『Wizardry Variants Daphne』「第4の奈落」先行プレイ感想。「Wizらしさ」が牙を剥くヒリヒリ高難度ダンジョン、吹雪と凍結が“挑戦”を呼び込む

今回は、そんな近日公開予定の第4の奈落を先行プレイすることができたので、その注目ポイントをいくつか紹介したい。結論からいうと、第4の奈落はかなりギミックが凝っていて、攻略のコツをつかむまでは、なかなか難しいダンジョンである。

サービス開始から約1年を迎えた、運営型ダンジョンRPG『Wizardry Variants Daphne』(以下、『ウィズダフネ』)。iOS/AndroidだけでなくSteamでもリリースされており、日々奈落の探索を進めている冒険者も多いことだろう。

Android:
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.drecom.wizardry.daphne&hl=ja

iOS:
https://apps.apple.com/jp/app/wizardry-variants-daphne/id1663423521

Steam:
https://store.steampowered.com/app/2379740/Wizardry_Variants_Daphne/?l=japanese

公式サイト:
https://wizardry.info/daphne/

サービス開始から1年が経過し、『ウィズダフネ』はどうなっているのか。リリース当初にあった不具合などは部分的に解消されつつあり、コンテンツ拡充が進んでいる。そしてついに第4の奈落が実装されることになった。第4の奈落は歴代の奈落の中で、もっとも「挑戦」を感じるところである。『ウィズダフネ』と「Wizらしさ」の両方をあわせもつ、怪物的なダンジョンとなっている。

今回は、そんな近日公開予定の第4の奈落を先行プレイすることができたので、その注目ポイントをいくつか紹介したい。結論からいうと、第4の奈落はかなりギミックが凝っていて、攻略のコツをつかむまでは、なかなか難しいダンジョンである。筆者もかなり苦労した。プレイヤーの知略を問うのである。

そんな意地悪で、かつプレイヤーのスキルを問う第4の奈落のほんの一部をご紹介する。なお、先行プレイは開発版で行っており、今後実際に配信されるものとは内容が異なる可能性がある。その点はあらかじめご了承頂きたい。

目標は豪雪地帯の村。王国騎士団すら手出しできないその奈落とは?

まずはあらすじを説明しよう。大異形に支配された迷宮から国王を救出し、奈落と化した港町を大異形から解放し、そして難攻不落の要塞さえも踏破した「仮面の冒険者」。そんな仮面の冒険者に与えられた新たな依頼は、とある豪雪地帯の奥にある集落「イシズミ村」で採掘される「カナリア結晶」を持ち帰ってほしい……というものであった。

その程度の依頼なら王国騎士団でもこなせるのではないか……と尋ねたところ、既に王国騎士を何人も派遣したが、行方知れずとなった者、任務の途中で気が触れてしまい、王都に回収はされたものの手足の凍傷が元で亡くなってしまった者……そういった事態が続出してしまい、歴戦の仮面の冒険者への依頼と相成ったという。

ヴァレオン大草原のはるかな先、霜先の集落を越えたその先に「イシズミ村」はあるという。「霜先の集落」は寂しい村だが、ここには冒険者ギルドをはじめとする一通りの施設が揃っており、第4の奈落に挑むための拠点となるだろう。

結論から言ってしまおう。第4の奈落「豪雪地帯」の難易度はかなり高い。その難易度の高さは、「敵の数の多さ」と「吹雪によるマップ把握の難しさ」にある。それぞれを、順を追って説明していこう。

見た目で油断することなかれ。一手でも早く危険な敵を潰すことが重要な敵の群れ

まずは、敵の強さから説明しよう。ここでは巨大な異形は少ない。ゴブリンやホブゴブリンといった、「はじまりの奈落」で見たような懐かしい敵も登場する。これらの敵は厚着しているなど、雪国仕様になっておりなんだか微笑ましい。この光景を見ただけでは、「むしろ前の奈落より戦闘は楽になってるんじゃないか」と思うかもしれない。

だが、この厳しい雪山の生存競争を生き残っているゴブリンがただのゴブリンなわけがない。ゴブリンの一撃といえど攻撃力はかなり高く、もし彼らの狙撃でも受けようものなら、一撃で屠られてもおかしくないのだ。また、豪雪地帯には例のウサギも出現する。見かけたら速やかに全体攻撃で追い払おう。

さらに恐ろしいことに、敵冒険者も存在している。彼らはレベル60を超える猛者であり、城塞を攻略した仮面の冒険者一行とは言えども一筋縄ではいかないだろう。

また、この奈落では新たに氷系攻撃呪文「ダルト」「マダルト」を使用する敵も出現する。かつてこれらの呪文を使う上級悪魔に苦しめられた記憶のある、古よりの冒険者も多いのではないだろうか?

「ダルト」「マダルト」は大ダメージの攻撃呪文 というだけではなく、受けたものを「凍結」させるという状態異常効果も備えている。「凍結」したものは行動順が著しく遅くなり、また攻撃の命中や回避も困難になる。また、「凍結」した者に強力な物理攻撃が当たると、粉砕され即死級のダメージを受けてしまう。非常に危険度の高い状態異常だ。

豪雪地帯では「ハリト」系の火属性呪文 が有効な敵も多い(「半凍結」「凍結」は解除されてしまうが)。

全体的に第4の奈落については「攻撃力は高いがタフネスはそれほどでもない」敵が多く、「やられる前にやる」事が重要な印象を受けた。

ゴブリンやボーパルバニーといった敵が再登場することも含めて、「はじまりの奈落」の敵の路線に近い印象を受ける(もちろん、敵の攻撃力は桁違いだが)。この雪の中ではまさに一撃の順序が生死を分ける、「死と隣り合わせの戦闘」という初心を思い出すことになるだろう。

また、本ダンジョンではゴブリンが10体近くの群れで出現したり、また物理防御力が極めて高い敵が群れに交じって出現したりするケースがある。そういった敵に対しては魔術師の範囲攻撃呪文や、範囲攻撃呪文を習得させ魔力も高めた侍が、両手持ち武器の使い手が活躍するかもしれない。

凍てつく吹雪が冒険者の視界と進路を塞ぐ

もう1つ、豪雪地帯で恐ろしいものがある。それは「吹雪」だ。ダンジョン内には吹雪いている箇所が多数あり、そこではミニマップや自キャラクターの向きを把握することができなくなってしまう。

吹雪の中では視界も悪く、プレイヤーの方向感覚を失わせるギミックとなっている。

地味に厄介なのが、「吹雪」エリアからは地図を見られないということだ。「吹雪」エリアの多い豪雪地帯では、視界の悪い吹雪の中では地図に頼らずに手探りで先に進む道を見つけなければならない。

また「吹雪」エリアの中で地図を見られないということは、吹雪の中からはオート移動もできないということでもある。吹雪エリア内での敵との戦闘で消耗してしまった場合、オート移動による帰還に頼れず、遭難してしまう可能性も出てくる。

「吹雪」エリアは森の奥に進むほど増えていき、方向を見失って遭難する可能性も増す。
どうしても不安なら、帰還アイテム「ハーケンの鉤」は持ち歩いておきたい。

吹雪の中でも、もちろん敵と遭遇することはある。吹雪の中での戦闘ではお互い「凍え」状態となり、ターンが進むと強制的に凍結状態になってしまうほか、「ミガル」系の水属性呪文 によって敵を凍結状態に陥らせることもできる。

「吹雪」の中の戦闘はお互いにメリット・デメリットあるが、基本的にデメリットの方が大きいと考えていいだろう。可能な限り敵との戦闘を避けたいところではあるが、視界の悪さがそれを拒む。ただし前述のようにこちらが「利用する」術もあるため、プレイヤーの腕が試されるところではある。

幸い、エリアの何カ所かにはパーティの凍結を解除できる温泉が湧いている箇所や、回復の泉が用意されている。回復の泉に関しては今までの奈落同様、1回の探索につき1度しか利用できないが、温泉による凍結状態の解除は何度も利用できる。上手く使って探索を進めていこう。

さらに、吹雪のさなかの行く手に待ち受ける白い影……いったいここには、何者が蠢いているのであろうか?そのミステリーを解き明かすのも、「仮面の冒険者」の使命である。

そして吹豪雪地帯の危険なエリアや強大な生物たちとの戦いを切り抜けた先に出会う、儚げな雰囲気を残す 少女「イリス」。彼女は何故こんな危険な奈落でただ一人彷徨っているのだろうか?彼女の足跡を追い、そして目的を知ることこそ、この奈落の謎に迫ることになるのかもしれない。雪に閉ざされた森、危険なモンスター、無人の集落、ただ一人残された少女、吹雪の向こう側の白い影の謎……こうした要素は、まるでミステリー作品のような印象をも思わせる。そういった意味でも、今回の新たな奈落は今までの奈落と異なる印象を受けた。

敵の数が多く、わずかな油断が死を招くことも珍しくないのが第4の奈落……という印象だ。見た目によらない危険な敵たちと、進路を塞いでくる吹雪。この2つが組み合わさって、第4の奈落の個人的な生還率は低かった。

今までの奈落の「交易水路」では「水」を使ったギミック、そして「城塞」では視界でこちらを検知して追いかけてくる「番兵」、そして複雑な上下階層構造が行く手を阻んできたが、「豪雪地帯」はこれらとは違った難易度の路線を追求している印象だ。城塞の番兵は基本的に単体の強敵であったが、豪雪地帯で出現する敵は高い攻撃力と数の暴力、そして「吹雪」という環境で基本的に回避を望めない。縮こまりたくなる寒さとは裏腹に、こちらから積極的に攻撃をかけて敵の数を減らす、もしくは状態異常で無力化するといったアグレッシブな戦術が要求される。

視界の悪い吹雪に関しても、迷路の基本的な脱出法である「左手法(右手法)」(左手or右手を壁に付きながら歩けば必ずどこかの出口にたどり着く)が通用するので、道を見失ったときには思い出していただきたい。「例え吹雪の中でも、アグレッシブに攻めの姿勢で進む(でも危なくなったら無理せず退く)」……それが、第4の奈落で生き延びるための秘訣かもしれない。

本ダンジョンで新たに登場する「豪雪地帯のガラクタ」からは新たな装備も登場するので、まずはこれを集めることから始めてもいいかもしれない。また、「銅等級」の冒険者試験も解放されるので、そちらをクリアしてLv60のレベルキャップを外し、より強力なスキルを身に着けてから第4の奈落に挑むのも手だ。

ところで、何か忘れてるんじゃないだろうか?1周年を経て積み重なった膨大なコンテンツたち

さて、ここまで繰り返し主張しているが、第4の奈落の難易度は高い。おそらく今までの奈落を踏破した冒険者といえど、「吹雪」という新たなギミックと、とても強力な敵たちの前ではそう簡単に先には進めないだろう。

だが、焦る必要はない。1周年を迎えた『Wizardry Variants Daphne』には、メインダンジョンの奈落を攻略していく以外にも、多くの楽しみ方があるからだ。

例えば、毎日支給される魔物退治のクエストはもちろんのこと、今年10月には「手配書」という種別の新たなクエストが加わった。これは賞金のかけられた対象を討ち取ってくるというクエストで、冒険者の腕試しにはもってこいだ。中には一定周期で復活する賞金首もいるので、経験値稼ぎついでに倒しに行くといいだろう。

一定周期のイベントといえば「いにしえの霊廟」もある。中には一般冒険者や無名冒険者の遺骸が眠っており、一度に取得できる数は限られているものの、およそ2週間単位で復活する。遺骸はスキル継承や認識票の確保のためにたくさん持っていて損ということはないので、こちらも定期的に周回するのも悪くないかもしれない。

また、今年8月からは「黒樽亭」という施設により「遺物酒」を飲むことができるようになった。これはたまに出現するオーラ付きの強敵を撃破すると稀に出現する「モンスターの遺物」を酒にして飲むことができるという施設で、遺物酒を飲んだ冒険者はそのモンスターに対応した能力値のバフ・デバフを永続で得る。上手く使いこなせばキャラクターの性能強化に繋がるコンテンツだ。

それ以外にも、現在は過去に行われたイベントクエストが冒険者ギルドの「注目」の依頼として復刻されていたり、また記事執筆時点では開催されていないが、ダンジョンのクリアタイムなどを競うイベント「古城跡」なども過去に行われていたりする。復刻イベントの中でも、「フォードレイグの秘宝」(依頼名「失われた鎧の奪還」)は「はじまりの奈落」をクリアしたばかりの冒険者にとっては強力な武器が何度も手に入るため、新規参入者や復帰勢にはこのクエストを進めることをおススメしておきたい。

それ以外にも多数のサブクエストや、メインの奈落内でも多数のサブイベントが本作では用意されている。一度踏破済みの奈落であっても、再度、また再度歩くと新たな発見があるかもしれない。

本作は開始直後多くのトラブルに見舞われたタイトルで、サービス開始直後はゲームを始めるのを戸惑った……という人もいるかもしれない。だが現在の『Wizardry Variants Daphne』は目立った問題もなく、スマートフォンから、そしてPCからでも充分な手ごたえを得られる3DダンジョンRPGに仕上がっている。約1年間で蓄積されたコンテンツの量も、3DダンジョンRPGとしては莫大な量になる。

本作は、じっくりと腰を据えて遊ぶのに十分に適したタイトルだ。現代流に遊びやすくアレンジした部分は多々ありつつも、「死と隣り合わせの冒険」という、『ウィザードリィ』というブランドから連想されるイメージはまったく損なわれてはいない。本作は自分のペースで進められるゲームなので、今から始めても頑張れば最前線にだって追いつける(もちろんそんなに焦ることなく、毎日のクエストをこなしつつ新エリアを少しずつ踏破する……くらいのペースで進めてもいい)。今まで本作に触れてこなかった方にも、以前に挑んでいたけれども現在は休止中……という方にも、いつでも冒険の扉は開かれている。その扉の先には、きっと忘れることができない冒険が待ち受けているだろう。

もちろん、第3奈落を既にクリアしていて次のコンテンツが待ち遠しい!という腕自慢の仮面の冒険者たちは、今から腕を磨いてしっかりと第4の奈落に挑む準備をしておいてほしい。もし「歯が立たない!」と感じたら、ここまでに紹介してきたコンテンツを改めて巡って、レベル上げやアイテム掘りにいそしむのも一つの手である。

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https://store.steampowered.com/app/2379740/Wizardry_Variants_Daphne/?l=japanese

公式サイト:
https://wizardry.info/daphne/

『Wizardry Variants Daphne』は、iOS/Android/PC(Steam)にて基本プレイ無料でサービス中だ。

ずんこ。
ずんこ。

DRPGとB級フォロワーゲームと麻雀とポーカーをこよなく愛するブロガー

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