レーティング機関PEGIが“運営型ゲーム”系のルール強化へ。「ガチャありゲームは16歳以上」「デイリークエストは7歳以上」など細かく定める
新たな基準では、いわゆる「ガチャ」や「ルートボックス」を含むゲームは推奨年齢16歳以上のPEGI 16となるなど、4つの新たな審査基準が盛り込まれる。

ヨーロッパのコンピューターゲームレーティング機関であるPEGI(Pan European Game Information/汎欧州ゲーム情報)は現地時間3月12日、2026年6月以降に提出されるゲームに新たな審査基準を設けると発表した。新たな基準では、いわゆる「ガチャ」や「ルートボックス」を含むゲームは推奨年齢16歳以上のPEGI 16となるなど、4つの新たな審査基準が盛り込まれる。
PEGIの発表によると、まずコンテンツの購入に時間制限や数量制限が設けられているものについてはPEGI 12(12歳以上推奨)となる。加えて、ゲームにNFTやブロックチェーン関連のメカニズムがある場合はPEGI 18(18歳以上推奨)が付与される。また、いわゆる「ガチャ」や「ルートボックス」といった要素にまつわる基準として、これらが含まれたゲームは基本的にPEGI 16が設定される。ただし、PEGI 18まで引き上げられるケースもあるとしている。
また、ゲームに戻ってくることで報酬が得られるシステム(デイリークエストなど)が含まれるものはPEGI 7(7歳以上推奨)となる。これに加え、ゲームに戻らないことに罰則がある(コンテンツが失われる、進行度が戻るなど)ゲームの場合、PEGI 12まで引き上げられる。さらに、ゲームに通信機能があり、ブロックや報告といったシステムによる制限が搭載されていない場合、そのゲームにはPEGI 18が付与される。それぞれ運営型ゲームや、オンライン要素のあるゲームに向けた対応の強化といえるだろう。

なお新基準で示されたこれらの機能がゲームに含まれる場合、パブリッシャーは審査の際にこれらに関する追加情報を提出することを求められる。新たな基準でレーティング分類されたゲームがリリースされるのは、今年の夏後半からとなる見込みだ。
現状のPEGIの基準でも、ゲーム内アイテムの有償購入等が含まれるゲームについて、レーティングとは別にアイコンによる表示がおこなわれる場合がある。さらに、ルートボックスのように購入するものがランダムアイテムの場合、こちらも購入するものにランダムアイテムが含まれることを表示するように求められるケースがある。しかし、今回の新基準からはこれらの要素がある場合、アイコンや説明による表示だけでなく、レーティング自体も引き上げられるようになったかたちだ。
また、今回の基準作成は、PEGIのレーティング対象外の国であり、独自のレーティング機関を持つドイツのUSK(Unterhaltungssoftware Selbstkontrolle)と連携しておこなったもの。USKはすでに、ドイツの青少年保護法の改正に伴って、2023年に今回のPEGIと同様の基準変更を実施している。PEGIの発表によると、USKでは基準変更以降、提出されたゲームの30%に新しい基準が少なくとも一つ適用され、そのうちのおよそ3分の1でレーティングの引き上げがおこなわれたという。同様の基準変更がおこなわれるPEGIでも、新基準適用後は多くのゲームにより制限年齢の高いレーティングが課せられることが予想される。

なお、ゲーム業界におけるガチャに関しては最近の動向として、Valveを相手取る訴訟がアメリカのニューヨークで2月(関連記事)、ワシントンで3月(関連記事)に提起。それぞれ同社のゲームにおけるルートボックスが違法賭博行為に当たるとの主張がおこなわれていた。またいずれの事例でも、ルートボックスが青少年に悪影響を与えうるギャンブル行為であると主張されている。
今回のPEGIのレーティング基準変更は、先にUSKで実施されていた審査基準の導入であり、前述した最近の訴訟などの動きを受けて急遽決められた変更というわけではなさそうだ。しかし、青少年を課金やルートボックスなどの特定のシステムから保護するために、欧米を中心に規制が強まっている傾向も垣間見える。今後PEGIにとどまらず、他の地域のレーティング機関等にこうした動きが波及するのか、またゲームのパブリッシャー側も今回の基準変更を受けてどのように対応してゆくのかを注視したい。
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