中国発の新作RPG、「『Clair Obscur: Expedition 33』にそっくり」との意見から論争巻き起こる。お洒落UIパリィ戦闘は“Expedition 33 ライク”か否か

Cube Gameは12月29日、『仙剣奇侠伝四』の最新トレイラーを公開した。戦闘シーンからは『Clair Obscur: Expedition 33』の強い影響が見られるとの意見も寄せられ、話題になっている。

パブリッシャーのCube Gameは12月29日、『仙剣奇侠伝四(Sword and Fairy 4 Remake』の最新トレイラーを公開した。公開された戦闘シーンからは『Clair Obscur: Expedition 33』の強い影響が見られるとする声があがり、英語圏を中心に話題になっている。

『仙剣奇侠伝』は中国語圏を中心に展開されている、中華ファンタジーの世界を舞台とするRPGのシリーズだ。シリーズ第一作は1995年に発売し、その後も継続的に関連作がリリース。現時点での最新作にあたる『仙剣奇侠伝七』は2021年に発売され、『仙剣奇侠伝―守り合い―』という邦題でSteamでも販売されている。

今回話題となっている『仙剣奇侠伝四』は、2007年にリリースされた同名ゲームのリメイク作品だ。対応プラットフォームはPCおよびコンソールで、発売日は未定。主人公の雲天河は不老不死の秘密を求めて、仲間とともに冒険をおこなう。原作は発売当時、中国でゲームアワードを獲得するなど高い評価を得た作品だ。リメイク版である本作はゲームエンジンとしてUnreal Engine 5を使用し、高い人気を有していた原作を現代的に蘇らせているという。

そうして12月29日、本作のゲームプレイ映像を含む最新トレイラーが公開された。オーソドックスなターン制バトルであった原作から戦闘システムがかなり変貌しており、『Clair Obscur: Expedition 33』(以下、E33)の強い影響がうかがえるといった注目が寄せられている。『E33』といえば、The Game Awards 2025にてGame of the Yearを受賞するなど、今年を代表するタイトルだ。あるXユーザーは『仙剣奇侠伝四』のトレイラーを切り抜いて「初のE33ライク作品が発表された」と紹介。同ポストはバイラル化を見せ、本稿執筆時点で200万件以上のインプレッションを記録するなど話題を呼んでいる。

ポストに寄せられた反応では、『仙剣奇侠伝四』のUIやカメラワークが『E33』によく似ているとする声が多く見られる。両作のスクリーンショットを並べて配置し、類似性を指摘するポストも存在。また映像では、ターン制を基本としつつ回避や連続パリィなどのアクション性があるバトルになっていることがうかがえ、システム面でも『E33』を参考にしているのではないかとする声も挙がっている。

一方で、たとえば『ペルソナ5』の戦闘画面も両作に似たUIであり、『仙剣奇侠伝四』が『E33』を参考にしているとは限らないといった意見も。またターン制バトルにアクション性を組み込んだのも『E33』が初めてではなく、「E33ライク」という表現は奇妙であるとする声も見られる。『E33』の開発者も過去に『ペルソナ5』からの影響について公言しており、『E33』自体がさまざまな人気作品の要素を踏襲して形作られたといえる。

そうした背景もあるからか、『ペルソナ5』のようなアートスタイルのほか、パリィシステムのあるターン制バトルなどを採用するゲームは『E33』のほかにも存在。過去には『E33』よりも前に発表されていたゲーム『The Time I Have Left』の開発者が、一部ユーザーから“盗作扱い”を受けていることへの悲痛な思いを吐露していた(関連記事)。

今回の『仙剣奇侠伝四』については先述したとおり高い評価を受けた同名作品のリメイク版であり、正式発表されたのは2022年のこと。戦闘システムが垣間見える映像が披露されたのは今回が初めてながら、2024年12月に公開されたティザートレイラーにおいてはシネマティック映像ではあるものの敵の攻撃を弾くようなアクションも確認できる。少なくともアクション性のある戦闘自体は『E33』が大ヒットする以前から検討されていたのかもしれない。またあくまでトレイラーが公開された段階であり、実際のゲームシステムがどのようになるか不明な点にも留意したい。今回の『仙剣奇侠伝四』のトレイラーにおける『E33』との類似性についても、問題視するか否かはユーザーによって異なるようで、議論が白熱しているわけだ。

いずれにせよ、『E33』は今年一世を風靡したタイトルといえる。今回の反応を見るに、『ペルソナ5』風のUIやアクション性のあるターン制コマンドバトルといった要素の組み合わせを代表する作品になったといえそうだ。今回の『仙剣奇侠伝四』においてさっそく参考にされたかどうかは定かではないものの、今後『E33』のフォロワー作品と公言するゲームが現れるかどうかは注目されるところだろう。

『仙剣奇侠伝四』はPCおよびコンソール向けに配信予定だ。

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Akihiro Sakurai
Akihiro Sakurai

気になったゲームは色々遊びますが、放っておくと延々とストラテジーゲームをやっています。でも一番好きなのはテンポの速い3Dアクションです

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