新たな基本プレイ無料オープンワールド『七つの大罪:Origin』は、お決まり全部用意に加えて「移動」がかなり楽しいゲーム。縦も横も滑空で移動楽しい

ネットマーブルは、『七つの大罪:Origin』を2026年1月28日に配信する。本稿ではそんな本作の試遊レポートをお届けする。

ネットマーブルは、マルチプレイ型オープンワールド『七つの大罪:Origin』をPC(Steam)/PS5/iOS/Androidに向けて2026年1月28日に配信する予定だ。今回そんな本作の一部を先行してプレイする機会に恵まれた。2時間程度の試遊におけるインプレッションを紹介していく。なお今回試遊したビルドは「東京ゲームショウ 2025」に出展されたビルドと同一のものだ。そのため機能に一部制限があり内容については網羅的でないこと、ならびに製品版とは内容が異なる可能性があることについては留意されたい。

『七つの大罪:Origin』は鈴木央氏の人気漫画「七つの大罪」および同アニメ版を原作とするオープンワールドRPGだ。2019年にリリースされたシネマティックアドベンチャーRPG『七つの大罪 ~光と闇の交戦(ひかりとやみのグランドクロス)~』の後継作にあたる。本作ではブリタニアを舞台に、オリジナルストーリーが描かれる。時系列としては「七つの大罪」とその続編である「黙示録の四騎士」の間に位置し、リオネス王国の王子トリスタンとなって、あるきっかけから混乱に陥ったブリタニアを救う冒険に赴くことになる。

原作の世界を思うがままに旅できる

本作では、オープンワールドのフィールドとしてブリタニアが描かれている。トリスタンとしてブリタニアを巡る中では、「七つの大罪」での戦禍からの復興を遂げたリオネス城や、キングやバンゆかりの地である妖精王の森などを訪れることができる。こうしたフィールド、そしてNPCを含めたキャラクターは美麗なグラフィックで描かれている。3Dモデルはシェーダーの効果も作用してか、原作漫画/アニメの雰囲気が十全に再現されている。ゲームプレイはまさに「アニメや漫画の世界に入ったような」体験となっていた。

こうした世界の探索にあたってはファストトラベルのほか、壁登りや滑空可能なグライダーといった、近年のオープンワールド作品の“標準仕様”ともいえるシステムが採用。ブリタニアの冒険では、思うままに崖を登ったり、高所からの滑空で風景を楽しんだりといったこともできるだろう。ストーリーモードの試遊は30分に限定されていたが、それでもグライダーを獲得することが出来たので、プレイ序盤からでも自由度の高い冒険を満喫できそうだ。さらに地上を素早く移動できる“騎乗ペット”としてホークに搭乗することもできるおかげで、移動システムは至れり尽くせりとなっていた。

加えて、「冒険スキル」についても触れておきたい。本作に登場するキャラクターは戦闘用のスキルのほか、「冒険スキル」と呼ばれるスキルを所持している。キャラクターによっては戦闘に使えるものも存在するが、探索の自由度や利便性を向上させることのできる、便利なスキルとなっている。たとえば本作ストーリー冒頭ではトリスタンとティオレーがともに行動することになるが、ティオレーの持つスキルは、精霊の力で斜め上の空間に一定距離移動するというもの。単純により上へと向かうスキルとして使えるほか、スキル使用後は滑空に移行することもできる。なおペットのドラゴンに搭乗することでも空を移動することが可能。こうした“縦”の移動のサポートが手厚いことは本作の特徴といえるだろう。共通システム以外にも“自由な移動”をサポートしてくれる要素が盛り込まれていると感じた。

また探索では簡単な謎解きやアクティビティ、素材の採集や釣りといった多彩な要素も用意。広大なブリタニアの各所を探索する動線や、快適で自由な冒険を実現するシステムの構築に注力されているように見える。本作はライブサービスとして展開されていく予定であり、ストーリーの進行などによってバステ監獄やソルガレス砦といった、原作でも登場したエリアが新たに解放されていくとのこと。加えて新たに本作で初めてお披露目される未踏の地も追加されるといい、未知のエリアを探索する楽しみも設けられているようだ。

入れ替わり立ち代わりのスピーディー戦闘

そしてプレイ中では敵と出会うこともあり、接敵すればシームレスに戦闘に移行。戦闘は通常攻撃に加え、特殊攻撃、スキル、必殺技での攻撃をおこないつつ、敵の攻撃を回避で避けていくかたちだ。各キャラにそれぞれ固有のスキルが割り当てられており、トリスタンであれば特殊攻撃はなぎ払うような攻撃をおこなう。一方でティオレーは特殊攻撃によって通常攻撃を強化。火の弾を撃つような攻撃から、ビームを射出するような攻撃に変化する。さらにギーラやスレイダーのような一部キャラは、「冒険スキル」が形態変化や能力向上といった効果を持つため、戦闘に使うこともできる。複雑なコマンドなどは特にない比較的シンプルな戦闘ながら、それぞれのスキルには特徴があり、キャラクターごとに戦闘スタイルが違うわけだ。

敵の攻撃は範囲とタイミングを示す予兆が表示される。強敵を相手取るときには回避のタイミングや効率的な攻撃、スキル回しといった効率は求められるだろうが、基本的には幅広いプレイヤーがスムーズに戦闘できるだろう。なおスキルなどはいずれもクールタイムなどが存在するが、基本的には発動に複雑な条件は必要なく、シンプルに戦闘をおこなえる。エフェクトも豪華で、特に必殺技は、キャラクター専用のカットインが入るうえ、特定の組み合わせでは専用の連携に派生することもできる。とはいえそうした専用演出はスリムにまとめられており、テンポ良く戦闘は進行する。火や雷など各属性のテクスチャや、ダイナミックなモーションによるリッチな演出は実現されつつ、スピーディーに探索に戻れた。

ところで本作では、最大4人でのパーティーを編成し冒険を進めていく。メンバーは探索中に切り替えることが出来るほか、戦闘中には専用のポイントを消費しつつ、他メンバーに素早く交代可能。この際には追加攻撃が発生する。同じ属性で攻撃を続けると相手にデバフ効果も与えられるため、同じ属性のキャラクターで編成を固め、矢継ぎ早にキャラクターをスイッチしつつ、攻撃を叩きこみ続けるのも面白いだろう。

“原作への繋がり”も秘める、新たな物語

本作のメインストーリーは、先述の通り「七つの大罪」とその続編「黙示録の四騎士」の中間の話にあたる。「黙示録の四騎士」では四騎士のうちのひとり、パーシバルを中心として物語が始まっていた。一方で『七つの大罪:Origin』はメリオダスの息子、トリスタンがメインに据えられている。まったくのif世界の話となっているわけではなく、あくまで原作の世界観を基盤としたオリジナルストーリーが展開されていくのだ。

そうして描かれるメインストーリーは、原作さながらの雰囲気で表現された3Dモデルが彩るわけだ。なおキャラクターボイスは原作アニメの担当声優が引き続き務める。さらに本作においては、戦闘中に見られるモーションも含めストーリー中に挟まれる会話のカットシーンでもキャラクターの見せる動きや表情の豊かさが目に付いた。3Dモデルのクオリティだけでなく、各種の演出によってより没入感が増しているように感じた。

ところで、本作に登場するティオレーやドレドリンといったオリジナルキャラクターは、鈴木央氏がキャラクター設定やデザインが直接制作に携わっているほか、そんな本作オリジナル要素のいくつかは、すでに「黙示録の四騎士」にも逆輸入されている。このように、『七つの大罪:Origin』と原作シリーズが相互に影響しあっていることも見逃せない要素といえよう。

本作はオープンワールドRPGのお決まりがバランスよく盛り込まれた、ある意味で“優等生”的な作品という雰囲気を感じたが、その中でも移動の自由度、特に縦方向への移動のサポートは特徴的で、興味深い要素に感じられた。原作さながらの世界を体験するにあたってより探索に没頭することができそうだ。そんな没入感あふれる自由な冒険が特徴となりそうな本作が、どのような物語を紡いでいくのか、リリース後の展開にも期待したい。

七つの大罪:Origin』は、PC(Steam)/PS5/iOS/Android向けに2026年1月28日に配信予定だ。

©鈴木央・講談社/「七つの大罪 戒めの復活」製作委員会・MBS
©鈴木央・講談社/「七つの大罪 憤怒の審判」製作委員会・テレビ東京
©鈴木央・講談社/「七つの大罪 黙示録の四騎士」製作委員会
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Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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