
『マインクラフト』スナップショットで“卑猥な誤訳”された新アイテムに、トルコ語ユーザー大困惑。本当は「避雷針」なのに
『マインクラフト』Java版スナップショットのトルコ語表示に、とんでもない“誤訳”が見つかった。

海外掲示板Redditの『マインクラフト』コミュニティにて、トルコ語版『マインクラフト』ゲーム内のとある誤訳が話題となっている。避雷針につけられた誤訳を主軸とし、スレッド内では現在の翻訳の在り方にも問題提起がなされるなど、大きな議論を呼んでいるようだ。
海外掲示板の『マインクラフト』コミュニティにて、RedditユーザーのEgan306氏は9月2日、ユーザーのbozakardude氏の画像を引用するかたちでゲーム内スクリーンショットを投稿した。スクリーンショットは『マインクラフト』Java版の最新スナップショット25w35aのものとみられる。スナップショットとは今後正式実装予定の新要素を一足先に体験できる、Java版向けのテストバージョンだ。スクリーンショットでは次回大型アップデート「The Copper Age(銅の時代)」にて追加予定の「錆止めされた避雷針」がトルコ語表示で撮影されている。しかし同氏はこのトルコ語が本来のアイテム名から大きく乖離した意味になっていると主張している。
Egan306氏によるとトルコ語版の『マインクラフト』において、「錆止めされた避雷針」は「Tam Göte Sokmalık」と翻訳されているとのこと。これは日本語では、「お尻にぶち込むのに最適」といった意味になるようだ。にわかには信じがたいネーミングながら筆者が実際に確認してみたところ、Java版スナップショット25w35aでは本当にこのように表記されていることが確認できた。なお、同アイテムはスナップショット25w31aから新たに実装された「避雷針」のバリエーションであり、このバージョンの時点ですでに同様の表記となっていた。子供から大人まで楽しめる本作とは不釣り合いな卑猥ネームへと変更されていると同氏は主張しているわけだ。これに対して、Redditユーザーたちからは驚きや戸惑いの声があがっている。

同スレッド内では、スナップショットとはいえ、なぜ開発元であるMojang Studiosが気づかないままそのような訳が採用されたのか疑問視する声も上がっている。この理由として一部のユーザーからはクラウドソーシングによる有志翻訳であるためではないかと推察されている。というのも『マインクラフト』Java版の翻訳はかねてより、有志によるクラウドソースのボランティア活動というかたちで進められてきた。その翻訳の大部分を占めるのは翻訳プラットフォーム「Crowdin」での有志ユーザーによる活動であり、ここでは複数人からなるチーム単位で自由に翻訳作業が可能な、いわゆるオープンスペース的な翻訳プロセスがとられている。そのため、「いたずら目的での故意の誤訳が混ざったのではないか」と推察されているわけだ。
なおCrowdinでは、こういった誤訳を防ぐためにLQA(言語品質保証)の一環として、管理ユーザーによる校正確認が可能となっている。しかし今回の場合、それらの予防線が正しく機能しなかったとみられる。なお筆者がCrowdinにおける本稿執筆時点でのトルコ語版スレッドを確認してみたところ、錆止めされた避雷針は「Cilalı Paratoner」と、より正確な翻訳へと修正されていることを確認した。トルコ語版の誤訳は、今後のパッチで修正されるものとみられる。

なおRedditスレッド内では、今回の騒動を契機に、Mojang StudiosおよびマイクロソフトはJava版でも正規の翻訳者を雇うべきではないかとする意見も上がっており、有志翻訳という構造自体への問題提起にまで議論は発展している。クラウドソースによる有志翻訳はスピード感のある作業が可能となる一方で、その正確性についてのリスクが露呈したかたちだ。あくまでスナップショット内の実装ではあるものの、一定数のプレイヤーが目にすることには変わりない。
現在の『マインクラフト』Java版は有志翻訳者たちのたゆまぬ努力によって、Bedrock版よりもかなり多くの言語に対応している。大型作品ながらクラウドソーシングを活用する珍しい運営体制によって実現しているとみられ、問題が生じないような対抗策が講じられていくことに期待したい。
