MMORPG『ツリーオブセイヴァー:ネバーランド(ツリネバ)』は癒やしの楽園だった。ソロでもマルチでも、毎日心が温まるほっこり感と没入感のある勇者生活
QOOKKA GAMESは今年10月11日、可愛い猫と冒険するMMORPG『ツリーオブセイヴァー:ネバーランド』をリリースした。対応プラットフォームはPC/iOS/Android。
『ツリーオブセイヴァー:ネバーランド』(以下、ツリネバ)は、自由なジョブを選んで冒険できるRPGだ。プレイヤーは不思議な手紙を受け取った勇者として転生し、滅びかけている世界樹を蘇らせるべくストーリーを進めていく。ジョブをカスタマイズしてバトルや探索を楽しむことができるほか、生活スキルでは技能を磨いてバトルに役立つアイテムをクラフトしたりもできる。本作はアジア11地域に向け同時リリースされ、リリース当日には8つの地域でアプリストア1位を獲得し、現在も好評を博している。昨今でも数多のMMORPGがリリースされている。本作はその中でも可愛い猫と一緒に冒険できることや、地域を越えた交流などが大きな特徴とのこと。本記事では、ゆったりしたゲームが好きな筆者がその魅力を調査する。
ファンシーで柔らかいビジュアルに癒やされる
ゲームをする手もかじかんでくるこの季節。心までも底冷えしてくるようだ。こんな時期には、みんなで鍋をつつくように、時には協力し時にはマイペースに過ごせる、そんなゲームで癒やされたいと思った矢先、本作『ツリネバ』の記事執筆の依頼をもらった。この世界では、日常の疲れを癒せるかもしれないという期待を胸に、勇者として「ツリネバ」の世界に降り立った。
本作のプレイですぐに感じたのは、身の回りの何もかもが可愛いというところだ。勇者の連れ歩く小さなおとも「毛玉」や、戦闘を手助けしてくれる「猫霊(びょうれい)」など、開始直後からふわふわの小動物に囲まれる。中には可愛い敵もいて、「もしかしてこの子たちもいずれ仲間になるんですか?」とワクワク。こうした「可愛さ」が第一印象を良くしたことは間違いないだろう。
また開始直後、ガイドのNPCに「選んで」と言われ、犬・鳩・羊の中から羊を選択する。なんと、動物たちに乗れるのだという。まるでショートケーキのようなデコレーションをされたふわふわの羊が、主人公を乗せて目的地まで走ってくれるのだ。乗り心地が良さそうだし、甘くて美味しそうですらある。
マウントに搭乗することで移動速度が20%上昇する恩恵にあずかることができるが、それを抜きにしても乗っていたいくらい可愛い。また、村や街などの集落では大型の猫が牽引する馬車のようなものが路線バスのように巡っていて、観光気分で乗るのも楽しかった。勇者としてこの世界に転生してきたはずが、すっかり遊園地か動物園にでも来たかのような気分に浸ってしまった。世界救う話はどうなったとNPCに叱られそうだ。しかし、この世界ならきっと長時間遊んでも疲れないし、むしろかなり癒やされるに違いないという期待がどんどん高まってくるほっこりビジュアルだ。
このような可愛いものに囲まれながら、筆者はまずメインのクエストを進めていった。NPCと交流しながら、世界を救うための種を探すのが主な流れだ。各地では異変が発生しており、それに付随して大小さまざまな揉め事もたくさん起こっているようだった。
たとえば、世界の異変と時を同じくして、関係がこじれてしまったものたちも複数いる。それは家族であったり、幼馴染の友人同士であったり、元は信頼や情で結ばれていたものたちだ。各キャラクターたちの話に耳を傾け、その関係を修復する手伝いをしていると、筆者は自分が徐々にこの世界の一員になりつつあるように思えた。RPGで主人公となって世界に関わっていく上で、強い敵を倒したり隠された秘宝を見つけることも醍醐味だ。
しかし筆者としてはその世界に暮らす疑似体験に重きを置いている。特に自分・NPC・プレイヤー間の交流は自分がそこで暮らした思い出となって強く心に残り、疑似体験へ直結する。クエストの中で、この世界には性根の優しいキャラクターが多く、ほっこりとした気持ちになれると感じた。現実の世界には恐ろしいものや辛いことがたくさんある。ゲームの中では、可愛いものや優しいできごとに囲まれて暮らしたい。だからこそ、本作の優しい雰囲気が心に染み入る。
技能スキルでクラフト、ホームで農業
次に、一定のキャラクターレベルに到達したことで待望の生活スキル解放のときがやってきた。本作には、3つのクラフト用技能スキルがあるようだ。まったり生活系MMOでのクラフトレベリングが好きな筆者としては、技能スキルは特に興味が湧くポイントである。
料理人・錬金師・職人のどれも楽しそうで迷った挙げ句、筆者は料理人からスタートすることにした。なぜなら、筆者はゲーム内に登場する架空の食材や料理の概念が好きだからだ。それに、料理を食べることで戦闘用のバフが長時間発動することも大きな魅力に感じた。メインストーリーのクエストやダンジョンに疲れたら、まったり採取と調理をしてレシピごとの熟練度上げや技能の名声ポイント獲得に勤しむ。毎日新たなレシピが解放されるペースで進められるので、デイリーコンテンツとメインストーリーを進めたあとは、ひたすら採取と料理を楽しんでしまった。筆者のようにコツコツ積み上げていくコンテンツが好きなプレイヤーは技能スキル上げの虜になることだろう。
さらにレベルが上がると「ホーム」という機能が解放された。ホームでは作物の栽培と、鶏や牛などの飼育をする、農業シミュレーションが楽しめる。栽培・収穫・加工・販売を限られたスペースの中でやりくりするうちにどんどん経験値が溜まって、新たに畑を開墾できたり設備が増えたりするのでやめ時がなく、しばらくホームに釘付けになってしまった。しかも、ホームで収穫できる食材の中には、料理技能のレシピで使うものもあるため料理技能を選択した筆者は両方が順調に進められる格好となった。
ホームレベルが上がると、今度は機織り機が解放され、裁縫ができるようになった。見た目装備やマウントのクラフトが可能になったことで、着替えとファッションレベルのレベルアップが楽しくなり、ますますホームから出られない状態だ。
ホームの農場で作物の収穫を待つ隙間時間にはダンジョンへ行ったりクエストを進めたり、逆にバトルに疲れたらホームに戻って技能のことを考えたりと、ずっとやりたいことがなくならない。生活系MMOのソロプレイの中でゆっくり楽しみたいコンテンツど真ん中といった感じで、あっという間に数日が経過してしまった。
いよいよ協力要素へ。世界と緩く細く繋がれる
本作は現在、アジア11の地域に向けて配信されており、ゲーム内のワールドチャットでは常に多数の言語が飛び交っているため、はじめは筆者もちょっとびっくりしてしまった。特に多いのは中国語で、他に英語や韓国語、タイ語、ベトナム語などが入り乱れているのだ。しかし、ゲーム内のチャットをワンタップで自国の言語に翻訳可能であるため、どんな言語での発言も、ざっくり理解することができる。日本語での書き込みも、他国のプレイヤーはワンタップで自国の言葉に翻訳して読んでいることだろう。
リリースから2か月のゲームだけあって、自分と同じくらいの進捗のプレイヤーが多い印象だ。みんながみんな手探り状態にあると思うと、ちょっと安心するのが人情。言葉は通じなくても、同じ気持ちでゲームをしているんだろうなと想像するとほっこりする。ダンジョンやクエストでマッチが成立し野良パーティでサッと入ってサッとクリアして出てくることを繰り返していると、たまにフレンド申請をもらうこともあった。体感では台湾のプレイヤーが多く、しかも積極的な感じがする。筆者はフレンド申請を承諾して、ほとんど言葉に頼らないコミュニケーションを試みることにした。本作のメッセージ機能では、技能のクラフトアイテムを添付して送ることが可能なのだ。
料理人である筆者は「ちゃんとご飯をお食べ」という気持ちで毎日フレンドに自作の料理を送りつけてみた。食べ物を贈ることでなぜか自分が満足感をいだいてしまうのは、日本人の性なのかもしれない。すると、それに対して別の技能のクラフトアイテムが返送されて来て、その都度フレンドとの好感度が上がっていくことがわかって、ここでもほっこりする。
しかも、毎日互いの技能のレベルが上がっていくため、送れるアイテムのグレードも日々上昇していく。アイテムが届いた時にボタンひとつで感謝の定型文を送ることもできるし、仮に日本語で簡単なメッセージを送った場合でも、相手が翻訳を通して読んでくれるだろうということが期待できるので、言語の壁が通常よりも低く感じられ交流をスタートしやすいと思った。
ここで筆者は、本作のプレイヤーズギルドシステムである「騎士団」に加入することでしか体験できないコンテンツにも触れてみたいと思った。騎士団に加入せずとも、いくつかのマルチプレイ要素は楽しめる。
しかし、騎士団コンテンツにはさまざまな恩恵があることと、ここまでのプレイの感触で、誰もが束縛されない緩やかな繋がりを持ちながら協力コンテンツを楽しめそうだという期待が高まっていた。それに、昇級試験というNPC戦では何度か敗北を喫し、タンク・ヒーラー・アタッカーの役割分担や、それぞれの練度が重要だと感じたのもある。自分も魔法を使うアタッカー職であり、野良パーティではなかなかタンクとヒーラー枠が埋まらないこともあった。この場合、ギルドの中で連携を取りながら昇級していく方が快適かつスムーズかもしれないと思った。自分がタンク・ヒーラーのキャラクターを作成して、フレンドやギルドメンバーを手助けしてみたいとも思った。そこで、いくつかの条件を整えて、ようやく自分の騎士団を設立することに成功した。
騎士団が設立されると「騎士団領地」に入ることができるようになったため、早速現地へ赴く。ぱっと目に付くのはレイドボスのようなものや、装備作成台だったが、一番気になったのは「スパ(温泉)」だ。夜、決まった時間に開くということでこの夜は初めての騎士団スパへ。
温泉にいる間、一定時間ごとにその場にいるメンバーで遊べるミニゲームが進行したり、おもちゃやお菓子が飛び出したり、ドロップアイテムが空から降ってきたりと、ちょっとしたパーティのようだった。温泉に入っているだけで経験値を獲得できる上、育成アイテムなども手に入る。パーティ気分に浮かれて、筆者もメンバーに料理を振る舞おうと思い水中にパーティテーブルを設置してしまい、シュールな絵面になった。絵文字やジェスチャーをふんだんに使って、初対面の騎士団メンバーたちと混浴を楽しんでしまった。騎士団の初めてのギルドらしい活動が「一緒に温泉に入る」というのは斬新だ。
夜には毎晩スパに入れることに加えて、曜日ごとに異なる騎士団コンテンツに参加できる。初めてのこの日は、温泉に入ってホカホカ浮かれ気分になり、そのあとの騎士団イベントも楽しみだしなんとかなるだろうと余裕に構えていたところ、とんでもない洗礼を浴びることとなった。騎士団対抗戦の一つ「海島遠征」で陣取り合戦をすることになり、右も左もわからないまま島に上陸。
他の騎士団も続々上陸し、自軍・他の攻撃側騎士団・防衛壁の三つ巴のような形となった。そして、筆者らはすぐに他の騎士団の乗りまわす戦車にボコボコにされてしまった。どうやら、このイベントは週に数回開催されるもので、それ以外の時間に領地の施設を使って戦車やバリスタなどの軍備を整えてから臨むものだとわかった。筆者の騎士団は、設立初日の出来立てホヤホヤであり砲台の一つも作れていなかった。参加した騎士団メンバー全員が生身の体で戦車に特攻して玉砕する結果となってしまった。いくら勇者といえど、人が戦車に勝てるわけがない。
しかし、筆者も騎士団メンバーもみな始めたばかりの手探り状態だったため、この大失敗すらも笑い話となった。騎士団チャットで相談して状況を把握し「今回は諦めて次回に備えよう」ということになり、結果として騎士団領地の軍備拡張施設が勢いよく稼働開始したことは言うまでもない。将来的に島を占有して防衛側に立てるくらい軍備が拡張され、メンバーの地力もついてきた頃には、このことは思い出話となるだろう。
また、曜日によって行われる対抗戦の内容は異なり、毎日が手探り状態となるものの、仲間と話し合って作戦を立てることや、技能協力が鍵になる部分は、即席パーティで入るダンジョンとはまた違った楽しさがあることがわかった。
イベントコンテンツやミニゲームも充実して長~く遊べる
本作には、上述したコンテンツのほかにも、カード集めや実績解除などたくさんの機能があり、すべてが可愛い上、キャラクターの強さにも影響を及ぼす。そのため、まったり生活しているつもりでも、いつのまにか少しずつ強くなっているところが面白いと感じた。
これらのやり込み要素は、完全にソロプレイの中で完結するものなので、頑張って協力者を探す必要もない。基本的に、自分のペースでできるときにできることをやっているうちに、次のコンテンツ解放に必要なレベルに達しているといった具合で気楽に過ごせるので、気負わないでいいMMORPGを新たに始めてみたいという場合にもオススメだ。特に筆者のように、生活系のスキルや農場シミュレーションなどの要素も好きな場合は、充実したMMOライフを送れること請け合いだ。
また、マルチプレイでのミニゲームや協力の要素も、基本がギスギスしない作りになっておりストレスが少ない。もちろん、しっかり協力することでそれだけの達成感を得られる各種ランキングなどの要素もあるので、頑張ってプレイする手応えを感じたいプレイヤーにも遊んでほしい。本作は、プレイヤーごとのスタイルで自由な遊び方ができる癒やしの楽園だ。以上が、筆者が感じた本作の魅力である。
本稿執筆時、ゲーム内では期間限定イベント『氷雪祭』が開催されている。ログインボーナスの配布や、多数のミニゲームがありキャラクターの強化に繋がる貴重なアイテムを獲得できる。また直近では、天気が変わりプレイヤーの負担を軽減する仕組みや、好感度の高いフレンドと式典を行う「樹緑」システムなどが実装されたばかりだ。今後も季節などに合わせたさまざまなイベントの開催や、新システムの実装が予定されているとのことで、長くゆったり楽しめそうだ。
本作では、地域を越えての交流が可能であり、ゆったりと遊んでいるプレイヤーも多いため、プレイヤー同士の交流でもほっこりできるという魅力がある。12月中に開催された「あの人との忘れられない物語をシェアしよう」キャンペーンでは、各地域のプレイヤーから数々の温かい交流体験が寄せられた。たとえば、偶然日本の騎士団に加入してしまった海外プレイヤーの体験談においては、その偶然が日本の会社で働く外国人としての自分の実生活にも役立ったというエピソードも。日本語や文化を学ぶ機会を得られたばかりでなく、ゲーム内の高難易度なクエストなども騎士団メンバー同士で協力して攻略した感謝と感動を綴っている。
そのほかにも、かけがえのない仲間・友達・恋人を作れたという体験談や、積極的に協力ミッションや騎士団チャットに参加しなくとも自分のペースで遊ぶスタイルを受け入れてもらえたことで結果的にそこが自分の居場所となったというエピソードもあった。投稿されたエピソードや動画・スクリーンショット画像などから、暖かさや賑やかさが伝わってくる。
また、12月18日には保護猫喫茶にゃんこ亭と共同で発起した保護猫のための公益活動となる「ツリネバ保護猫計画」もスタートした。本作の公式Xの対象ポストをリポストしたりチャリティグッズを購入したりすることで、にゃんこ亭の野良猫保護活動を支援できるキャンペーンとなっている。活動報告や保護猫の写真は本作の公式Xにて確認できるので、猫を愛するプレイヤーの方にはぜひチェックしていただきたい。
『ツリーオブセイヴァー:ネバーランド』はPC/iOS/Android向けに基本プレイ無料にて配信中。