マルチ対応新作クラフトARPG『クラウドハイム』は“戦闘アクション本気特化”な尖りっぷりだった。お手軽斬新クラフトシステムなどオープンベータで体感
Noodle Cat Gamesは7月19日、協力型アクションRPG『クラウドハイム』のオープンベータテストを開始した。本稿ではテストの内容に基づき、本作の持ち味を紹介していく。

デベロッパーのNoodle Cat Gamesは7月19日、『クラウドハイム』のオープンベータテストを開始した。対応プラットフォームはPC(Steam/Epic Gamesストア)で、開催期間は日本時間7月19日1時から7月22日1時まで。
本作は北欧神話風の世界を舞台とする、協力型アクションRPGだ。最大4人でのオンライン協力プレイに対応している。物理演算を用いたハイペースなアクションや、シームレスなクラフトシステムが特徴だ。先述した期間限定でオープンベータテストが開催されており、このたび筆者もソロプレイにて参加してみたため、その様子をお伝えしたい。なお本作は製品版で日本語表示に対応予定ながら、オープンベータテスト時点では日本語設定をおこなったとしても大半の表記が英語となるため留意されたい。
広大なマップを冒険
はじめに、本作のゲームプレイの流れを簡単に説明する。チュートリアルを終えたのち、プレイヤーは拠点となる巨大な空島「オーディンシェル」へと降り立つことになる。ここは冒険の準備を整えることができる自らの拠点だ。

オーディンシェルからはゲートを介してそれぞれのマップへとワープすることが可能。オープンベータテストでは「Arcadia 」と「Arcadia Outlands」という2つの島のみが探索できた。とはいえ、それぞれのマップはかなり広大でなかなかのボリューム。フィールド上には敵モンスターやボスが待ち構える無数のランドマークが存在している。

ところで、島を探索する過程でゲートを見つけることがある。各地のゲートはさらに別の空間へ通じており、独立したダンジョンに挑むことができるのだ。ダンジョン内にはパズルのような謎解き要素が存在する区画もあり、フィールド探索とは一味違った楽しみがある。

そうして探索の成果やダンジョンの報酬を手にしたら、ゲートでオーディンシェルへと帰還。集めたアイテムで装備を更新し、また次の冒険へと出発するのだ。
浮遊感のある戦闘
次に、本作の持ち味ともいえる戦闘システムを紹介しよう。なお本稿では操作についてキーボード・マウス準拠で説明していくものの、本作はオープンベータテスト時点でゲームパッド操作にも対応している。基本操作としては、WASDキーによる移動に加えて、回避とジャンプが存在する。回避入力後は自動でスプリント状態となり、移動やジャンプが強化される。敵の攻撃を避けるだけでなく、ダッシュボタンとしての役割も兼ねているわけだ。またジャンプは連続で3回まで可能。またオブジェクトにインタラクトするための共通アクションとして、紐による引き寄せとキックが存在する。

そして攻撃アクションとしては、左右のマウスクリックが装備する2つの武器の通常攻撃にそれぞれ対応。さらに各武器がもつスキル2つと、汎用スキル2つの計4つのスキルを駆使して戦う。見ての通り、本作はかなりアクションが豊富であり、慣れるまでは手元がかなり忙しくなる。その分戦闘の自由度は高く、空中においても攻撃や回避がおこなえるため、立体的かつスピード感のある戦闘が可能だ。
戦闘中、地面には敵の攻撃に合わせて赤いハイライト表示が出現する。これらを参考に、タイミングよく攻撃を回避しながら、敵に連撃を加えていく。スキルによっては相手を空中に打ち上げることもでき、敵を吹っ飛ばしたりバウンドさせたりといった豪快な戦闘が展開される。

なお、スキルや回避などの各アクションにはクールダウンが存在する。しかし、本作には「マナバーン」というシステムが導入されており、基本的にはそれらのクールダウンを無視して連続で使用することができるのだ。ただし、繰り返し使用し続けると専用のゲージが増加していき、最終的には「オーバーロード」状態に。一定時間あらゆるスキルの使用が封じられ、行動に大きな制限が加わる。ゲージの上昇にともなって画面を覆う紫色のエフェクトと相まって、スキルの連続使用中はまるでフィーバー状態。クールダウンの無視はどこか“ズル”をしているような感覚も生まれ、かなり爽快感があった。

武器には「マスタリー」システムが存在し、使い込むことで性能が上昇する。習得しきることで、武器種ごとに対応するステータスにボーナスが付くため、どんどん新しい武器を持ち替えながら遊ぶのがよいだろう。
斬新なクラフトシステム
フィールドやダンジョンで手に入れたアイテムは、オーディンシェルの拠点中央に出現する宝箱からまとめて取得可能。本作では、従来のゲームにあるようなクラフト画面などのUIを撤廃し、「視覚的クラフトシステム」を導入。施設作成メニューなど一部の例外を除き、三人称視点のままアイテムを特定の施設に投げ込むことでアイテムを使用することができるのだ。
まずは施設の作成から。拠点中央付近に存在するブックスタンドでは、お金を消費して施設を作成可能。なお、次に施設を作成する際に邪魔になってしまうため、作成した施設は拠点の好きな場所に移動させておこう。

はじめに「Smelter(溶鉱炉)」を作成してみる。溶鉱炉は鉱石を精錬するための施設だ。先ほど報酬で入手した鉱石を右クリックで掴み、溶鉱炉に向かって左クリックで投入することで精錬が開始。スタックされているアイテムは、長押しすることで一気にアイテムを投入することができる。大量のアイテムが一気に投げ込まれる様子は、見ていてとても気持ちがいい。

次に、溶鉱炉で精錬して入手した「Bar(延べ棒)」を「Forge(鍛冶場)」で武器へと加工する。3つの延べ棒を組み合わせることで武器を1つ作成することができる。なお、使用される素材の組み合わせのみがレシピに影響し、作成される武器種はランダム。ただし、使用される金属の種類によって作成される武器にボーナスが付く。

また、不要なアイテムは売店に並べてNPCに売ることができるほか、「Gnasher」というペットに一定量与えることで、スキルなどの特別な報酬に変換してくれる。アイテムの売却や破棄にも「視覚的クラフトシステム」が活用されているというわけだ。
挑戦的なアクションRPG
本作に対して抱いた一番の印象として、戦闘が想像以上に爽快だった。筆者のお気に入りの攻撃アクションは、一部の武器種で空中で使用可能な落下しながらの回転攻撃。回避と組み合わせることでかなり軽快に立ちまわることができ、かなり癖になるはずだ。また前述したマナバーンシステムのおかげでスキルを連発することができ、アクションゲームで起こりがちな「クールダウンに意識が割かれすぎる」という状況が起こりにくく、戦闘自体に没頭できた。
ちなみに、複数段ある武器の通常攻撃アニメーションは、別のスキルを使用したあとでもその時点から再生される模様。つまり、スキルやもう一方の武器攻撃を間に織り交ぜながら自由にコンボを繰り出すことができるのだ。開発元は本作の戦闘システムを作るうえで「格闘ゲーム」を参考にしたと話していることからもわかるように、攻撃を思うがままに繋いでいく楽しさが引き出されていると感じた。

なお本作には特定の武器種に紐づいていた4種類の「クラス」が実装されている。武器の経験によってクラスごとにそれぞれ異なるレベルが育っていくが、プレイヤーが意識して使い分ける必要が現状ではあまりない。それぞれが特殊なアビリティを持っているなど、クラス制であることの意味がもう少し出ると、武器種の選択にも戦略が生まれそうだ。
また「視覚的クラフトシステム」は斬新であり、一度の探索で手に入るアイテムの量が多い分、入手したアイテムを大量に施設に投入する瞬間などはかなり楽しい。ただし、やはりUIがない都合上、製品版でもシンプルなままのシステムになりそうなほか、武器が完全にランダムで作成される点については不自由さも感じたところ。また、アイテムを拠点内に直接転がすという仕様上、施設によっては生成されたアイテムが地面との間に挟まってしまうこともあった。斬新かつ戦闘重視の本作にぴったりなシステムではあり、製品版でどのように課題が解消されているのかも期待したいシステムであった。

総じてかなり戦闘が楽しいため、気になった方はぜひオープンベータテストで本作を体験してみてほしい。Steamではストアページの「アクセスをリクエスト」ボタンを押すことで、Epic Gamesストアではオープンベータ専用の商品ページからゲームを入手することでそれぞれインストール可能だ。製品版の発売にも期待していきたい。
『クラウドハイム(Cloudheim)』はPC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5/Xbox Series X|S向けに、2025年リリース予定。PCを対象としたオープンベータテストが日本時間7月19日午前1時から7月22日午前1時まで開催中。