲーム発売後の無料アップデートでは、弓の達人「ホークアイ」がプレイアブルキャラクターとして登場することが発表されている。PS4/PS5版の独占コンテンツとしては、スパイダーマンが参戦する。

ゲームは本編の5年前からスタート

ストーリーは崩壊するゴールデンゲートブリッジ付近にて、ソーを操作するシーンからスタートする。相棒たるムジョルニアを振り回しながら、アクションに関する基本操作を学んでいこう。続いて、アイアンマン、ハルク、キャプテン・アメリカの視点へと転換。その後はブラック・ウィドウのターン。今回の事件に際し何者かに雇われたヴィラン「タスクマスター」との戦いが待っている。つまり「ボス戦」だ。彼は一度戦った相手の技を(才能と努力で)コピーし、さらには的確に相手へ伝授できる技能を持っているが、今回は戦いを通じて彼から回避とカウンターのシステムを教わることになる。

だがタスクマスターは完全におとりであり、テリジェン・リアクターが爆発。これと同時にアメリカではインヒューマン病が発生。ヒーローじみた能力が備わった人間が多く誕生することとなった。アベンジャーズは惨事を招いた責任を取らされる形で実質的に解散へと追い込まれる。彼らの後釜に収まったのはAIMという民間会社。脱ヒーロー社会を世に掲げるAIMは持ち前の技術を活かし、自社のメカニカル製品を国内に浸透させることに成功する。だがその裏には陰謀が張り巡らされていたのであった。

そんな現状を前にして、A-Dayの生き残りであり、後天的に異能に目覚めた、ヒーローを信じるヲタク少女カマラはAIMの野望を討ち倒すべく、そしてアベンジャーズを復活させるべく、世界をまたにかけた冒険を開始する。ちなみにAIMといえば、モードックというヴィランが代表的なキャラクターとして挙げられる。今回のベータテストには登場しないが、本編には関わってくることが発表済みだ。


A-Dayの悲劇が描かれたのち場面は転換し、舞台はなにやらハルクと因縁のある研究施設へと移動する。このステージではハルクとカマラを操作することとなり、各々の能力を活かしながらフィールドを踏破していく。最奥部にはハルクの因縁の相手であるアボミネーションがボスとして待ち構えている。

本作のストーリーにおいて特筆すべきは、主人公であるカマラが重度のアベンジャーズヲタクであるがゆえに、ファンの心情を投影しやすい内容となっている点だ。カマラが秘蔵のアベンジャーズグッズを見つけたときの喜びや、新たな著名キャラクターと邂逅して興奮する様子は、マーベル作品のファンであれば共感できる場面だろう。多くのファンを抱えたIP作品の主人公を、「アベンジャーズのファン」としたことは、IPの魅力を再確認するような物語の形式において、極めて強い効力を発揮していると言える。ではアベンジャーズをまったく知らないプレイヤーにとっては置いてけぼりになってしまうのかというと、そうではなく、本作が完全オリジナルの物語であることはもちろんのこと、作中では幾度となくカマラがアベンジャーズの良さについて自ら語ってくれるため、シリーズに対して興味関心を促すための呼び水としても機能している。


憧れのヒーローを操作しながらソロプレイもしくはマルチプレイを楽しみつつ、ひたすらハック・アンド・スラッシュに勤しむ。単なるIPの紹介、魅力の再確認に留まることなく、アクションゲームとしても力が込められた本作。アベンジャーズファンのみならず、自分は門外漢であると認識している方も、三人称アクションやハック・アンド・スラッシュ系のゲームに興味がある場合は、ベータテストの機会にぜひ触れてみよう。

『Marvel’s Avengers (アベンジャーズ)』はPS4/Xbox One/PC向けに2020年9月4日発売予定。ベータテストのスケジュールは以下のとおりだ:

8月7日〜8月9日:PlayStation 4版 予約者対象のベータテスト
8月14日〜8月16日:PlayStation 4版 オープンベータテスト
8月14日〜8月16日:Xbox One/PC(Steam)版 予約者対象のベータテスト
8月21日〜8月23日:全対象プラットフォームのオープンベータテスト

Takayuki Sawahata
Takayuki Sawahata

娯楽としてだけではなく文化としてのゲームを知り、広めていきたい。ジャンル問わず死にゲー、マゾゲー大好き。

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