Epic Gamesのレイオフで、Unreal Engine 5の「カメラ制御機能」を“たった一人で”手がけていた人物も解雇。重要人材までがっつり離職か

Epic Gamesが先日実施したレイオフにおいて、Unreal Engineの「ゲームプレイ カメラ システム」を手がけていたエンジニアも解雇されていたことが明らかとなった。同氏は同機能を一人で手がけていたとのこと。

Epic Gamesは3月24日、同社の従業員を1000名以上レイオフ(一時解雇)すると発表した。その中には同社が手がけるUnreal Engineの機能開発に携わっていたエンジニアもいたようだ。開発者が自身のページで記事を公開し、話題となっている。

Epic Gamesが今回、1000名以上の従業員をレイオフするとした理由には、2025年から続く『フォートナイト』のエンゲージメントの低下にともなう、収益を大幅に上回る支出の発生があるとされている。Epic Gamesによれば、『フォートナイト』については世界でもっとも成功しているゲームのひとつであると述べつつも、シーズンごとに本作ならではの魅力を届けることに苦心しており、各ストアへの復帰が進む、iOS/Android版の最適化もまだ途上であるという(関連記事)。

3月30日、このレイオフの影響を受けEpic Gamesを退職することになったというエンジニアのLudovic Chabant氏が自身のブログを更新。同氏は2019年よりEpic Gamesにてシニアソフトウェアエンジニアとして在籍。Unreal Engineに携わっており、Unreal Engine 5において「ゲームプレイ カメラ システム」の開発を手がけていた。

「ゲームプレイ カメラ システム」とはUE上でのカメラの取り扱いを簡単におこなえるような仕組みだ。従来のシステムではブループリント(各ノードを線でつなぎあわせることのできるビジュアルスクリプト環境)に配置したキャラなどのノードにカメラ制御用のパラメータを設定、調整する方法となっていた。一方「ゲームプレイ カメラ システム」では専用のノードエディタが用意され、各パラメータの制御が実行可能。他ノードへの依存度が下がり、コーディングに不慣れなデザイナーなどでも利用しやすくなると謳われている機能だ。

Chabant氏によれば、同機能の開発は主にChabant氏一人で対応していたようだ。同氏がEpic Gamesを退職した後に引き継ぎがおこなわれる可能性もあるとしつつ、現時点で実際に開発が継続されるかは不透明だとの見解を述べている。加えてUnreal Engine 6については、カスタムエディタを出来るだけ用いず、すべてを独自プログラミング言語「Verse」で完結させることを優先して開発が進められていると述べている。

そのためChabant氏が推察するに、「ゲームプレイ カメラ システム」のエディターのワークフローやUI、ブループリントとの連携についてはなおざりになっているだろうとのこと。また同機能の今後を尋ねられた際には、できる限りサポートを続ける意向を示していたものの、今回のレイオフによって“早い終わり”を迎えてしまったと無念さもにじませた。

そしてChabant氏は最後に、「ゲームプレイ カメラ システム」の開発にあたってとても親切で熱心なフィードバックを貰ったとして、コミュニティに対して感謝の気持ちを表した。ちなみに同氏は(Verseに機能を頼る)UE6の技術的な方向性には強く反対していたものの、レイオフそのものには納得しているとのこと。現在は求職中で、すでにいくつかのゲームスタジオと連絡を取っているようだ。

Epic Gamesのレイオフについては関係各所で混乱や波紋を呼んでいるようで、今回Unreal Engineの機能開発に携わるメンバーの削減も伝えられたかたち。なおレイオフの影響は部門を問わず及んでおり、中国ではマーケティング職のレイオフも実施。コミュニティ内で高い支持を集める運営チームスタッフのEbao氏もレイオフの対象となり、中国ユーザーからは悲しみの声も寄せられている(Weibo)。規模の大きさだけでなく、さまざまな部門の中核をなしていたスタッフの退職も報じられ、今回のレイオフを巡る混乱はしばらく続きそうだ。

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Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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