アメリカ連邦航空局、なんと「ゲーマー特化」の航空管制官の求人を発表。若者ゲーマーは“優秀な管制官向き”のスキルを備えているとして
4月10日、アメリカの航空管制官の求人が発表されたが、どうやらゲーマーに向けたアプローチを取っているようだ。

アメリカ運輸省の運輸長官ショーン・ダフィー氏は4月10日、航空管制官の採用募集を告知した。募集にあたってはXbox Oneのロゴが表示された動画が公開され、注目を集めている。求人に際してゲーマー向けにアプローチが進められているようだ。
航空管制官は、航空機を操縦するパイロットと通信しつつ、離着陸の許可や離陸した航空機を誘導したりする仕事だ。そのほか飛行場面の走行経路の指示、航空路の管制業務などもおこなう。
そんな航空管制官について、アメリカ運輸省にて運輸長官を務めるショーン・ダフィー氏が4月10日、Xに向け投稿。連邦航空局による航空管制官の募集を現地時間4月17日午前0時より開始すると告知している。投稿には1分ほどの動画が添付されており、なんと動画の初めにはXbox Oneのロゴも記載されている。『フォートナイト』などのゲームプレイ映像などが流れ、ゲームをプレイするユーザー向けに、新たな「キャリア」として航空管制官の道を薦めているかたちだ。なお募集要項としては、アメリカ国民であること、英語が流暢に話せることに加え、31歳以下に絞って募集をおこなっている。
ダフィー氏がThe New York Timesに語ったところによると、次世代の航空管制官を募集するにあたって、変化に適応していく必要があると考えているという。航空管制官には、マルチタスクや空間認識能力、戦略的な問題解決力など、高い認知能力が求められる。そして退職する航空管制官におこなった面接では、ゲームはこれらの能力に影響を与えるというフィードバックが得られたそうだ。SNS上でゲーマー向けに発信することで、こうした管制官向きのスキルを備えた若年層へのアプローチを実現しようとする狙いのようだ。
ゲーマー向けに人材を募る施策は連邦航空局が初めてではなく、過去にはデンマーク国防軍がゲーマーをパイロットや航空管制官、レーダーオペレーターとして雇用する取り組みをおこなっていた(関連記事)。デンマーク国防軍も、ゲーマーの戦略思考力や空間把握力、重圧下の冷静さや、素早い反射神経などが軍隊で活かせる能力だとして評価しているとコメント。アメリカ連邦航空局によるゲーマー向けの求人も、そんな各種スキルを備えた人材を獲得する狙いがあるのだろう。

ちなみにアメリカの航空管制官は現在深刻な人員不足に悩まされており、米国会計検査院(GAO)の報告によれば、ここ10年で人員は6%減少。2025年9月末時点で合計1万3164人の管制官がいるとされており、約3500人の不足となっているとのこと(Reuters)。さらに近年では人員の少なさに起因したとされるトラブルも複数発生しており、今年3月にはラガーディア空港にて航空機と消防車両の衝突事故で二名が死亡した(Reuters)。
連邦航空局は人員不足を解消すべく採用を進めているものの、厳しい選考課程および研修を経ることで、募集に対し実際の採用率は2%に留まっているという。一方で連邦航空局は定年退職年齢の56歳未満ながら退職資格を持つ管制官に対し、基本給の20%の一時金を毎年支給。さらに訓練アカデミーに入学する候補者の初任給の30%引き上げや、採用プロセスの4か月超にわたる短縮など、“人材流出”を防ぐ取り組みをおこなっている。今回の求人PRは航空管制官を募集する間口を広げることで、特に若年層の応募増加を期待しているのだろう。ゲーマーにターゲットを絞るという一風変わった施策の裏には、アメリカの管制官に関する差し迫った事情も垣間見える。
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