『星のカービィ ディスカバリー』の新アプデ、「実は本作初アプデ」として驚き広がる。“平和”すぎて3年以上アプデと無縁

任天堂は8月21日、『星のカービィ ディスカバリー』に向けて更新データVer.1.1.0を配信した。8月28日に発売予定の「Nintendo Switch 2 Edition ＋ スターリーワールド」（以下、Nintendo Switch 2 Edition）に対応するためのアップデートだ。一方、本作に向けて“アップデートが配信されたこと”自体が注目されているようだ。

本作は、『星のカービィ』シリーズの最新作。2022年3月にNintendo Switch向けに発売された。『星のカービィ』の本編シリーズ初の3Dアクションゲームとなっており、奥行きのあるステージをカービィが縦横無尽に駆けまわる。自動車や三角コーンなどをほおばって新たな能力を発揮する「ほおばりヘンケイ」や、コピー能力にさまざまなバリエーションをもたらす進化、ステージでワドルディを助けるごとに発展していく町づくりなど、多彩な要素が用意されている。

そんな本作のNintendo Switch 2 Editionが8月28日に配信予定。解像度やフレームレートの向上といったグラフィック面の強化に加えて、新たなストーリー「スターリーワールド」が導入。本編の世界が不思議な流星の力によって変貌し、砕けて各地に散らばった流星のかけらを巡る冒険が描かれる。

同エディションに向けたアップデートとして8月21日、本作にひと足早く更新データVer.1.1.0が配信された。内容としては、Nintendo Switch 2 Editionへの対応のほか、ゲームを快適に遊べるように問題修正がおこなわれたとのこと。Nintendo Switch 2 Editionへの対応以外は小規模な内容ながら、一部ユーザー間で本アップデートが注目を浴びているようだ。

というのも更新データVer.1.1.0は、発売から3年以上が経過する本作にとって初めて実施されたアップデートとなっている。ここまでアップデートが配信されなかったのは、目立った不具合もなく、ユーザー反応を見ても遊びにくさに繋がるようなゲームバランスの悪い部分もないと判断されてきたわけだろう。近年では発売後のアップデートで不具合修正や調整がおこなわれるゲームも一般的ながら、本作ではまったくおこなわれなかったわけだ。

なお本作は本編シリーズ初の3Dアクションゲームとして、任天堂とハル研究所の入念なすり合わせで形作られていったという（開発者に訊きました）。元々ハル研究所の開発作品は不具合の少なさに定評があるものの、実際のプレイで試行錯誤が繰り返されたことも、さらなるブラッシュアップに繋がった可能性はありそうだ。

一方で不具合が一切ないわけではなく、たとえば有名なものとして本作には“ハンマーバグ（Hammer Super Jump）”といった通称のグリッチが存在。ハンマーのコピー能力にてホバリングをし、カービィの息が切れたら空中でハンマーを振り下ろし、着地と同時にジャンプを入力することで通常のプレイでは不可能なほど高くジャンプをすることが可能となる。一部ギミックなどを無視して進行できることから、RTAなどでも活用されてきた（関連記事）。

そうした背景もあるからかは不明ながら、更新データVer.1.1.0でもハンマーバグは修正の対象とならなかったようだ。編集部でも実際にハンマーバグを試してみたところ、従来どおり用いることができた。著名な不具合ではあるものの3年以上“見逃されてきた”とみられ、更新データ配信のタイミングでも修正対象とはならなかったのかもしれない。

ちなみに“アップデートが少ない”ことで知られるタイトルとしては、『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』などが挙げられる。同作では発売直後に一度アップデートが実施され、軽微な不具合修正がおこなわれたのみ。グリッチ自体はあるものの大きな不具合はなく、発売時点での完成度ゆえにアップデートが少なかったタイトルといえるだろう。

『星のカービィ ディスカバリー』でも万全の状態で発売され深刻な問題がなかったことが、3年以上にわたってアップデートと無縁の状態を実現していたとみられる。なお先述のとおり本作にて初めて配信された更新データは、Nintendo Switch 2 Editionに向けたアップデートとなっており、同エディションでは「スターリーワールド」と共にさまざまな新要素が実装予定。引き続き不具合の少ない、高品質なゲームプレイが期待される。

『星のカービィ ディスカバリー』はNintendo Switch向け発売中だ。Nintendo Switch 2 Editionは8月28日に配信予定。