マウスコンピューター、TGS2025でゲーミングPC「G TUNE」新製品一挙お披露目。板橋ザンギエフ氏などの「プロゲーマー目線」反応はいかに

マウスコンピューターは9月25日、東京ゲームショウ2025の会場にてG TUNEの新製品発表トークセッションを実施。現地の模様と本製品の特長について紹介する。

株式会社マウスコンピューターは9月25日、G TUNEブランドの新製品を発表した。フルタワー、ミニタワー、ラップトップの3サイズのゲーミングPCに加え、マウスやキーボードなど同ブランドからの新たな周辺機器も同日リリースされた。本稿では、東京ゲームショウ2025の会場で行われた新製品発表トークセッションの模様と本製品の特長について紹介する。

■G TUNE DGシリーズ
G TUNE DG-I7G70
G TUNE DG-A7G70

■G TUNE P5シリーズ

G TUNE P5-I7G60BK-C(ブラック)
G TUNE P5-I7G70BK-C(ブラック)
G TUNE P5-I7G60RD-C(レッド)
G TUNE P5-I7G70RD-C(レッド)
G TUNE P5-I7G60WT-C(ホワイト)
G TUNE P5-I7G70WT-C(ホワイト)

マウスコンピューターは、約21年前からハイエンドのゲーミングPCとしてG TUNEブランド製品の開発・販売を続けてきた。今年の1月には、時代のニーズに応えるべく「ゲーミングシーンを共に、前に。」を新たなキャッチコピーに掲げ、ロゴも力強いフォントを用いて刷新、リブランディングを行った。新たなロゴでは誰もがプロフェッショナルになれる時代に合わせて進化し続けるブランドの姿を表現している。ブランド目標は、「ゲーミングシーンを盛り上げるすべてのプロフェッショナルを応援する」だそうで、これまで以上にゲーマーフレンドリーなゲーミングPCを作るべく新製品の開発に注力してきたとのこと。

東京ゲームショウ2025初日のG TUNE/NEXTGEARブースでは、G TUNEブランド新製品の魅力とこだわりを探る1時間にわたるトークセッションが行われた。登壇者は株式会社マウスコンピューター代表取締役社長軣秀樹氏、開発・購買本部 製品部 エキスパート林田奈美氏、プロeスポーツチームDetonatioN FocusMeのプロゲームプレイヤーである板橋ザンギエフ氏、竹内ジョン氏、ナウマン氏、ネフライト氏の6名。

リブランディングされたG TUNEの新製品開発において、同社は3つの「ゲーミングシーンを盛り上げるためのMISSION」を設定し、それぞれの製品ですべてのミッションをクリアすることにこだわったそうだ。そのミッションの内容とは、「最新のゲーミング体験を実現するスペック」「プロフェッショナルに応えるハードウェア」「ゲームを愛するすべての人を応援する」の3つである。CPUやグラフィックスの面で最新のゲームを快適にプレイできる環境を実現し、プロのゲームプレイヤーからの意見を汲み上げ製品開発に反映。プレイヤーだけでなくゲームを開発する人やイベントを運営する団体などゲームに携わるあらゆる人を応援することをミッションとしているそうだ。


こだわりポイント1:機能をデザインに反映

まず、紹介されたのはミニタワーモデルのG TUNE DG-I7G70/DG-A7G70だ。本製品ではグラフィックボードとしてNVIDIA GeForce RTX 5070が搭載されている。近年、ますますサイズと重量を増していくグラフィックボードを安定的に搭載するために、重さを支えるサポートバーも取り付けられている。また、冷却性能を高めるためエアフローは底面から上面と背面に向かって流れるように設計。空気の流れを良くすることで、ホコリも吸い込みやすくなるというデメリットが生じるが、底面の吸気口には取り外して水洗いすることもできるフィルターを設置することで対策がなされている。片側は透明のガラスパネルとなっているため、中を見て楽しむこともできるだけでなく、メンテナンス性も向上しているとのことだ。

G TUNE DG-I7G70
G TUNE DG-A7G70

本製品では、Core i7 14700FやRyzen7 9800X3DのようなパワフルなCPUとNVIDIA GeForce RTX 5070グラフィックボードを搭載することでスペックとハードウェアのミッションをクリアしつつ、機能性をデザインに反映させることにこだわったという。筐体カラーリングはシックで落ち着きのある深いダークグレーをベースに「ビートレッド」と呼ばれる赤のLEDを差し色に使用した。ゲーマーの情熱や高揚感を表すこのビートレッドカラーは、リアファン部分や正面パネルに派手すぎない間接照明として用いられている。フロントパネルの立体感ある吸気部分にはスポーツカーのエアインテークにインスパイアされたデザインが用いられており、ここにもビートレッドが光る。PCとしての機能を持つ部分それぞれに意匠へのこだわりも同時に込めたそうだ。フロントパネル回りの“PCの顔”となる部分に関しては、開発時18種ものデザイン案が存在し、今回採用されたのはその中から選び抜かれた「G TUNEらしい落ち着きと力強さのあるもの」とのこと。

これを受けてナウマン氏も「18種もの案があったことに驚き。作り手の苦労がしのばれる」とコメントした。竹内氏も「カーデザインという一見遠そうなジャンルからデザインの着想を得るまでには、どのようなプロセスがあるのか」と尋ねた。林田氏はこれに対し「普段から見かけたものにあるアイデアを脳内にピン留めしている」と回答し、板橋氏も開発部が普段から身の回りのものにアンテナを立てていることに感銘を受けている様子だった。

また、ミニタワーモデルである本製品では、大型のグラフィックボードを搭載していながらできるだけ小サイズ化をすることにこだわったそうで、ここでも機能とデザインの両立がなされている。フルタワーモデルのFZ-I9G90/FG-A9A7Xが突起物を含め240✕500✕510mmの本体サイズであるのに対し、ミニタワーのDG-I7G70/DG-A7G70は突起物を含め215✕490✕385mmの大きさだ。林田氏は「これを実現できたことは感慨深い」と語った。


こだわりポイント2:ゲーマーにとっての使いやすさ

ミッションその3を達成するためにはゲーマーフレンドリーなPCである必要があるということで、ユーザーの声を取り入れながら便利さを追求したそうだ。たとえば、フロント上面にはUSB Type-Cのコネクタがあり、またそれを使わないときに覆えるインターフェースカバーも付属する。Type-C接続を採用しているコントローラーも増えてきているということで、コネクタが前の方にあることは便利だとプレイヤーの4名も頷いていた。

また、PC回りにはちょっとした物を置きたくなる場合もある。これに備えて、ケース上面にはトレイとして使えるくぼみがあり、落下を防ぎつつ小物を置くことができそうだ。サイドには折り畳めるヘッドフォンホルダーがあるので、使っていないときに置き場所に困りがちなヘッドセットもPCに掛けられるようになっている。ナウマン氏は「こういった収納のスペースがあるのは助かる」とコメント。自称「ズボラなゲーマー」の竹内氏もこういった工夫に対して「ゲーマーのことをすごく考えて開発されていることがわかって嬉しい」とコメントした。

G TUNEブランドからの新たな周辺機器4製品も登場し、ここにもPCゲーマーの便利さを追求したこだわりが見られた。製品はラピッドトリガーキーボード、ワイヤレスマウス、ヘッドセット、マウスパッドの4点。キーボードはコンパクトで場所を取らないながらも、FPSなどのゲームプレイに最適化された操作しやすいキー配置を心がけたとのこと。マウスはとにかく軽量化にこだわり、本体重量38グラムという軽さを実現。スムーズな操作と疲れにくい形状を目指して開発されている。ヘッドセットは、軽さと壊れにくさに重点を置いて作られており、長時間の使用でも疲れにくくマイク部分の着脱も可能だ。マウスパッドはMとLの2サイズあり、Mサイズでもある程度のマウス移動距離を想定して広く作られているように見えた。Lサイズは更に大きく、ダイナミックなマウス操作に対応しているとのことだ。


こだわりポイント3:選択の幅を広げる

今回、ミニタワーモデルDG-I7G70/DG-A7G70には、白を基調としたホワイトモデルも用意されていることが明かされた。こちらは、10月中旬に発売される見通しで「ユーザーの選択の幅を広げられれば」とのことだった。重厚感のある黒と赤の筐体も、爽やかな紅白カラーの筐体も魅力的で、「どちらの色がいい?」の挙手投票では登壇者の意見が2つに割れた。

また、ラップトップ型PC「G TUNE P5」の新型モデルも発表された。G TUNE P5は、これまで「G TUNEブランドPCの入門機」としての位置付けであったが、今回の新モデルではラップトップでもプロフェッショナルなゲームプレイに対応できるようにと開発されたそうだ。こちらも充実したスペックや軽量化、G TUNEブランドらしいデザインなどこだわりが随所に見られるものとなっている。ラップトップではデスクトップPCと同じようにゲームをするのは難しそうというこれまでの固定観念を覆したいという思いが感じられる。これもユーザーの選択肢を増やすことに一役買いそうだ。

■G TUNE P5シリーズ
G TUNE P5-I7G60BK-C(ブラック)
G TUNE P5-I7G70BK-C(ブラック)
G TUNE P5-I7G60RD-C(レッド)
G TUNE P5-I7G70RD-C(レッド)
G TUNE P5-I7G60WT-C(ホワイト)
G TUNE P5-I7G70WT-C(ホワイト)

本ラップトップPCではグラフィックスカードとしてNVIDIA GeForce RTX 5060 Laptop/5070 Laptopの2つの選択肢があり、映像のリフレッシュレートは165Hzに対応している。本体カラーバリエーションには白/黒/赤の3種あり、ユーザーの選択肢を増やしたいという思いから「ビートレッドを本体の基調カラーとして採用するのはどうか」というアイデアをもとにレッドモデルが誕生したとのこと。マットな質感の白や黒のラップトップPCが多い中で、G TUNE P5レッドモデルは光沢感のある質感となっている。派手すぎない赤色の出し方やツヤのある塗りに関しても、車の塗装技術が参考にされているとのことだった。

また画面比率についてもゲーマー目線で選びたくなるよう検討したそうだ。近年、ラップトップPC全体における16:10の画面比率の製品割合が上がっているとのこと。その中で、プロゲーマーにヒアリングを行ってみたところ、eスポーツの現場やプロゲーマーの間ではゲーム映像に合わせ比率16:9の製品がよく使用されていることがわかったという。そういった「大会のプレイ環境と同じ環境で練習もしたい」というプロフェッショナルのニーズをもとに、画面比率を16:9としたそうだ。このようなニーズに応えることが3つ目のミッションである「ゲームを愛するすべての人を応援する」を達成に導くという思いがあるようだった。登壇している各プロプレイヤー4名も、「思ったより軽くて持ち運びやすそう」「プロゲーマーとして海外遠征にノートPCを持って行きたいというときもあるので、そういうニーズに応えてくれそう」といったコメントを寄せていた。

加えて、ゲームプレイヤーのニーズに応える形で有線LAN接続にも対応しており、メモリは最大64GB、内部SSD容量は8TB✕2本の最大16TBまで拡張可能。たくさんのゲームをインストールしたり、プレイ動画を保存したりする際にもしばらく容量の心配をしなくて済みそうだ。冷却効率も追求されていて、79枚のブレードを持つファンが、静かにしっかり冷やしてくれるとのこと。


とにかくユーザーの声がほしい

今回紹介されたミニタワーモデルの上面インターフェースにホコリからコネクタを守るための蓋パーツが付けられたのは、ユーザーから「上面にコネクタを付けるなら、カバーも必要だ」という強い要望の声があったからだという。この声を受けて社長の軣氏もその実現を強く願い、開発部が開発に取り組んだそうだ。上述のマウスやキーボードの使用感、ラップトップPCの有線接続や画面サイズなど、おしなべて「ゲームプレイヤーはPCに何を求めているか」ということをとことん追究し、それを製品開発に反映させたいという意欲やこだわりを感じた。トークセッションの最後でも、ブースで試遊をしたあとに何かリクエストがあったらスタッフに伝えてほしいというメッセージがあり、ユーザーからの声をどんどん吸い上げたいという同社の熱意が感じられた。

現在マウスコンピューター公式サイトの東京ゲームショウ2025特設ページでは、出展情報に加えDG-I7G70をはじめとする注目モデルの詳細を確認できる。9月30日までの期間中は東京ゲームショウ2025への出展を記念したセットモデルが最大7万円引きになるセールも開催中。

また本稿で紹介したモデルについては以下のとおり。

■G TUNE DGシリーズ
G TUNE DG-I7G70
G TUNE DG-A7G70

■G TUNE P5シリーズ

G TUNE P5-I7G60BK-C(ブラック)
G TUNE P5-I7G70BK-C(ブラック)
G TUNE P5-I7G60RD-C(レッド)
G TUNE P5-I7G70RD-C(レッド)
G TUNE P5-I7G60WT-C(ホワイト)
G TUNE P5-I7G70WT-C(ホワイト)

Kei Aiuchi
Kei Aiuchi

RPG、パズル、謎解きアドベンチャー、放置系などを遊びます。比較的やりこみ型。特に好きなゲームは『ルーマニア#203』

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