元『オーバーウォッチ』ディレクター、新作をなぜか即批判され「遊んでもないゲームに文句言うな」と怒る。“興味もないのにキレがち”な風潮に苦言
『オーバーウォッチ』の生みの親Jeff Kaplan氏がおこなった発言が注目を集めている。

『オーバーウォッチ』の生みの親であり、独立して新たなゲーム『The Legend of California』を開発中のJeff Kaplan氏がおこなった発言が注目を集めている。『The Legend of California』には、なぜか“作品に興味のないユーザー”が一部SNSコミュニティにて怒りの声を寄せているそうで、そうしたコミュニティのあり方を痛烈に批判している。海外メディアEurogamerなどが報じている。
Jeff Kaplan氏はかつてBlizzard Entertainmentに在籍していたベテラン開発者だ。『World of Warcraft』シリーズの開発に携わったのち、コードネーム「Titan」に参加。同プロジェクトは中止となったものの、同氏は「Titan」の要素を活かしながらチームベースFPSを考案し、これが『オーバーウォッチ』の原型となった。その後同氏は『オーバーウォッチ』シリーズにディレクターとして携わり、Blizzard Entertainmentのバイスプレジデントにも就任。2021年に同社を退職後、インディースタジオKintsugiyamaを立ち上げている。
先日3月12日には、Kintsugiyamaの初開発作品『The Legend of California』が発表。最大4人でのオンラインマルチプレイに対応する、オープンワールド西部劇サバイバルクラフトゲームになるという(関連記事)。今回は開発中の同作をKaplan氏が自ら実況プレイするストリーミング配信が約10時間にわたっておこなわれた。
このなかでKaplan氏がおこなった発言が注目を集めている。同氏によると、『The Legend of California』には『オーバーウォッチ』のファンコミュニティから“奇妙な怒り”も寄せられているという。というのも本作には同作のコミュニティから期待の声もある一方で、「そんなゲームはやりたくない」と怒るユーザーもいるそうだ。Kaplan氏としては興味のないユーザーにプレイを強制しているわけではないにもかかわらず、そうした反応が寄せられる点に苦言を呈している。
Kaplan氏は続けて、実際に遊んでいるゲームに腹を立てるならある程度理解はできるとも説明。開発チームに敵意を抱いたり礼を欠いたりするのは理解できないとしつつも、たとえばお気に入りのキャラが弱体化された場合であれば、腹を立てたり意見を述べたりする気持ちも分かるという。
とはいえ、先述したような遊びたくないゲームや一度も遊んだことのないゲームに対しても理不尽な怒りを示す反応については「オタクの赤ん坊じみた逆上(nerd baby rage)」だとして批判。「もし遊んだこともないし遊びたくもないゲームなら、黙ってろ(if a game comes out and you don’t want to play it, and you’ve never played it, shut the fuck up)」と語気を荒げている。開発者に対して、“自分が興味のないゲームを作っていることへの怒り”をぶつけるユーザーが一部いることに強いストレスを感じているようだ。

なおKaplan氏はこうした考えを述べた背景として、本作に限らず特定のフォーラムやRedditでは、理不尽なユーザーの怒りが“もてはやされる”傾向にあると問題視。怒り狂うほどに反応が集まる、いわゆるエコーチェンバー化したSNSコミュニティのあり方に警鐘を鳴らした格好だ。そうした状況についてKaplan氏は、開発者からは建設的な意見交換の場ではないとみなされ、無視されていくことになると示唆している。
昨今ではSNSコミュニティを中心に、過剰な批判や誹謗中傷が過熱する例はしばしば見られ、国内ゲーム業界ではカスタマーハラスメントに毅然とした対応をおこなう方針を各社が掲げている。直近ではスクウェア・エニックスが、いわゆるまとめサイトである「ネトゲ速報(旧:FF14速報)」において『ファイナルファンタジーXIV』スタッフの社会的評価を低下させる内容を含む記事が掲載されていたとし、管理者を特定。協議の結果、管理者によりサイトの閉鎖、謝罪文の掲載および解決金の支払いがおこなわれることになり和解に至ったことが話題となった(関連記事)。
海外においてもゲーマーコミュニティでカスタマーハラスメントにあたるような誹謗中傷が発生して問題視されることはあるが、今回の『The Legend of California』では発売前から不満が寄せられている様子だ。Kaplan氏はそうしたユーザーをかなり厳しい言葉で非難しており、同氏は配信内での一連の発言について、「今言ったことは全部が問題になるだろう」ともこぼしている。とはいえ、すでに独立していることもあってかキャリア的にももう気にしていないとのこと。『オーバーウォッチ』の生みの親ともいえる同氏が、昨今の一部SNSコミュニティのあり方に率直な批判を述べたことでも注目を集めているようだ。
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