批判殺到した大作『MindsEye』開発元、再びのレイオフ実施。「リリース初動で“スパイ活動”の影響受けた」として訴追も準備中か

『MindsEye』を手がけるBuild A Rocket Boyは3月5日、スタッフのレイオフを発表した。発表の中では、本作を妨害した「スパイ」への訴追も準備中だとした。

アクションアドベンチャーゲーム『MindsEye』を手がけるBuild A Rocket Boyは3月5日、スタッフのレイオフを発表。レイオフ対象となる具体的な人数などは発表されなかったものの、改めて“スパイ活動”による妨害行為が本作に影響を与えたとの姿勢を明らかにした。

Build A Rocket Boyは、Leslie Benzies氏によって創設されたゲームスタジオだ。同氏はかつてRockstar Northに在籍し、『グランド・セフト・オートIII』以降の同シリーズ作品などで、プロデューサーなどを担当した人物。同氏はRockstar Northを退職後、2017年にBuild A Rocket Boyを設立。多額の資金調達を経てSFアクションアドベンチャーゲーム『MindsEye』が開発され、2025年6月11日にリリースを迎えた。

また『MindsEye』は、物語主導のSFアクションアドベンチャーゲームだ。PC(Steam/Epic Gamesストア)および海外PS5/Xbox Series X|S向けに販売中。本作ではテクノロジーが支配する砂漠の大都市「レッドロック」を舞台に、謎の神経プラント「MindsEye」を移植され、記憶を失ってしまった元兵士ジェイコブの物語が繰り広げられる。本作は『GTA』シリーズ開発者が手がける“超大作”ということもあって注目を集めた。

ところがリリース後、本作はグラフィックやストーリー面では一定の評価を得つつも、最適化不足や不具合の多さが課題となったほか、オープンワールドながら脇道に逸れられないシステムなどで評価を落とした(関連記事)。その後再起を掲げ、アップデートではゲームの安定性向上や新コンテンツも追加(関連記事)。「やや不評」スタートとなっていた本作は巻き返しが図られ、本稿執筆時点のSteamユーザーレビューでは、約2400件中44%の好評率で「賛否両論」ステータスとなっている。

そうして改善もおこなわれていた『MindsEye』ながら、開発元Build A Rocket Boyでは人員削減を実施することになったようだ。同社の共同CEOを務めるMark Gerhard氏の言として、LinkedInにて声明が発表されている。Gerhard氏は、『MindsEye』のローンチ時の苦境が長期化したことを理由としつつ、継続中のプロジェクト、そして会社の長期的な未来を見据え、スタジオ規模の縮小に踏み切ったとしている。発表ではレイオフの影響を受ける具体的なスタッフの数は明かさなかったものの、レイオフ対象者には感謝を述べ、転職を支援する姿勢を示した。

なお人員削減自体は2025年10月にも実施。こちらは、イギリスの労働者組合であるIWGB Game WorkersとBuild A Rocket Boyの従業員と元従業員ら計93名の連名による、Build A Rocket Boyの経営幹部に向けた公開書簡を巡ったやり取りの中で明らかになった。従業員たちの主張によれば、彼らは誤った情報を受け取り、解雇の通知は不適切な猶予期間でおこなわれ、不当解雇されたとのことだが、Build A Rocket Boy側は慎重かつ透明性をもって進めたとしている(関連記事)。

一方声明にてGerhard氏は、数か月にわたって外部のパートナーや顧問弁護士と連携しつつ、本作ローンチ時に発生した「犯罪行為」の調査を進めてきたと公表。「組織的なスパイ活動」と「企業妨害行為」が『MindsEye』に影響を与えたとする確かな証拠が明らかになったと伝えている。なおGerhard氏によれば、この件は訴訟に向けて進展しているといい、現時点での詳細は公表できないとのこと。

Gerhard氏が今回述べた「犯罪行為」については、本作ローンチ直後から同氏、およびBenzies氏が繰り返し主張してきた内容でもある(関連記事)。というのも、リリース前後に否定的なプレビューが寄せられていた点について、Gerhard氏は「botや金銭を受け取った人々によるスパム的な取り組みである」と主張(IGN)。Benzies氏もスタジオと『MindsEye』の苦境はBuild A Rocket Boy内外に存在する「工作員」によるものだと訴えていたことを、匿名の関係者証言として報じられていた(IGN)。今回の声明でもそうした「妨害」による影響を受けたというスタンスは崩しておらず、今後法廷に場を移すこともほのめかされたかたちだ。

いずれにせよ、『MindsEye』およびBuild A Rocket Boyの歩んできた道には紆余曲折があり、巻き返しも図られていたものの、再びのレイオフとなったかたちだ。他方ではGerhard氏の主張する「妨害工作」についての調べも進んでいるようで、スタジオの今後や訴追の有無など、多方面で動向が注目される。

この記事にはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

記事本文: 1815