PS5/Steam基本プレイ無料・大作オープンワールド『風燕伝:Where Winds Meet』ってどんなゲーム?味付け次第でシングルとしてもマルチとしても遊べる、変幻自在の味変推奨ゲーム
『風燕伝:Where Winds Meet』は、Everstone Studioが手がけるオープンワールド武侠アクションRPGだ。本稿では本作のゲームプレイを紹介していく。

NetEase Gamesは『風燕伝:Where Winds Meet』を2025年内にグローバルリリース予定だ。対応プラットフォームはPC(Steam)/PS5で、基本プレイ無料で配信予定。
本作は、Everstone Studioが手がけるオープンワールド武侠アクションRPGだ。舞台となるのは10世紀の中国である。当時の中国では、栄華を誇った唐が滅亡。多数の王朝や政権が興亡し、「五代十国時代」と呼ばれる混乱の時代となっていた。プレイヤーは戦乱の世を生きる若き侠客として、中国の地を冒険することになる。

本作は『Where Winds Meet(中国語タイトル:燕云十六声)』として、中国向けに先行配信中。今年2月には、プレイヤー数が1500万人を超えていることも伝えられている人気作だ(関連記事)。今年中に、日本を含めた地域にグローバルリリースされる予定である。
そんな『風燕伝:Where Winds Meet』は7月25日から8月1日まで、クローズドのファイナルβテストを実施していた。弊誌もテストに参加することができたので、本稿では本作のゲームプレイを紹介していく。
シングルとマルチの2モードが存在

『風燕伝:Where Winds Meet』には、シングルモードとマルチモードという、ふたつのモードが存在している。両モードは同じオープンワールドのマップを使用し、好きなタイミングで切り替えることが可能。しかし同じボスでも、シングルとマルチでは挙動が大きく変わることがあるなど、両モードではゲームプレイが少々異なっている。いずれにせよ、まずはシングルモードでキャラメイクをおこなうことになるため、始めにシングルプレイについて紹介する。
シングルモードにはメインストーリーがしっかりと用意されている。カットシーンを挟みながらミッションをこなし、動乱の中国をめぐる物語を追っていくのだ。メインミッションが一区切りしたタイミングでは、オープンワールドを自由に探索することが可能。フィールドにはさまざまなサイドクエストやアクティビティが存在しており、特定の場所ではボスといきなり戦闘になることもある。

“死にゲー”風のアクション
戦闘システムとしては、いわゆるパリィにあたる「受け流し」を中心とした攻防が繰り広げられる。普通の防御や回避も用意されているが、タイミングよく受け流しを決めることで敵のゲージを削っていくと、やがてダウンさせて大ダメージを与えることができる。近年のいわゆる“死にゲー”に見られるような、アクション性の高いバトルが展開されるわけだ。
また本作には難易度設定が存在しており、敵の強さを調整可能。さらにノーマル以下の難易度では、受け流しのタイミングの瞬間に時間がスローになる補助機能が利用可能になっている。一方筆者が難易度ハードを体験した印象では、受け流しを精度よく決めていかないとボスに勝つのは難しく、緊張感のあるバトルが展開される。ハードを超える難易度も用意されており、随時変更可能な難易度システムによって、緩めにも厳しめにも遊べるシステムになっていた。

そんなシングルモードにおいても、緩やかなマルチ要素は存在している。たとえば本作では、フィールドの好きな場所にメッセージを書き残すことが可能。筆者はとあるダンジョン内の崖の前で、「飛び降りた先に隠し通路がある」という旨のメッセージを見つけた。いくつか「いいね」が付いていたが、本当か嘘か判断がつかず、10秒ほど本気で悩んだ。
そのときは結局飛び降りたのだが、結果については伏せておくことにする。あえて言うなら、筆者は親切な助言とイジワルメッセージが入り乱れる、ソウルライク風の緩やかな繋がりを感じながら探検を楽しんだということだ。

AIとの交流などアクティビティも
フィールドには街も存在しており、NPCらが生活している。NPCのなかにはAIが搭載されたキャラもいて、そうしたキャラはなんと自由にチャットが可能。キャラごとに最初の会話のシチュエーションは決まっており、たとえばあるキャラは「一生懸命頑張っているのに、なかなか恋人ができない」と落ち込んでいる。上手くAIと会話して慰めることができれば、好感度が上がって友人になれるといった仕様だった。

AIはおそらく大規模言語モデルを利用していると思われ、筆者のとりとめのない発言にも、そのキャラクターとして違和感のない反応を見せていた。各地にこうしたAI付きのNPCが複数存在しており、作中の固有名詞も交えた会話で世界観を掘り下げる。筆者が体験した範囲では会話に成功するとちょっとしたアイテムが貰える程度で、それほどゲームプレイ自体に得はなかったが、没入感という点で非常に興味深く感じた要素だ。
バトルと直接かかわらないアクティビティはほかにも多数あり、たとえば気を送って病を治す医者となるミニゲームや、口論専用のカードバトルシステムなどが存在。また釣りや麻雀も用意されているほか、フィールドに家を建てられる建築システムなども存在していた。非戦闘系のコンテンツも豊富に用意されていた印象である。

オンラインRPG風のマルチモード
一方のマルチモードでは最大4人のプレイヤーを招いて、合計5人でダンジョンやボス戦といったコンテンツを一緒に遊ぶことが可能。メインミッションなど一部のコンテンツはシングルモード専用のようだったが、協力プレイに対応しているサイドミッションは一緒に攻略することもできた。
一部のボスは、モーションなどがマルチ用に調整され、範囲攻撃が多用されるように大きく変化していた。少なくとも特定のマルチコンテンツでは、受け流しを中心としたアクションというよりは、パーティー編成とビルドが重要になるオンラインRPG的なバトルに様変わりしていた印象だった。
また筆者は今回の先行プレイではあまり深く体験できなかったが、マルチ要素についてはフィールドで一緒に冒険するほかにも、さまざまなコンテンツが用意されている様子。PvEやPvP、ギルド戦や気楽なミニゲームなど、いろいろな遊び方ができるようだ。

好み次第でいろいろな遊び方ができる作品
以上が、筆者が今回ファイナルβテストで体験した内容だ。改めてまとめると、本作はプレイヤーの好み次第でいろいろな遊び方ができる作品だった。シングルモードでは難易度を下げて気楽にオープンワールドの冒険を楽しむことも、高難度モードで死にゲーアクションとして遊ぶこともできる。一方のマルチモードでは、よりオンラインRPGに近いゲームプレイが体験可能。大作オープンワールドゲームとしていろいろな作品を参考にしつつ、10世紀中国を舞台とした武侠物という世界観でまとめている印象である。
ソーシャル要素については、グローバルチャットやギルドなどが用意されているので、好きな人なら存分に交流できる。一方、ソーシャル関連のメッセージを受け取らない設定もあり、その場合はプレイ中にほかのプレイヤーの存在を感じることはほとんどない。また本作はライブサービス型の基本プレイ無料作品だが、課金要素はスキンなどゲームプレイに直接かかわらないものに限定されるとのこと。メインストーリーはチャプターごとに追加されていく形式となるようだが、シングルモードでは買い切り型ゲームに近いプレイ体験ができるだろう。
『風燕伝:Where Winds Meet』はPC(Steam)/PS5向けに、2025年内にグローバルリリース予定だ。