『空の軌跡 the 1st(ザ・ファースト)』がSteamで“ファルコム史上最高”の滑り出し。「中国語圏からの人気」が特にすごい

『空の軌跡 the 1st』はSteamで好調なスタートを切っている。

日本ファルコムは9月19日、『空の軌跡 the 1st(ザ・ファースト)』をリリースした。対応プラットフォームはNintendo Switch 2/Nintendo Switch/PS5/PC(Steam)。本作はさっそく多くのユーザーに遊ばれており、Steamでは同社史上最高の滑り出しを見せている。

『空の軌跡 the 1st』は、『軌跡』シリーズ第1作『英雄伝説 空の軌跡 FC』の3Dフルリメイク版だ。本作の舞台となるのは、導力と呼ばれるエネルギーが発展した、ゼムリア大陸の南西部「リベール王国」。主人公は地域の平和と民間人の保護を理念に掲げた「遊撃士(ブレイサー)」を目指す少女エステルだ。彼女は父・カシウスの失踪をきっかけに、義弟ヨシュアとともに王国各地を巡る冒険にくり出す。8月より無料体験版が配信されており、9月19日についに製品版のリリースを迎えた。

本作には、収録言語が違う2バージョンが存在する。 日本語や英語などを収録したグローバル版と、中国語(簡体字/繁体字)や韓国語に対応したアジア版だ。前者はガンホー・オンライン・エンターテイメントが、後者はClouded Leopard Entertainmentがそれぞれ販売を担当している。いずれも好調ながら、特にアジア版がSteamにて活況を見せているようである。

両バージョンのSteamにおける最大同時接続プレイヤー数を見ると、グローバル版が初日のピーク時に3254人であるのに対して(SteamDB)、アジア版では同時刻に9817人を記録(SteamDB)。さらにSteamユーザーレビューを見ると、アジア版のレビューの9割以上が簡体字中国語ユーザーによるもの(SteamScout)。ピーク時には合算して1万2000人程度の同時接続プレイヤー数を得たこともさることながら、本作が特に中国語圏で大きな人気を誇っていることも見受けられる。

またSteamにおける日本ファルコム作品の一覧を見ると、ピーク時の同時接続プレイヤー数では本作がダントツの数字を叩き出している。Steamではさっそく同社史上最高のスタートを切ったわけだ。

グローバル版・アジア版はともに、Steamユーザーレビューでは97%の好評率にて「非常に好評」ステータスを獲得している。原作に沿って丁寧に作られた忠実リメイクであるとして、本作の出来栄えを熱く賞賛するユーザーも散見される。またグラフィックや戦闘システムが現代風に再構築されており、もとより高い評価を得ていたキャラクターやストーリーの魅力をさらに引き立たせているとする声も寄せられている。

なお本作リメイクにあたっては、フィールドにおける移動やムービーの再生など、さまざまなシーンの速度を上げられる「ハイスピードモード」が実装されている。スピード倍率は細かく設定可能で、体験版の時点でその快適さが話題となっていた(関連記事)。昔の作品を現代に蘇らせる上では、ストレスなくプレイできる仕組みの導入も評価に繋がっているのだろう。

往年の名作の21年越しのリメイク版として大きな注目を集めていた本作。さっそく期待にたがわぬ成功を収めているようだ。各プラットフォームにおける詳細な売上は不明であるため、公式による発表も期待される。

ちなみに弊誌では先日、日本ファルコムの近藤季洋社長にインタビューをおこなっている。今回リメイクされた『空の軌跡 FC』以降の『軌跡』シリーズについても、リメイクを作りたいとする意気込みも近藤氏の口から語られた。ぜひご覧いただきたい(記事リンク)。

『空の軌跡 the 1st』は、Nintendo Switch 2/Nintendo Switch/PS5/PC(Steam)向けに発売中。

Shion Kaneko
Shion Kaneko

夢中になりやすいのはオープンワールドゲーム。主に雪山に生息しています。

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