『Wizardry Variants Daphne』、大型アプデでさらに「死にゲー」になっていた。危険なFOE敵や罠、そしてトレハン要素で「沼」に引き込む

当記事では多くの「仮面の冒険者」たちが辿ってきた道のりの振り返り、そしてこれから待ち受けるであろう内容について触れつつ、このゲームがアップデートで獲得してきた面白さの「幅」と「奥行き」について説明してみようと思う。

サービス開始から約4カ月を迎えた、スマートフォン向けRPG『Wizardry Variants Daphne』(以下、『ウィズダフネ』)。同作はiOSおよびAndroidで配信中。近日中にはSteamでの配信も予定している。当記事では多くの「仮面の冒険者」たちが辿ってきた道のりの振り返り、そしてこれから待ち受けるであろう内容について触れつつ、このゲームがアップデートで獲得してきた面白さの「幅」と「奥行き」について説明してみようと思う。現役の冒険者の方には懐かしく、あるいはこれから新たに奈落の探索を始めようとする冒険者には興味を持っていただければ幸いだ。

まず最初に伝えておきたいことは、『ウィズダフネ』のサービス開始直後に頻発した多くの進行不能不具合は現状ではその多くが解決されているということだ。

サービス開始直後の『ウィズダフネ』は進行不能不具合が多発し、それに対する運営の対応もスムーズとはいえなかった(筆者も進行不能不具合に遭遇し、何週間か階層の狭間に閉じ込められた)。しかしながら度重なるアップデートや、運営体制の改善によって、現在は進行不能不具合に陥る可能性は減っているし(いざという場合は「緊急脱出」機能もある)、その他のバグもかなり少なくなった。ともかく、稼働直後の不具合報告の多さを見て本作に手を出すのを足踏みしていたのであれば、今から始めても特に問題ないレベルにまでゲームの内容が改善されたのは確かだ。

すべては「はじまりの奈落」から。蘇れ「仮面の冒険者」

それでは、改めてゲーム内容を振り返っていこう。『ウィズダフネ』は今までの『ウィザードリィ』とは違い、このゲームのあなた(プレイヤー)は「奈落」で目覚めた冒険者だ。

「奈落」で目覚めたあなたは、亡霊の美少女「ルルナーデ」と出会い、彼女とともにまずは地表を目指すことになる。ゲームを始めたばかりのあなたは無名の冒険者だが、冒険を進めていけば、やがて「奈落から来た者」「仮面の冒険者」としてその名を世に轟かせていくことになるだろう。

あなたがたどり着いたのは「王都ルクナリア」。この国に現れた「はじまりの奈落」から魔物が溢れ出し、魔物たちを率いる「大異形」が国王を攫い、国は大混乱に陥った。あなたは冒険者ギルドから「国王救出」の依頼を受け、王国騎士団とともに「はじまりの奈落」へと挑むことになる。

本作『ウィズダフネ』では今までの「ウィザードリィ」とは違い、キャラクターメイキング要素はプレイヤーの分身である主人公にしか存在しない。では、他のパーティメンバーはどうやって集めるのだろうか?主人公には死者を遺骸から蘇らせる「逆転の右手」と呼ばれる特殊能力が備わっている。奈落で拾った、あるいは宝石商が取り扱っている「冒険者の遺骸」を「逆転の右手」によって蘇らせることで冒険者を蘇らせ、パーティに加えることができる。まずは「冒険者の遺骸」を集め、6人パーティを編成することがあなたの第1の目標となるだろう。幸い、「はじまりの奈落」のそう深くない階層でこれは達成できるはずである。

最初に探索するダンジョンは「はじまりの奈落」という名前だが、決して安易な迷宮ではない。深く、奥深い巨大なダンジョンである。敵も浅い階のうちこそ危険度の低い小型ゴブリンが中心だが、巨大な鉈を二刀流で振り回す大型ゴブリンであるホブゴブリン、敵後列から姑息にも狙撃を仕掛けてくるゴブリンアーチャーやゴブリンメイジ、毒ブレスが危険な巨大異形・エント、そして容赦なく冒険者たちの首を刎ねていく事で知られる、「ウィザードリィ」シリーズ伝統のモンスター・ボーパルバニーも本ダンジョンには生息している。

幸い、本作は過去の「ウィザードリィ」シリーズに比べると蘇生は容易かつ成功率が高く、「キャラクターロスト」まで陥る可能性はかなり薄いが、「キャラクターロスト」の可能性は0ではない。まさしく本作のキャッチコピーである「リスクを味わえ」を、この迷宮の段階から存分に味わうこととなるだろう。

多くの罠を乗り越え、「はじまりの奈落」深部へと進むと、そこは空中に大小の岩石が浮かぶ不思議な空間である。ここではアンデッドモンスターが大量に出現する。アンデッドモンスターには通常の武器の攻撃ダメージが半減されてしまうため、この辺りの宝箱から手に入る「退魔」武器か、強力な攻撃魔法で立ち向かいたいところだ。

そして、「はじまりの奈落」の最深部にはいよいよ「大異形」が待ち受けている。この大異形との戦いを終えたそのときこそが……あなたの本当の冒険の旅の始まりとなるだろう。

本格的なトレジャーハントも楽しめる「交易水路」。水没した都市と熱狂の闘技場を戦い抜け

あなたが向かう第2の奈落は港町グランドレギオンの「交易水路」だ。グランドレギオンは広大な港町だが、大異形の出現によりその西側が奈落と化してしまった。この広大な都市迷宮を舞台に、大異形討伐と奈落の制覇を目指すのがあなたの使命である。

港町がダンジョンになった……というだけあって、この迷宮は海水が足元まで上ってきている箇所が多い。もっとも、足元までならば熟練の冒険者の探索の妨げになることはない。そしてこのダンジョンでドロップするアイテムは「はじまりの奈落」に比べてかなり強力なものが多く、中には「はじまりの奈落」では出現することのなかった追加護が3つ付いた紫色のアイテムや、追加護の値が非常に高い☆4のアイテムが出現することがある。トレジャーハンティングや、装備の厳選も楽しくなってくる頃合いだ。

問題は、水流の激しい地点が点在することだ。こういったポイントでは冒険者たちは身動きが取れず、決まった方向に流されてしまう。水門の切り替えスイッチを使って上手く水流を切り替えながら、先へと進んでいこう。万が一迷って帰還が難しくなった時のために、どこからでも町へと帰還できる「ハーケンの鉤」を1つ持っておくと安心だ。

さらにこの奈落の中ほどにまで進むと、「水没したエリア」まで出現する。水没エリアで戦闘になるとサハギン・リザードマンといった水棲モンスターの強さが大幅に上昇する上、呪文の詠唱が不可能になるという恐ろしいデメリットを背負った状態で戦うことになる。何らかの対策を練る必要があるだろう。

迷宮化した街を抜けた先には、巨大な船が停泊している。なんと、この船も奈落の一部なのだ。

この船もダンジョンであり、船内には強力なモンスターが生息しているほか、ここまでさんざんプレイヤーを苦しめた水没エリアも再登場する。そして、甲板には闘技場があり、5連勝した者には何でも願いが叶う……と噂が流れている。運命の輪はあなたをこの戦いに挑ませることだろう。はたして「仮面の冒険者」は、闘技場での戦いに生き残り、この噂の真実、そして大異形の正体を突き止めることができるのだろうか?

新たに追加される第3の奈落は難攻不落の砂漠の要塞

次期アップデートで追加される、「仮面の冒険者」一行が向かう第3の奈落は砂漠の要塞「グアルダ城塞」である。この要塞には、とある理由で正面から立ち入ることができない。その理由は各自の目で確かめてほしいが、「仮面の冒険者」一行はこの要塞の秘密の脱出口から潜入することとなる。

秘密の出入り口から城塞内部を目指すことになるが、その道中も奈落化している。敵は高レベルのアンデッド系が中心である。このダンジョンのアンデッド族は以前戦った時のように通常の物理攻撃は半減するという特性はそのままに、以前のダンジョンに出たものに比べて攻撃力が跳ね上がっている。ここまでの奈落を制覇した歴戦の冒険者と言えど、敵の攻撃が命中すれば一撃で体力の半分以上を持っていかれることが珍しくない。この奈落に挑む前に、パーティメンバーの防具は見直しておくべきだし、「死」を回避するためには僧侶の力も借りてパーティメンバーの体力は常に最大近くまで保っておくとよいだろう。

この奈落で新しく登場する異形のパターンとして、「視界を持った異形」が登場する。この異形はダンジョン内でその姿を目視できるのだが、異形の周りを白い光点が回っている。これがこの異形の視界であり、もし視界内に足を踏み入れようものなら、猛烈な勢いでこちらのパーティを追い回してくる。

この「視界を持つ異形」は奈落をさまよう異形たちと一線を画す、別物の強さを持っている。無理やり倒して通ることも不可能ではないが、中途半端なレベルの冒険者パーティなら一瞬で崩壊してしまうであろうし、ある程度力のあるパーティであろうとリソースの大きな消費は避けられない。この異形に追いつかれてしまうと戦闘から逃げることもできないので、全滅や死を避けるためにはこの異形の視界に入らないよう、タイミングを計りながら歩みを進めることになるであろう。ある意味、「F.O.E.」などと呼ばれる近年の3DダンジョンRPGでは主流のマップ上の強敵の仕組みが本作に取り入れられたとも言える。

下の階層に強制的に落とされる「シュート」もこの奈落で初登場する。シュートと上下階段、そして一方通行ドアが複雑に組み合わされ、今までの奈落に比べても踏破難易度はかなり高い。迷宮の奥で、リソースが尽きて死を待つのみ……というケースに陥る事態も充分にありうる。迷宮から緊急脱出するための「ハーケンの鉤」は常に持ち歩こう。

しかしながら、その分ドロップアイテムの品質が上がっており、今までの武具よりも強力な「冥鋼」「アーケイン」素材の武具がこの奈落ではドロップする。また、最近追加されたクラス「忍者」専用武器もドロップするということだ(先行プレイテストデモの時点ではドロップしなかったが)。

至高の力、究極の一振りを求める……それは修羅の道

さて、ここまでストーリーダンジョンについて説明してきたので、トレジャーハントやキャラクター育成といった「Wizらしさ」とされる面についても説明していこう。

本作のアイテムの入手は主にダンジョン内の宝箱から手に入る「ガラクタ」を、拠点の街はずれで「逆転の右手」を復元することで手に入る。

ガラクタを復旧して手に入れたアイテムにはランダムで「追加護」が付いていることがある。例えば、同じ「鉄の剣」を復旧しても、追加護の有無で大きく強さが変わってくる……というわけだ。アイテム欄の右上にある星の数が多いほど、より強力な追加護が付く傾向にある。このあたりの「同じアイテムでもエンチャントの有無で強さが違う」というシステムは、トレジャーハンティングやハックアンドスラッシュを謳うゲームでは定番と言える。

さらに本作では、「鍛冶屋」において武具を強化することができる。各アイテムは最大+20まで強化が可能で、+5段階ごとに追加護の強化や、新たな追加護の付与が行われる。但し、+5を超える強化には複数の同一アイテムを「合一化」して限界突破強化する必要がある。

本作の武具強化の沼は強化だけではない。追加護の「抽出」「精錬」「変造」が行えるのもポイントで、「抽出」を行うことで既存の武具から追加護を取り出し、他の武具の追加護の強化、あるいは変更に使うことができる。高レアリティの武具からは強力な追加護を抽出できる可能性があるのだが……「抽出」に関しては失敗してアイテムをロストする確率が非常に高い。一種のギャンブルである。間違っても「抽出」で貴重な装備を破壊することがないよう、常用する装備アイテムにはロックをかけておこう。

追加護の抽出に成功すれば、追加護の種類に対応した「精錬石」か「変造石」が手に入る。「精錬石」は武具の追加護をさらに伸ばせるので、メイン装備となりうる装備の長所をさらに伸ばすために使用したい。「変造石」については、「物理アタッカー向け装備の1カ所だけ魔力+で、これが攻撃+なら神装備なのに……」という時に使用していきたい。なお、「精錬」「変造」に失敗はないので安心してほしい。この辺りのシステムを理解すると、理想の装備を追い求めるのはまさに底なし沼である。装備については思う存分トレジャーハンティングに挑めるし、奥深いと言っていいだろう。

キャラクターについてはレベルアップによる能力値の成長(本作では能力値に上限はない)、スキルの習得はもちろんのこと、他の冒険者から「スキル継承」することでスキルを習得・強化することができる。「スキル継承」に使用したメンバーはいなくなってしまうが、キャラクターにスキルの習得数制限はないので、主人公やメインパーティのメンバーには惜しまずスキルを継承させて強化していきたい。それ以外のキャラクター育成の要素として「転職」があり、各キャラクターの「転職書」を手に入れることでそれぞれのキャラクターは「転職」ができる。転職後はキャラクターレベルは1になってしまうが、習得済みのスキルはすべて引き継ぎ、レベルアップするとさらなるスキルの習得が可能になるため、より強力なキャラクターとして育成可能だ。最近では新たなる職業「忍者」のキャラクターも追加され、パーティ編成の幅はより多彩になった。

ここまで「仮面の冒険者」の冒険の道のりを振り返りつつ、本ゲームの面白さの「幅」と「奥行き」について語ってみたが、いかがだっただろうか。この記事を読んで『ウィズダフネ』に興味を持たれたなら、今すぐにダウンロードして遊んでほしい。そこにはきっと、「あなただけの冒険」が待っているはずだ。

『Wizardry Variants Daphne』は、iOS/Androidで基本プレイ無料でサービス中だ。また、PC(Steam)版も後日展開予定だ。

ずんこ。
ずんこ。

DRPGとB級フォロワーゲームと麻雀とポーカーをこよなく愛するブロガー

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