“全NPC殺害可能”メルヘン非道RPG『BLACK SOULS』Steam版、マッハで「圧倒的に好評」の大盛況。18禁同人発、自由と狂気のダークファンタジー

OTAKU Planは日本時間8月16日、Eeny, meeny, miny, moe?が手がけるRPG『BLACK SOULS』のSteam版をリリースした。

パブリッシャーのOTAKU Planは日本時間8月16日、Eeny, meeny, miny, moe?が手がけるRPG『BLACK SOULS』のSteam版をリリースした。ゲーム内は日本語表示に対応している。本作はさっそく大変な人気を集めている。

『BLACK SOULS』は、童話の世界で繰り広げられるダークファンタジーRPGである。本作の世界には、霧によって人間が恐ろしい獣へと姿を変える現象により絶望が広がっている。プレイヤーはそんな世界を一人の「不死者」として冒険することになる。

本作はもともと2017年にDLsiteでリリースされた「RPG Maker VX Ace」製のR-18作品で、「ダークメルヘン」シリーズの2作目にあたる。本作とその続編にあたる『BLACKSOULSII -愛しき貴方へ贈る不思議の国-』はともに、DLsite上で4万本以上を販売している人気作だ。その人気は国内だけに留まらず、開発者のSNSでは英語圏や中国語圏からのファンアートも多数確認できる。海外からはSteamで手軽に入手できるようになったかたちだ。

ゲームプレイでもっとも特徴的である点のひとつは、全NPCを殺害可能であることだ。会話シーンで現れる選択肢には、通常の交流を図るもののほかに「殺害する」「止めを刺す」といったものが当たり前のように紛れ込んでいる。欲望のままに生きるか、正義を貫くかはプレイヤー次第だ。

また、本作にはタイトルを含め、フロムソフトウェアの『DARK SOULS』シリーズを彷彿とさせる要素も多い。ゲーム開始時のキャラメイクでは騎士・盗賊・魔術師の中から素性を選択することになるほか、ゆく先々でソウルを獲得し、焚き火の燃え跡に触れると「BONFIRE LIT」というメッセージとともに篝火を灯すことができるなど、ツクール製の作品ながら同シリーズをプレイしている感覚を味わえるだろう。

戦闘は行動ゲージが溜まると行動できるアクティブタイムバトルで、プレイヤーは低コストで使用できる「回避」「パリィ」を最初から覚えている。自分と敵の行動ゲージを見比べて適切なタイミングで回避やパリィをおこなうシステムは、モーションを観察して敵の攻撃に合わせて回避行動をとるアクションの感覚がうまくRPGに落とし込まれていると言える。ヒロインを仲間にすると「NPCの召喚」よろしく戦闘中に呼び出すこともできる。

そんな本作はSteamでのリリースからさっそく人気を博しており、同時接続プレイヤー数は本稿執筆時点で最大2211人を記録(SteamDB)。またSteamユーザーレビューはすでに1300件以上、そのうち96%が好評とする「圧倒的に好評」ステータスを獲得している。本作は童話の世界をモチーフとしたかわいらしいキャラクターたちと、『DARK SOULS』シリーズをオマージュした仄暗い世界観や戦闘、そしてNPCに非道な行為をすることもできる自由さと、オープンワールドなマップが見事に絡み合い、濃厚な物語が展開される作品だ。

レビューでは旧来からのファンと思われるプレイヤーからSteam版リリースを祝う声が寄せられているほか、ストーリーを高く評価する声も多く見られる。特定のヒロインに向けた愛の叫びのようなものも国内外問わず確認でき、本作の世界観とキャラクターたちに魅了されている人がいかに多いかを見てとれるだろう。

本作を手がけるEeny, meeny, miny, moe?は、国内では「イニミニマニモ?」というカタカナ表記で知られる同人サークルである。ニコニコ動画にホラーやグロテスク要素を含む東方二次創作動画「東方異形郷」シリーズを投稿していたことでも知られるクリエイター寿司勇者トロ氏の個人サークルで、本作の開発もすべて一人で手がけている。今後は続編にあたる『BLACK SOULS II』のSteam版リリースも予定されており、同氏の世界的な活躍が期待される。

ちなみに本作のSteam版は特に成人向け指定はなく、成人向けのDLsite版とは収録内容が大きく異なる。Steam版そのままでは挿絵やアイコンなどが大幅にカットされた状態となっており、18歳以上のユーザー向けには公式サイトなどでパッチが配信されている。


『BLACK SOULS』はPC(Steam)向けに配信中。現在はリリース記念セールを開催中で、8月30日までの期間限定で定価の10%オフとなる税込1485円で購入可能だ。

Naoto Morooka
Naoto Morooka

1000時間まではチュートリアルと言われるようなゲームが大好物。言語学や神話も好きで、ゲームに独自の言語や神話が出てくると小躍りします。

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