『FF14』パッチ5.3のメインストーリー展開を、トレイラーをもとに大胆予想。「漆黒のヴィランズ」はどのように完結するのか

スクウェア・エニックスは7月22日、『ファイナルファンタジーXIV』のパッチ5.3「クリスタルの残光」のトレイラーを公開した。本記事ではそのトレイラーの映像を踏まえ、パッチ5.3でのメインクエストの展開を大胆に予想していきたい。

スクウェア・エニックスは7月22日、『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FF14』)のパッチ5.3「クリスタルの残光」のトレイラーを公開した。本記事ではそのトレイラーの映像を踏まえ、パッチ5.3でのメインクエストの展開を大胆に予想していきたいと思う。なお、本記事の趣旨上パッチ5.2までのシナリオのネタバレをたっぷりと含むため、未プレイの方は注意してほしい

さて、今回発表されたパッチ5.3「クリスタルの残光」のトレイラーから読み取れるメインクエストの展開について考察していこう。2分41秒という短いトレイラーながら、そこに詰まっている情報は膨大だ。今回は新規追加されるインスタンスダンジョンと討伐戦のいずれもメインクエスト関連と見られ、そのためトレイラー中もメインクエストのものと思われるムービーの割合が比較的高く感じられた。


メインクエスト関連と思われるムービーは、パッチ5.3のシナリオ展開を推測する上で重要になりそうな部分ばかりだった。メインクエスト関連のムービーは「ユールモアにて流星を目撃するシーン」「インスタンスダンジョン内のものと思われるムービー」「シルクスの塔内部でアシエン・エリディブスと対峙するシーン」「アーモロートらしき場所で古代人と邂逅するシーン」に大きく分けられる。このシーンをひとつひとつ紐解いて観察していくと、おおよそのメインクエストの流れが見えてくる。以降の考察はトレイラーの流れに沿わずに行っていくため、一度トレイラーを通しで見てからお読みいただくと分かりやすいだろう。


まずはユールモアのシーン。トレイラーに写っている登場人物はアリゼー、アルフィノ、サンクレッド、ウリエンジェ、ヤ・シュトラ、プレイヤーだ。リーンの姿は確認できなかったが、トレイラー中のセリフ(アリゼーの「流星雨の幻影…!?」に対する掛け合いと思われる「それに、あれって…!?」)と、その後に向かうと思われるダンジョン内のムービーに写っていることから、おそらく近くにいるのではないかと推測される。ここで流星を目撃した彼らは、突如現れた光の幻影のような敵に襲われる。これはトレイラーの2分14秒~でアシエン・エリディブスが召喚したものと見てほぼ間違いないだろう。

0:32の召喚陣。背景にレイクランドの拠点特有の幌屋根が見える。


この光の幻影は、インスタンスダンジョン内のモブ敵としても現れるようだ。ダンジョン内の映像ではフーア族に対してストンジャを撃つ白魔道士の幻影や、ン・モゥ族に対して弓を射ている吟遊詩人らしき幻影を見ることができる。また、0分32秒~に召喚陣が起動しているシーンは背景からレイクランドの防衛拠点と推察され、これらの幻影が各地に大量召喚されたことを窺わせる。

トレイラーの召喚シーン
パッチ5.0終盤の召喚シーン


そしてアシエン・エリディブスとの対峙シーン。アシエン・エリディブスは光の幻影を召喚し、水晶公とプレイヤーの前に立ちはだかる。この召喚シーンには見覚えのある人も多いことだろう。そう、漆黒のヴィランズの5.0終盤でハーデスと対峙した際に水晶公が用いたものだ。さて、なぜその召喚術をアシエン・エリディブスが使っているのだろうか。ここでトレイラー内のアシエン・エリディブスのセリフに注目してみよう。

「君が仲間たちと別行動してくれて助かった、ちょうど邪魔の入らない場所で会いたかったのでね」

前述のユールモアでのシーンのメンバーを覚えているだろうか。あそこにいたのは、アリゼー、アルフィノ、サンクレッド、ウリエンジェ、ヤ・シュトラ、(おそらく)リーン、プレイヤー。そう、水晶公はここで「別行動」している可能性が高いのだ。そして、エリディブスが水晶公を突き刺すシーン。これによって水晶公から何らかの形で力を奪い取ったのではないか。

突き刺されたにしてはピンピンしているようにも見えるが……。
インスタンスダンジョンのドロップ装備


アーモロートらしき場所については、ストーリーの繋がり方がかなり不明瞭ではあるものの、インスタンスダンジョンのドロップ装備が古代人風であることから、突入前後のストーリーに関係してくる可能性が高いと考える。また、討伐戦のものと思われるBGMがアーモロートのあるテンペスト深部のBGM「冥き水底」をアレンジしたものだったので、ボスの討伐を目的として赴く可能性もありそうだ。討伐戦ボス名は伏せられていたが、アシエン・エリディブスが相手でほぼ間違いないのではないだろうか。

以上を踏まえて筆者が推測するストーリーの流れはこうだ。まず、原初世界への帰還を果たすための調査の過程で、暁の血盟のメンバーとプレイヤーはユールモアを訪れ、そこで流星雨の幻影を目撃する。しかし、それを水晶公へ報告しに向かう途中で搭乗していた飛空船が襲撃を受けテンペストへ墜落。そこで体勢を整え、各地の蛮族の助力を得ながら、光の幻影を振り払いつつクリスタリウムへと向かうこととなる。同時刻、クリスタリウムにて別行動をしていた水晶公はアシエン・エリディブスから襲撃を受け、召喚の術を奪われる。紆余曲折を経てクリスタリウムにて水晶公と合流したプレイヤーは、アシエン・エリディブスと対峙する。

アシエン・エリディブスを撃退すれば、第一世界には今度こそ平穏が訪れるのだろう。しかし、漆黒のヴィランズの物語中ずっと語られてきたように、暁の血盟のメンバーはこの世界では客人に過ぎず、いつかは原初世界へ帰らなければならない。この一波乱のあとに描かれるのが「それぞれの別れの物語」であることは想像に難くない。


全体を通して水晶公の語りが多い今回のトレイラー。これまでの漆黒のヴィランズのシナリオ全体を通して、水晶公から闇の戦士に向けての行動はどれも献身的な描かれ方をしてきた。海外メディアGamespotのインタビューでプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏は、水晶公の行動は英雄(プレイヤー)に対する純粋な憧れが発端となっていることを語った。長い時を生きてもなお、彼の献身的な行動は「英雄と冒険に行きたい」という少年のような憧憬を動機としているのだ。

トレイラーの最後に水晶公が話す「水晶公がやるべきことをすべて終えられたら、話したいことがあるんだ」という言葉。フラグにも思えるセリフではあるが、「水晶公」の役目を終えた「グ・ラハ・ティア」という1人の青年が英雄に伝えたい言葉がどのようなものなのか、筆者も一プレイヤーとして非常に気になるところである。また、オリジナルのアシエン最後の1人であるアシエン・エリディブスとの対峙によって、エメトセルクとはまた違ったエリディブスの想いや矜持が描かれることにも大いに期待したい。

『FF14』パッチ5.3「クリスタルの残光」は8月11日に公開予定だ。

Aki Nogishi
Aki Nogishi

ポストアポカリプスとドット絵に心惹かれます。AUTOMATONではFF14をメインに担当します。

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