高難度3D弾幕ローグライトシューター『SAROS』先行プレイ感想。「回避」も「位置取り」も「強化」も全部重要、難しさはそのままに間口広げた『Returnal』開発新作
『Returnal』の流れを汲むゲームとして注目を集めている新作ゲーム『SAROS』。試遊体験会にて筆者が注目したポイントをお伝えする。

高い評価を集めた3D弾幕シューティングアクション『Returnal』の流れを汲むゲームとして、注目を集めている新作ゲーム『SAROS』。数々の賞を受賞した作品の遺伝子が、どのように受け継がれ、どのように進化したのか。このたび作品の一部をプレイする試遊体験会が実施される運びとなった。本稿では作品の第1ステージから第2ステージまでプレイして、筆者が注目したポイントについてお伝えする。なお、筆者は『Returnal』をプレイ済みである。
『SAROS』は、『ALIENATION』や『Returnal』を手がけたHousemarqueによる、3D弾幕シューティングアクションゲームだ。対応プラットフォームはPlayStation 5。発売日は4月30日となっている。
本作の舞台となるのは、日蝕現象と地形の変貌を特徴とした異星「カルコサ」。主人公であるアルジュン・デヴラジは、星の奥に秘められた真実を追い求め、怪物たちとの戦いを制してゆく。
難易度の調整機能で、より遊びやすく

前作『Returnal』の流れを汲む『SAROS』。物語に関する直接的な繋がりはないものの、基本的なシステムについては前作から大きく変わっていない。ランダムで入手可能な装備品を組み合わせ、3Dの弾幕シューティングアクションを制していく、ローグライトな方式。周回を重ねるたびに進行していく物語。それでいて、より遊びやすく、よりアグレッシブに。作品がもつ魅力を幅広いターゲットに向けて届けるべく、さまざまな調整がなされている印象である。
まず目を引くのが、いわゆるスキルツリーシステムである「アーマーマトリクス」だ。プレイ中に獲得したリソースを拠点で消費することにより、恒久的にステータスを向上させることができる。『Returnal』は引き継ぎ要素に乏しく、自分のプレイスキルでなんとか攻略をしていく必要があった。このスキルツリーの存在によって、恒久的にアーマーの最大耐久度をアップグレードしたり、いったん倒されても1度だけ復活できるようになることで、ゲームクリアに近づきやすくなっている。

また、リトライもしやすくなっている。『Returnal』はストーリーを進めるにあたって、複数のステージを連続でクリアする必要があった。クリアできなければ最初からやり直しである。時間が溶けてなくなった……と嘆いた場面は数知れず。本作では「どのステージからスタートするか」を選べるようになっている。もちろん最初のステージから連続でプレイしたほうが、後述するシステムの都合上、キャラクタービルド自体は強くなる。しかし、ゲームオーバーの可能性も上がってしまう。手軽さを重視するか、クリア成功率の向上に賭けるか、個々人のプレイスタイルに応じて調整が効くようになった。
このほかにも、本作には難易度そのものを調整する機能「カルコサ・モディファイア」が搭載されている。これは受けるダメージを下げる代わりに、武器の性能が時間経過で落ちるようになったり、敵が攻撃的になる代わりに武器の性能が上がったりといった形で、自分好みの内容にゲーム体験を変更できる機能のようだ。
とはいえ、最終的に攻略でものをいうのは自身のプレイスキルである。実際のところ、筆者は上記のスキルツリーをほぼアンロックせずに、早々と1面をクリアした。『Returnal』のプレイ経験が活きた形だ。同時に、新システムである「バリア」を通じた新しいアクションを使いこなせたからでもある。
バリアを通じてよりアグレッシブになった弾幕シューティング

本作の戦闘アクションは、道中で獲得した武器による射撃と近接攻撃を基本とし、敵が放つ弾幕攻撃を無敵判定のあるダッシュで回避しつつ、テキパキと倒していくことが求められる、非常にスピーディかつスタイリッシュな内容にまとまっている。『Returnal』から引き続き、ノーダメージを維持して攻撃し続けると自身の火力が上がっていく「アドレナリン」のシステムや、敵を倒すことで、手に入る武器の能力値が上がっていく「熟練度」が存在しており、ゲームが上手くなるほど敵が倒しやすくなるという形で、自身のプレイスキル上昇を感じやすいのが特徴だ(ゆえに、途中から攻略せず、最初から続けてプレイした方が、ビルドの強化度合いは大きくなる)。
それでいて、敵は基本的に「面」を活かした弾幕攻撃をしかけてくるため、処理にもたついていると圧殺されてしまう。『Returnal』の時点であれば、遮蔽物に隠れつつ狙撃を行ったり、とにかく射程外に逃げながら撃つという戦法を取らざるを得なかった。だが、本作は違う。バリアで敵の弾幕の一部を吸収し、リソースに変換。一定値を消費して大技「パワーウェポン」をぶっ放すことができる。この大技についても種類とステータスが用意されており、ドロップ品を拾って付け替えることができる。試遊では一撃の大きい弾をぶつけるものと、ガトリングのように小さな追尾弾を細かく放つものがあった。今回は使用できなかったが、弾幕を跳ね返すパリィアクションも用意されているようだ。筆者の印象としてはこのバリアを中心に戦闘体験を組み上げている感覚があり、効率的に運用して敵を素早く処理する必要性を強く感じた。

近年では『DOOM: The Dark Ages』など、敵の挙動込みでリソース管理を行う面白さを持った作品や、シューティングゲームでありながら敵の射程内に踏み込み、空間を広く使ったハイスピードアクションを実現する作品の存在自体は珍しくない。その上で『SAROS』の興味深い点は、武器がランダムドロップ=有効射程がその時々で違うにも関わらず、バリアの効率的な運用を強く求められることだ。
つまり、武器にとって丁度良い射程と、敵の攻撃を受けるに丁度いい距離を往復し続ける必要がある。たとえば、ショットガンを撃つには接近したほうがいいが、バリアで攻撃を吸収するにはある程度の距離を保ったほうが良い。ゲームをプレイしていると、武器で攻撃するよりバリアを優先したほうがいい場面も存在するため、とにかくプレイヤーは空間を動き回りながら攻撃し続けることになる。武器がランダムドロップの都合上、動き方もその都度異なってくる。止まったらゲームオーバー、と言ってしまうほどの勢いだ。
さらに言えば、すべての弾幕をバリアで吸収できるわけではない。今回の試遊で吸収できたのは「青色」の弾であり、赤色は吸収できず、黄色は吸収するとシールドの最大値が減ってしまう(大技の発動でもとに戻る)。さまざまな色が入り混じった弾幕の中にある「青色」めがけて突っ込む必要があるわけだ。敵ごとに異なる攻撃の予兆も含め、作品に関する知識と、戦略性が攻略の肝となるローグライトジャンルにぴったりの仕様と言える。

こうしたプレイスキル偏重の戦闘において、ピリッとくるスパイスになっているのが「日蝕」の要素だ。今回の試遊ではステージ中にある気持ち悪い装置によってステージの状態を通常から「日蝕」状態に切り替えることができた。半ば強制的に切り替えなければならなかったこともある。「日蝕状態になると、背景がおぞましいものに変貌。敵が強化され、ステージギミックが凶悪化する代わりに、入手できる装備性能が豪華になったり、日蝕状態でしか通過できない道がアンロックされる。上記にあるアドレナリンや熟練度要素と合わせて、可能な限り状態を維持して大きなリターンを得たくなる、プレイスキル上達の目安として活用できるだろう。状態の変化に伴う、劇的なアートスタイルの変貌にも注目したい。
総じて、現時点における筆者のインプレッションとしては、『Returnal』に続き新作にふさわしい内容に仕上がっているという印象だ。難易度やプレイ時間を自分好みに調整することで、プレイヤー毎に異なるライフスタイルに合わせた体験の提供を試みつつ、バリア機能を軸として、引き撃ち重視の前作からよりアグレッシブに、戦略的に弾幕シューティングを楽しめるようになっている。とはいえ、試遊した限りでは本作もう1つの醍醐味であるストーリーの内容に関してはあまりつかめなかった。(今回はキャラクターがたくさん登場する、くらいだ)。なぜ主人公たちはピンチに陥っているのか。カルコサに秘められた謎とは。ストーリー含めて、製品版の内容を楽しみにしたい。
『SAROS』はPlayStation 5向けに、4月30日発売予定だ。
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