『Hi-Fi RUSH』PC版、ついに「Denuvo」解除。ゲーマーからは不評なコピーガード技術、“権利元交代”を経てようやく

KRAFTONは12月4日、リズムアクションゲーム『Hi-Fi RUSH』向けに最新パッチを配信した。

KRAFTONは12月4日、リズムアクションゲーム『Hi-Fi RUSH』向けに最新パッチを配信した。先日発表されたサービス運営主体の変更に伴う事務的な対応が中心となるが、PC版に関しては「Denuvo Anti-Tamper」の適用解除も実施されている。

本作は、Tango Gameworksが手がけた人気リズムアクションゲームだ。ロックスター志望の主人公チャイが、ロボットアームの提供を受けた企業から欠陥品のレッテルを貼られてしまい、リコールしようと襲いくるロボットたちと戦う。本作では、あらゆる要素がBGMのビートと連動。ギター型の武器を手にテンポ良くコンボを叩き込むなど、爽快感あるゲームプレイを楽しめる。

『Hi-Fi RUSH』に関しては、開発元Tango Gameworksが2024年6月に親会社マイクロソフトによって一旦閉鎖され、その後KRAFTONに事業が継承された際に、本作の権利も移管された。そして先月11月14日になって、本作のサービス運営主体が正式にBethesda SoftworksからKRAFTONに変更されている(関連記事)。

今回配信されたパッチはこの事業継承に伴うもので、ゲーム内のパブリッシャー表記をKRAFTONに変更したり、Tango Gameworksのロゴを新たなものに差し替えたりといった内容となる。ゲーム内コンテンツの修正や削除は一切おこなわれていないとのことだ。

また、PC版向けのパッチではこれに加えて、デジタル著作権管理技術「Denuvo Anti-Tamper」の適用解除も実施されている。Denuvo Anti-Tamperは、暗号化・難読化・デバッグ防止技術を組み合わせることで、ハッカーが保護されたコードを分析・変更することを困難にする、いわゆる海賊版対策の技術である。

なお開発元であるIrdetoは否定しているものの、Denuvo Anti-Tamperについてはその実装によってゲームのパフォーマンスに悪影響が及ぶとの見方がPCゲーマーの間では根強い。大手メーカーを中心に採用が続く一方で、ゲーマー側での評判はあまり良くない状況だ。そのため、売上においてもっとも重要なローンチ時期を過ぎた後に、適用解除をおこなうタイトルが少なからず存在する。本作『Hi-Fi RUSH』においても、適用解除を求めるユーザーが存在したため、今回KRAFTONはその声に応えたのだろう。

なお、Denuvo Anti-Tamperの適用解除後も、ゲーム内では引き続き独自の改ざん防止機能が有効になっているとのこと。この調整に伴って、ゲーム内部のシステム構造に大幅な変更がおこなわれているため、最新パッチの適用が必須とされた。2026年1月16日以降は、パッチ未適用だとゲームが正常に起動しなくなるそうだ。パッチの詳細は発表ページを参照してほしい。

『Hi-Fi RUSH』は、PC(Steam/Epic Gamesストア/Microsoft Store)/PS5/Xbox Series X|S向けに配信中だ。Xbox/PC Game Pass向けにも提供されている。

ちなみに、KRAFTONは『Hi-Fi RUSH』の公式YouTubeチャンネルを開設しており、スタジオロゴを差し替えた既存トレイラーを本日12月4日にまとめて投稿している。同社は、『Hi-Fi RUSH』のIP拡大に向けた開発および新たなプロジェクトに着手すると以前発表しており、今後同チャンネルでも動きが見られるかもしれない。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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