PS5『ゴースト・オブ・ヨウテイ』開発者、追加ストーリーDLCは「掘り下げの需要次第」と明かす。みんなが知りたい物語を見極めたい
『ゴースト・オブ・ヨウテイ』の追加ストーリーを含むシングルプレイ向けのDLC展開について、開発陣の意向が語られた。

『ゴースト・オブ・ヨウテイ(Ghost of Yōtei)』(以下、ヨウテイ)を手がけるSucker Punchの開発陣は、本作の追加ストーリーを含むシングルプレイ向けのDLC展開について、物語へのユーザー反応を見極めつつ判断したいとする意向を明かした。海外メディアGame Informerのインタビューで語っている。
本作は、『ゴースト・オブ・ツシマ』(以下、ツシマ)の流れを汲むオープンワールドアクションゲームだ。『ツシマ』では13世紀後半の対馬が舞台になっていたのに対し、『ヨウテイ』の舞台は1603年、蝦夷地と呼ばれていたころの北海道だ。蝦夷富士とも称される羊蹄山を抱く地での冒険が繰り広げられる。「羊蹄六人衆」に家族を殺された主人公の篤は故郷の蝦夷地に戻り、「羊蹄六人衆」への復讐に赴く。

『ヨウテイ』でクリエイティブディレクターを務めるJason Connell氏とリードライターを務めるIan Ryan氏は、Game Informerが実施したインタビューにて、本作のさまざまな描写の背景や、発売後の反響について語った。その中で両氏は、本作の追加ストーリーを含むシングルプレイ用のDLCが出るかどうかについて質問された。なお前作『ツシマ』においては、『Ghost of Tsushima Director’s Cut』に同梱された「壹岐之譚」にて、主人公の境井仁にまつわる完全新規ストーリーが実装されている。
ストーリーを加えるDLCを出したいかどうか聞かれたConnell氏は、何がユーザーの反響を呼び、人々が篤についてより深く知りたいのは何なのかを見極める段階にいると発言。たとえば「この関係がもう少し知りたい」「父親に何があったのか知りたい」という人々の声を聞いた上で、どのようにそのキャラクターを掘り下げていくのか考えていくそうだ。Connell氏によれば、『ツシマ』の時にも同様の手順を踏んでいたとのことで、ユーザー反応を見極める時間がプロジェクトにおいて一番重要なタイミングだと述べている。

またConnell氏いわく、作品に対する声を何百万人ものプレイヤーから聞けるという貴重な機会が得られていることはある種の“贈り物”だと感謝しているという。Sucker Punchのスタッフたちは篤のことがもちろん大好きで素晴らしいキャラクターだと思っており、『ツシマ』の仁と同じく、改善したり新たな要素を追加したり、物語を明瞭にしたりする余地があるならば、DLCのリリースをじっくり検討したいと表明した。
『ヨウテイ』に向けては、マルチプレイモードDLC「Legends」が2026年に配信されると発表済み。これは前作『ツシマ』における「Ghost of Tsushima: Legends/冥人奇譚」と同様のコンテンツで、本編所有者向けに無料で配信される見込み。2人でプレイするストーリーミッションと4人でプレイするサバイバルマッチが用意されるとのこと(関連記事)。ただ現時点では、篤の新たなストーリーを提供するDLCについては予告されていない。

今回のインタビューにおける発言では、あくまでも確約はしていないものの、ユーザーの反応次第ではストーリーの追加にも踏み切りたいとする方針が明かされた。ちなみに海外メディアによるThe Game Businessによる調査では、『ヨウテイ』がヨーロッパにおいて『ツシマ』と並ぶだけの初動売上を記録したことも示されている。また『ヨウテイ』でも前作のようなディレクターズカット版が発売される可能性もあり、まだ発売後3週間弱ながら、本作のユーザー評価も今後さらに注目されるところだ。
『ゴースト・オブ・ヨウテイ(Ghost of Yōtei)』はPS5向けに販売中だ。