パン屋経営x探索アクションRPG『Aeruta(アルタ)』は「あと1日」がずっと続いてかなり面白い!ふともも要素……よりももふもふ要素を楽しむゲーム
パン屋経営x探索アクションRPG『Aeruta(アルタ)』を紹介したい。セクシャル要素はほぼありません。

明るい。かわいい。ほわほわ。2Dアクション。サクサク。爽快感。経営シミュレーション。コツコツ。中毒性。パン屋さん。もふもふ。ケモっ子。いっぱい食べる子。
そんなキーワードが好きなあなたに、ぜひともおすすめしたいゲームがある。それが、

『Aeruta(アルタ)』だ!
グラビティゲームアライズが贈る、ダンジョン探索×パン屋経営ハイブリッドアクションRPG。Steamで早期アクセス配信されており、2025年11月6日(木)に正式版がリリースされる。

さきほど挙げたキーワードに好きなものが多い人は、ある意味で気をつけてほしい。いちど始めたが最後、なかなかやめどきを見つけられない可能性がある。
実例として、筆者がやめどきを見つけられていない。焼きたてパンのように温かくてほわほわした世界で、勇者チャヤが休みなしにダンジョンの探索&戦闘とパン屋の品出し&レジ打ちを繰り返して給料を町の発展に投資している。世界に反して労働がブラックすぎない?
本作の魅力は枚挙に暇がないのだが、今回はわかりやすく3つに整理して、深掘りしていくぞ! あなたもぜひこの世界にのめり込もう!
なお、本稿ではいわゆるセクシャル要素はあまりない。
とんでもないむちむちお姉さんは登場するが、基本的に「セクシー!」より「かわいい!」が先に来るゲームであり、なにより単純にゲーム部分がおもしろいからだ。
じつは、掲載前に編集部から「セクシー要素についてもっと言及しないんですか?」と聞かれたのだが、「これはですね、そういうゲームじゃないんですよ」と断った。でもそれはそれとしてとんでもないむちむちお姉さんは登場するのでそれはあとで言及する。
[1]みんな明るくて前向きでかわいい! 焼きたてパンのように温かくてほわほわした世界

本作は、全体的に暖色系で柔らかなタッチの2Dドット風グラフィック。そして、登場人物は基本的にみんなポジティブで優しくて友好的。
パン屋さんのお話だけあって、まるで焼きたてパンのように温かくてほわほわした世界! これが本作を語るうえで外せない大きな魅力のひとつ!

その象徴として、主人公のチャヤがいる。キツネ耳の少女で、冒険者であり自称勇者。明るくて前向きで、感情豊かでお調子者で、活動的でいつもしっぽをくるくる回している。
そんな彼女がいちばん好きなことは……

おいしいものを食べること!
かわいいね! いっぱい食べてかわいいね! 食べ物あるところに勇者チャヤあり!
チャヤは、いっぱい食べる元気な子だ。ストーリー上でもしょっちゅう食べ物に釣られているし、探索でもパンを食べることによってHPを回復する。かなりの食いしんぼう。
どれくらい食いしんぼうかと言うと、自分よりもはるかに大きい特大ケーキを見たときのリアクションが、

「食べきるには203日かかりそう!」である。
「食べきれないよ!」でもなければ逆に「すぐ食べちゃうよ!」でもなく、203日という謎の説得力がある刻んだ数字を出してくるあたりに「本物」を感じる。勇者チャヤは冒険だけでなく食にも本気なのだ。

チャヤがパン屋で働くことになったきっかけも、その旺盛な食欲が関係している。
寂れた町に迷い込み、おいしそうな香りにつられて入ったオープン直前のパン屋で、なぜかオーブンがいきなり爆発! 店主であるイーフィに犯人だと決めつけられてしまい、弁償のために店員として働くことになる。勇者チャヤは巻き込まれ体質なのだ。

オーブンが壊れてしまったイーフィだが、ひとりぼっちで開店準備をしていたこともあってか、チャヤが店員になってくれてうれしそう。
チャヤはチャヤで、住み込みで働くことになった結果として野宿を回避できたので、まあいっか、なんとかなるか、という感じ。
そうして、チャヤとイーフィのドタバタなパン屋経営が始まる!
……という感じ。
もちろん、ここからさまざまな事件やトラブルが起きるのだが、基本的に悪人が登場しないし、みんな前向きだし、ゲーム的にも取り返しのつかない要素や努力がムダになる要素はないので、安心して自由気ままにプレイできる。
遊んでいると、ワクワクしつつもホッとした気持ちになれる。まさに、焼きたてパンのように温かくてほわほわした世界!

チャヤとイーフィ以外にも、経営や探索を手伝ってくれる町の住人は多くいる。
たとえば、建築家のボリオ。身体が弱くておっとりした性格だが、意志が強く、ときに大胆な行動でみんなを驚かせることも。

訓練所で、スキル強化など戦闘面の指南をしてくれるシヴァ。
騎士道精神を持つ頼れるお姉さん的存在だが、ちょっと抜けたところもあってかわいい。

!? すごいむちむちのお姉さんが! すごいむちむちのお姉さんがいる!!
名をメルリーナといって、ときどき町に食材を売りに来てくれる。好きだ。焼きたてパンのように温かくてほわほわした身体だ。この世界そのものを擬人化したかのような存在だ。
メルリーナは特定の曜日にのみ出現するのだが、ある施設を建てると町に常駐してくれるようになる。筆者はほかのすべてを後回しにして真っ先にその施設を建てた。好きだ。永住してほしい。この町にもぼくの心にも永住してほしい。

ちなみに、敵となるモンスターたちも、全体的にまるっこくてかわいい。
ただ、ときには見た目に反してやっかいな攻撃をしてきたりHPが高かったりするモンスターもいるので要注意だ。
さらに、ダンジョンの最深部にはボスがいるが、さすがにボスともなればその見た目は凶悪そのもので……

あら~~~~~! かわいいね! まんまるぽよぽよでおっきくてかわいいね!
でも、HPがとても高くて攻撃も熾烈なので、心して戦おう。大きさは強さなのだ。
[2] やることが多い!モンスターの討伐も町の開発も、品出しもレジ打ちも、ぜーんぶチャヤの仕事。でもどれもサクサク快適

本作における、チャヤのやるべきことをカンタンに紹介しよう。
まず、パン屋の調達担当として、食材集めをしなければならない。ダンジョンに行こう。

モンスターを倒したり、木を伐採したり、宝箱を開けたり。ときには、冒険者としてのミッションもあるので、それもこなしたり。うまく探索ルートを選び、スキルも使いこなして戦おう。
そうして食材をかき集めたら、パン屋に戻って店員の仕事だ!

イーフィはパン作りに専念するので、店員はチャヤひとり。
どのパンをお店に出すか決めて、焼けたパンを取りに行って店頭に並べて、レジ打ちをする。おっと、お客さんがたくさん来るとお店にゴミが散らかってしまうことがあるので、見つけしだい掃除もしなければ。
売上が貯まったら、町の発展に投資だ!

街灯を整備したり、旅館を建てたり。建てた施設に応じてさまざまな恩恵が得られ、パン屋にお客さんが来やすくなったり、冒険に役立つ能力が上がったりする。
すぐにお金が足りなくなるので、またダンジョンに行って食材をかき集め、品出し&レジ打ち&掃除をがんばって売上を伸ばさなければならない。

さらに、パン屋たるもの、新メニュー開発も大切!
イーフィと協力して、画期的なレシピをたくさん考案しよう!

さらにさらに、勇者たるもの、町の人たちに信頼されることも大切!
たくさん話しかけて交流を深め、悩みを引き出して解決してあげよう!
こうして、チャヤの日々は過ぎていくのであった。
……

多いよ! やることが多いよ! 世界はほわほわなのにチャヤの労働量がブラックすぎるよ!
というわけで、5人くらいに分裂しないとこなせなさそうな仕事の量ではあるが、チャヤは元気にすべてをこなしていく。
そして、ゲーム的にも「やれることが多くて、なにからやってもいい」ことが「今日はなにしようかな」というワクワクにつながっているし、そのひとつひとつがサクサク進められるようになっているのでとても快適だ。

たとえば、ダンジョンでの探索パート。
ここでは戦闘があるわけだが、チャヤのアクションは攻撃判定が見た目よりやや広めで、回避も持続時間が長めなので、「当てたと思ったのに!」「避けたと思ったのに!」みたいなストレスがない。レスポンスもよくて思った通りにチャヤが動いてくれるので、動かしていて気持ちいいし、アクションが得意でなくてもかっこよく立ち回れるよう作られている。

さらに、ボスを倒すかチャヤが倒れるとその日の探索は終了なのだが、倒れてもペナルティはいっさいなく、それまでに得た食材はすべて持ち帰れる。もっと言えば、パン屋経営で貯めた「パンエナジー」があればその場で復活もできる。
それなりに難しいステージや強いボスも多いのだが、負けてもムダになるものはないし、探索1回あたりの所要時間はせいぜい5分くらいなので、再挑戦もカンタン! 快適!

パン屋での店員業務も、サクサク快適。
やることは多いが、決して複雑ではないし、チャヤが操作通りテキパキ動いてくれるので、「お店をうまく回している感」が得られて楽しい。
なお、店員をずっとやっていると「レジ打ちが面倒だな」とか「並べられる商品をもっと増やしたいな」とか「もっとひとりのお客さんがまとめて買ってくれたらいいのにな」とか思う瞬間が出てくるのだが、それらはすべてボリオへの依頼による施設開発によって解決できるようになっている。
たとえばレジ打ちは、開発によって自動化ができ、自動ですばやく会計を済ませることも、あえて手動で入力してチップをもらうこともできるようになる。「開発したらずっと自動ですよ」ではなく、「自動も手動も選べて、手動にはインセンティブがありますよ」なのがすばらしい。
あらゆる仕様から、「やることが多いぶん、ひとつひとつは進めやすくする」「取り返しのつかない要素はないようにする」「プレイヤーの努力が報われるようにする」といった本作の設計思想が感じ取れる。
結果、チャヤの労働量はブラックだが、プレイヤーはずっとサクサク快適である。がんばれチャヤ!
[3] 毎日ちょっとずつなにかが進む。「あと1日だけ、あと1日だけ」でずっとやっちゃう

本作は、探索か経営をすると日付が進んでいく。「春 1日目」「春 2日目」といった感じ。1日は5~10分ほどで終わるのでテンポがよいし、取り返しがつかない要素はないのでどんどん進めてかまわない。
そして、だいたい毎日なにかしらのイベントやできごとが起きる。メニュー開発が進むとか、パンが売れやすい日が来るとか、町の開発が進むとか、新しいスキルを覚えるとか、ボスを倒すとか、新しいダンジョンに行けるようになるとか。
これらが合わさった結果、なにが起きるか。
そう、ずっとやってしまうのである! 「あと1日だけ、あと1日だけ」とやり続けて、気がつけば2時間も3時間も遊び続けてしまうのである!

よし、新しいスキルを覚えたぞ!
強そう! 試し打ちしたい! あと1日だけやろう!

おっ、新しい食材を拾えたぞ!
もしかしたら新メニューが開発できるかも! あと1日だけやろう!

おっ、新メニューのおかげもあって売上がよかった!
施設のレベルアップができそう! あと1日だけやろう!

えっ、新しいキャラがお店を訪ねてきた!
気になる! 町に定住するのかな? あと1日だけやろう!

なるほど、強化アイテムを作ってくれるのか!
これはありがたい! これならボスを倒せるかも……? あと1日だけやろう!

……みたいな感じである。無限ループの完成である。
毎日なにかが起きるので、「それだけ確かめて終わろう」をやっていると、次のなにかが起きてしまう。そうするうち、いつの間にか町がすごく発展していたり、パン屋の売上がすごく伸びていたり、チャヤがすごく成長していたりして、それが楽しくてしょうがない。
ゲームの仕様的には5~10分でいつでも区切れるのに、プレイヤーの心理的には2~3時間でもぜんぜん区切れないゲーム! それが『Aeruta(アルタ)』!
めざせ、最高のパン屋と最高の冒険者と最高の町と最高の仲間! めざすもの多くない? でもそれが勇者チャヤ!

元気いっぱいの明るいチャヤが、パン屋と冒険者の二足のわらじで、温かい町の人たちに支えられながら全力疾走! チャヤと一緒に、毎日ちょっとずつ変わっていく世界を楽しもう!
『Aeruta(アルタ)』は、ムリヤリひとことでまとめると、そんな感じのゲームだ。
めざすのは、最高のパン屋、最高の冒険者、最高の町、そして最高の仲間。
多すぎるけど、ぜんぶほしいし、ぜんぶできちゃうのが勇者チャヤだ!

それだけやりたいことがあるのだから、エネルギーはたくさん必要! そう考えると、チャヤが大食いなのも納得だ!
かわいいね! チャヤよりもいっぱい食べられる子なんて、この世界には……

いた!!
がんばれチャヤ! 負けないくらいたくさん食べて、誰よりも大きな勇者になろう!
『Aeruta(アルタ)』は、Steamで2025年11月6日(木)正式リリース予定だ。


