ボスバトル満載の期待作『Cuphead』発売開始。1930年代のカートゥーン調グラフィックで描かれる高難度2Dアクションゲーム、協力プレイ対応

Studio MDHRは9月29日、2Dシューティング・アクションゲーム『Cuphead』を発売した。プラットフォームはPC(Steam/Windows 10)およびXbox Oneで、価格はSteam版が1980円、Windows 10/Xbox One版が2350円。

Studio MDHRは9月29日、2Dシューティング・アクションゲーム『Cuphead』を発売した。プラットフォームはPC(Steam/Windows 10)およびXbox Oneで、価格はSteam版が1980円、Windows 10/Xbox One版が2350円。Windows 10/Xbox One版については、Xbox Play Anywhere対応によりクロスバイが適用される。

本作の主人公は、魔法の島Inkwell Isleで暮らすCupheadとMugmanの兄弟だ。ある日、兄弟は家から遠く離れた場所にあるカジノDevil’s Casinoを訪れる。さっそくゲームをはじめた兄弟は連戦連勝。気をよくしていたところに、カジノのオーナーであるDevilから「次のゲームに勝てたら、このカジノにある金品はすべてくれてやろう。ただし、負けた場合はお前たちの魂をいただくぞ。どうだ?」と賭けを持ちかけられる。すると乗り気でないMugmanをよそに、お金に目がくらんだCupheadはサイコロを振ってしまい、結果負けてしまう。命乞いをする兄弟に対しDevilは、借金を返さず逃げている者たちの魂をあつめてくることができれば見逃してやろうと提案する。

プレイヤーはInkwell Isleのマップを歩き、ステージとなる場所を訪れてゲームを開始する。ステージには横スクロールで進むアクションステージと、ボスと戦うステージがあり、アクションステージはさまざまな敵が襲ってくる中をジャンプやダッシュなどを駆使して進んでいき、ステージの端までたどり着けばクリアだ。主な攻撃手段は指先から撃つショットで、敵に攻撃を当てるごとにトランプカード型のゲージが溜まっていき、カード1枚分溜まると強力なスペシャルアタックを1回放つことができる。

Inkwell Isleのマップ内では島の住人に話しかけることもできる
さまざまな敵が次々に襲ってくるアクションステージ。右上にあるのがコイン

アクションステージではお金であるコインを入手することができ、マップの中にあるショップでアップグレードアイテムを購入する際に使う。アイテムにはたとえば、体力を増やす代わりに攻撃力が少し落ちるものであったり、射程は短いが攻撃力が高い3方向のショット、あるいはダッシュ中は無敵になるものや、ジャンプすれば自動的にパリィしてくれるようになるものなどがある。なお、購入したアイテムは装備画面で装備して初めて使用可能になる。通常ショット用のアイテムは2種類装備でき、ゲーム中にそれぞれを切り替えられるので、ステージやその中の場面に合わせて装備を入れ替えるといいだろう。

ブタの主人が営むショップ。5つアイテムが並んでいるが、購入すると別のアイテムが入荷する
本作はもともとはボスバトルだけのゲームだったが、ファンからの要望を受けてアクションステージを追加。それでもボスステージは全体の75パーセントを占める

ボスステージでは横スクロールせず、巨大なボスとの正面対決となる。本作ではさまざまなボスが登場するが、いずれも固有の攻撃パターンを複数持っており、ダメージを与え続けると順に切り替わっていく。中には別のキャラクターと交代したり、形態が変化するものもいる。体力ゲージなどがないため、どのくらいダメージを与えているのか分かりにくいが、激しい攻撃をくぐり抜けながら隙を見つけて攻撃を当てていく。このボスたちがDevilから逃げている債務者で、倒すと魂を回収したという認定書がDevilからもらえる。そして、Inkwell Isleのマップに新たな道が拓けてアクセスできるエリアが広がっていくという流れだ。

ステージの中には飛行機に乗って戦うものもあり、ショットとスペシャルアタックで攻撃するという基本は変わらないが、そのゲームプレイはフライトシューティングゲームさながらだ。飛行機では一時的に小さくなる特殊能力が使用可能で、スピードも上がり敵の攻撃を避けやすくなるが、自らの攻撃力は落ちる。なお、ボスステージに関しては難易度選択が可能で、通常どおりプレイするREGULARと、ボスの最終形態までプレイする必要のないSIMPLEの2種類がある。どちらをクリアしてもマップがアンロックされ先に進むことができるが、SIMPLEでは上述したDevilからの認定書はもらえない。

ステージをクリアすると、クリアタイムや残り体力、パリィした回数、集めたコインの数、そしてスキルレベルが集計され、そのステージのクリアランクが決定する。ちなみにパリィは、敵の弾などでピンク色に光っているものがあり、これに向かってジャンプして当たると同時にさらにジャンプボタンを押すことで発動する。成功するとスペシャルアタックのゲージが1つ溜まるほか、2段ジャンプのような形になるので、通常のジャンプでは届かないコインを回収する際にも有効だ。

赤パンツのCupheadと、青パンツのMugman

本作はローカル協力プレイに対応しており、その場合はプレイヤー2はMugmanでプレイすることになる。能力はCupheadと同じだ。協力プレイでは死んでしまうと幽霊になり、消えていってしまう前にもう一方のプレイヤーがその幽霊にパリィをおこなうと復活することができる。なお、現在はオフラインのみだが、オンライン協力プレイへの対応も検討しているとのこと。

本作は『ロックマン』や『魂斗羅』『サンダーフォース』などの日本のゲームから影響を受けているそうで、アクションステージにしろボスステージにしろ、そういった時代のゲームを彷彿させる難易度の高さは前評判どおりといったところだ。ただし理不尽さはなく、ステージ構成や攻撃パターンを学ぶことでクリアできそうだと思わせてくれるバランスに仕上がっている。ゲームオーバーもないため、何度でもリトライできる。

また、最後になってしまったが、本作の最大の特徴である1930年代のカートゥーンアニメを再現したようなレトログラフィックも見所だ(ゆっくり眺めていられる余裕はないかもしれないが)。当時の制作方法にならい鉛筆とインク、水彩絵の具を用いて、すべてのキャラクターのアニメーションをひとコマひとコマすべて手描きで描いたため相当な作業量になったそうだが、そのかいあってほかのゲームではなかなか見られない映像表現となっている。何度も延期を重ねてファンをやきもきさせたが、Studio MDHRとしての処女作は、高い期待に応えるクオリティに仕上がっているといえそうだ。なお、本作は英語のみの対応となっているが、のちのアップデートで日本語を含むローカライズがおこなわれる予定である。

本作のサウンドトラックは、ビッグバンドスタイルのジャズ演奏によるもの。Steamで販売されているほか、ゲームグッズショップiam8bit Japanではサウンドトラックレコードが予約受け付け中となっている
Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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