PS5『ゴースト・オブ・ヨウテイ』のL3ボタン入り激ムズQTEがむしろ“脚光を浴びる”。「もどかしさ」体感いじわるコマンド
『ゴースト・オブ・ヨウテイ』における、「L3ボタン入りQTE」が注目を浴びているようだ。

ソニー・インタラクティブエンタテインメントは10月2日、『ゴースト・オブ・ヨウテイ(Ghost of Yōtei)』(以下、ヨウテイ)を発売した。本作のイベントにおけるとあるミニゲームが注目を浴びているようだ。本稿には本作序盤の内容が含まれるため、閲覧の際は留意してほしい。
本作は、『ゴースト・オブ・ツシマ』(以下、ツシマ)の流れを汲むオープンワールドアクションゲームだ。『ツシマ』では13世紀後半の対馬が舞台になっていたのに対し、『ヨウテイ』の舞台は1603年、蝦夷地と呼ばれていたころの北海道だ。蝦夷富士とも称される羊蹄山を抱く地で、主人公・篤(あつ)の復讐譚が描かれる。

本作のプレイヤー間で、とあるイベントのミニゲームが話題を呼んでいる。序盤に攻略するプレイヤーが多いであろう、「二刀」の修得イベントだ。本イベントで篤は二刀の達人、半兵衛の元を訪れて修行をおこなうこととなる。このなかでは指定されたボタンを素早く押して竹をばっさりと斬るQTE式のミニゲーム「稽古台」も登場。稽古台自体はマップ上にも点在するアクティビティながら、本イベントでは特別な演出が加わっていることが注目されている。
というのも本イベントでは二刀の修得にあたって、篤が左腕だけで刀を振るうことになる。慣れない左腕での刀捌きに苦戦する様子が描かれており、ミニゲームにもそうした状況が反映。指定のボタンの中で「L3ボタン」、つまり左スティックの押し込みが織り交ぜられている。

他のボタンとL3ボタンが混ざったコマンドを素早く入力するのは至難の業。特に修行初日の稽古台では「7本斬り」にあたってL3ボタンが2回も指定され、普通のコントローラーの持ち方ではまず入力が間に合わないだろう。ちなみに稽古台といえば『ツシマ』から登場していたミニゲームであるが、L3ボタンが指定される稽古台は筆者が確認するかぎり存在しなかった。難しくなりすぎないようにあえて指定されていなかった可能性もうかがえる。
一方で本作のプレイヤーからは、そんなやたらと難しい稽古台を“称賛”する声が寄せられている。本イベントの稽古台ではコマンドがL1・十字キー・L3ボタンの中から提示される。つまりコマンドがすべてコントローラーの左手側のボタンで構成されているかたちだ。左手だけで刀を振るう難しさが、ミニゲーム内のコマンドとして表現されているわけだろう。そしてL3ボタンが加わることでまさに「利き手ではない手」を使っているときのもどかしさが表現され、修行への没入感を高める演出になっているといった評価も集まっている。
なお稽古台のミニゲームは、修行が続く中で日をまたいで3回にわたっておこなわれる。初日の稽古台は先述したとおりかなり難しいものの、2日目の稽古台はL3ボタンの押し込みが一度だけ。そして最終日の稽古台はL3ボタンの押し込みがなくなり、かなりクリアしやすくなる。修行の成果がミニゲームのコマンドとして実感できるだろう。
また初日と2日目の稽古台は一定回数失敗すると特にデメリットなく終了する。つまりL3ボタン入りの稽古台は難しい反面、クリアする必要もないわけだ。QTE系の演出は賛否が分かれる傾向もあるものの、本作ではあくまでイベント上の演出としてクリアを強制されないことも、L3ボタン入りの稽古台が脚光を浴びている所以とみられる。

ちなみにもっとも難しい初日の稽古台もクリアできないわけではなく、前もって右手をL3ボタンに添えるといった対策をしておけばクリアも可能なコマンドとなっている。特にその後の展開も変わらずメリットはないものの、あえて初日から7本斬りの達成に挑んでみるのもいいかもしれない。それでも難しく感じたプレイヤーは、ボタン早押しの設定を「簡素」にすることで、時間制限なく挑むことも可能だ。
二刀や槍といったさまざまな武器が追加された本作。癖のある達人のもとでおこなわれる修行には武器ごとの特色が反映されており、ちょっとした遊びも盛り込まれている。なかでも既存のミニゲームが活用された「左手で挑む稽古台」は、さっそくプレイヤーにとって印象深い修行となっているようだ。
『ゴースト・オブ・ヨウテイ(Ghost of Yōtei)』はPS5向けに販売中だ。