開発中止から復活したサンドボックスRPG『Hytale』公式、「早期アクセス配信はSteamではやらない」と明言。“不評殺到”を見越した決断
『Hypixel』の早期アクセス配信では、Steamでリリースされないという。

Hypixel Studiosは12月4日、公式サイトにて『Hytale』についてのよくある質問を公開。2026年1月13日に予定されている早期アクセス配信では、Steamでリリースされないことなどが明かされている。
『Hytale』は、『マインクラフト』の人気サーバーHypixelの運営チームにより開発されているサンドボックスRPGゲームだ。自動生成された広大なファンタジー世界での生活や冒険を楽しめるという。カスタマイズ可能なツールを用いた本格的なクリエイティブモードも実装予定とされている。
2015年にプロジェクトが始動したのち、2020年4月からは開発元のHypixel StudiosがRiot Games傘下となり開発が進められていたものの、当初2021年に予定されていたリリースは延期。今年6月には突如本作の開発中止が発表されたものの、Hypixel社の共同創設者で、元CEOであったSimon Collins-Laflamme氏がスタジオに戻り、Riot Gamesから権利を買い取るかたちで開発再開を表明。そして先日、本作が2026年1月13日に早期アクセス配信されることが発表された(関連記事)。

Hypixel Studiosは12月4日、そんな本作についてのよくある質問を公開。ユーザーから寄せられたさまざまな質問とその回答を紹介している。その中でも特にコミュニティで注目を集めているのは、『Hytale』がSteamでリリースされるのかという質問だ。同スタジオはこれに対して、「No, not initially.(いいえ、最初はされません)」と答えている。Steamでの配信をおこなう可能性はありつつ、製品版まではその他のプラットフォームを通じて提供するつもりのようだ。
この理由について、同スタジオの取り組みについて十分に知らないプレイヤーからの否定的なレビューに過度に振り回されるよりは、コミュニティと協力してゲームを改善することに早期アクセスの期間中の時間を割きたいとの見解が示されている。早期アクセス時点での出来栄えでは、Steamにおけるユーザーレビューの落ち込みが開発側としてもあらかじめ予想されるのだろう。

というのも、本作は2018年に公開されたアナウンストレイラー以来、長期間にわたって大きな進捗が伝えられてこなかった作品だ。IPの買い戻しが発表されてからはゲームプレイ映像などが公開され、開発が急ピッチで進められている様子も見受けられる。
そして早期アクセス配信日の発表に際しては、クロスプラットフォーム対応のためにこれまで開発が進められていた新たなゲームエンジンの使用をやめ、従来のレガシーエンジンへと戻して開発が進行中であることも伝えられていた。開発が難航するなかで、なるべく早くリリースに漕ぎつけるための道筋を立ててきたという経緯があるわけだ。そのため、そうした背景を十分に理解していないプレイヤーから無暗に批判を浴びることを避けたいという狙いがあるのだろう。
なお、Steamでのリリースが現時点ではおこなれないことについて、「ゲームに何か問題でもあるのか」と懐疑的なXユーザーに向けては、CEOのSimon氏が自身のXアカウントで「すべてが問題だ」と返信。かねてより説明されていたとおり(関連記事)、あくまで未完成な状態であることがSteamでは配信しない背景にあるようだ。
近年では早期アクセス配信といえども、Steamユーザーからは一定の品質を求められている傾向も見受けられる。たとえば人気工場自動化シム『shapez 2』の開発者はそうした懸念から、まずは小規模なファンコミュニティでのテストプレイを経て早期アクセス配信を開始し、このことを成功要因のひとつだと考えているという(関連記事)。またいちど不評が集まると、たとえアップデートで改善されても当初の不評レビューが残り続ける事例もみられ、ユーザーレビューの評価ステータスを挽回することには困難も伴うだろう。そうした状況も、今回『Hytale』がSteamでいきなり早期アクセス配信することを避けた一因として考えられそうだ。
またよくある質問の中ではほかにも、早期アクセス版ではコンソール版やスマートフォン版が提供されないことや、開発支援のための特別なコスメティック要素についてが明かされている。「1st FAQ(1つめのよくある質問)」と銘打っていることから、今後もコミュニティの疑問に定期的に答えていく計画があるのだろう。配信日に向けての動向にも注目したい。
『Hytale』はPC向けに2026年1月13日早期アクセス配信予定だ。
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