「『クロノ・トリガー』はもっと評価されるべき」と、なぜか『アウター・ワールド2』のディレクターが熱弁。“肝心な部分”が過小評価だとして

Obsidian EntertainmentのRPG『アウター・ワールド 2』のゲームディレクターが『クロノ・トリガー』を絶賛しつつ、“過小評価”されている部分があると熱弁したことが注目を集めている。

Obsidian Entertainmentにてゲームディレクターを務めるBrandon Adler氏がポッドキャスト番組にて『クロノ・トリガー』を絶賛しつつ、“過小評価”されている部分があると熱弁したことが注目を集めている。同氏は、本作は音楽やストーリー面だけでなく、「テンポの良さ」ももっと称賛を受けるべきだと考えているという。

Adler氏はObsidian Entertainmentにて合計18年以上勤めているベテラン開発者だ。同スタジオの新作『The Outer Worlds 2』ではゲームディレクターを担当している。『The Outer Worlds 2』といえば、一人称視点のSFRPG『The Outer Worlds(アウター・ワールド)』の続編だ。舞台となるのは宗教や企業といった派閥争いに巻き込まれるコロニー「アルカディア」。出自を選びビルドを自由に構築したプレイヤーキャラにて、ブラックユーモアを交えつつ豊富な選択肢で分岐していくストーリーが持ち味となっている。

今回Adler氏は、作家・ジャーナリストのSimon Parkin氏のポッドキャスト番組「My Perfect Console」に出演。ゲーム開発者になるまでの出自を語る中で、ゲームデザイナーとして影響を受けた2作品を明かした。そのうちのひとつが『ゼルダの伝説』。そしてもう1作品が『クロノ・トリガー』だという。

『クロノ・トリガー』は、1995年に発売されたRPG。『ファイナルファンタジー』シリーズの坂口博信氏と、『ドラゴンクエスト』シリーズの堀井雄二氏および鳥山明氏らが携わる“ドリームプロジェクト”として、当時のスクウェアが開発を手がけた。本作の主人公となる少年クロノは、物質転送マシン「テレポッド」の暴走によって次元の穴に消えた少女マールを追い、400年前の世界にたどり着く。そしてクロノは、「現代」「中世」「未来」「原始」「古代」とあらゆる時代を駆け巡りながら壮大な冒険を繰り広げていく。

Adler氏は『クロノ・トリガー』について、自分がプレイした中で最高の作品のひとつ、そして最高のJRPGであり、他の追随を許さないと評価。ビジュアルや音楽といったアート面だけでも素晴らしいだけでなく、ゲームシステムについても称賛している。なかでも「連携技」については当時の同氏にとってまったく新しいシステムだと感じられたそうで、キャラがチームとして協力しあうシステムは新たなレベルのゲームデザインと没入感を体験させてくれたと振り返っている。

そんなAdler氏は『クロノ・トリガー』について「もっと評価されるべきだと思う点がある」とも発言。それは本作の進行テンポであり、同氏が知る限りレベル上げをほとんど気にせず物語だけを進められる数少ないJRPGだったと述べている。同氏はレベル上げが好きなプレイヤーもいるとしつつも、やはり作業的であり、時にはうんざりしかねない要素だと考えている様子。そのため同氏は、本作についてはレベル上げの心配がなく、ただプレイするだけで物語を体験できると述べており、その進行テンポを高く評価しているようだ。

このほかAdler氏は本作のタイムトラベル要素について、過去の行動が未来に影響を与えるシステムについても言及。同氏にとって、プレイヤーの働きかけによってゲーム内で変化が見られる「reactivity(反応性)」のメカニクスを体験した、初めての作品だったと伝えている。

『クロノ・トリガー』といえば主に音楽やストーリー面を評価する声も目立つものの、ゲームディレクターであるAdler氏はシステムやバランス面にも高い評価を寄せているかたちだ。30年前の国産ゲームの要素を、現代の海外ゲーム開発者が“もっと評価されるべき”とまでコメントしているのは興味深い。

なお最近では『ドラゴンクエストVII Reimagined』のプロデューサーの市川毅氏が、同作の開発当初に“現代のユーザーの可処分時間”についての議論があったことを示していた(関連記事)。昨今ではゲームに限らず多種多様なエンターテインメント作品が世の中にあふれており、ユーザーの可処分時間を巡ってそれぞれしのぎを削っている。「進行テンポ」は現代のゲームにおける課題のひとつになっているとみられ、『クロノ・トリガー』のテンポの良さは現役ゲーム開発者の目線でも改めて称賛を受けているのだろう。

クロノ・トリガー』は、現行機ではPC(Steam)/iOS/Android向けに配信中だ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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