任天堂、カナダでのNintendo Switchの“値上げ”を予告。世界初

Nintendo of Canadaは現地時間6月30日、Nintendo Switchについて価格を改定すると発表。具体的な変動具合は明かされていないものの、値上げするとみられており、いわゆる定価の値上げは世界初となる。

Nintendo of Canadaは現地時間6月30日、Nintendo Switchについて市場状況を原因として、カナダにおいて価格の改定をすると発表。この発表を受けGameSpotなど各メディアでは、実質的な値上げ予告だとして受け止められている。なおカナダにてNintendo Switchの公式希望小売価格が値上げされた場合、Nintendo Switch販売史上で世界初となるようだ。なおNintendo Switch 2およびその関連商品は価格改定の対象外とされている。

Nintendo Switchは任天堂から2017年3月に発売されたコンソール機だ。携帯モードと据え置き機モード(TVモード)を切り替えられることが特徴。『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』や『あつまれ どうぶつの森』などの人気タイトルを擁しており、累計売上台数は2025年3月末時点で1億5212万台となっている。

今回そんなNintendo Switchについて、カナダにおける価格改定がおこなわれると発表された。この価格改定は通常モデル、有機ELモデル、Nintendo Switch Lite、そしてNintendo Switch用ゲームソフトなど、すべてのNintendo Switchファミリーについて適用されるとされている。たとえば、現在はNintendo Switch本体は400カナダドル(約4万2200円)、Nintendo Switch Liteでは260カナダドル(約2万7500円)で販売されており、この希望小売価格が改定されるようだ。

なおNintendo of Canadaの発表では、あくまで市場の状況を鑑みて価格を変更する(change based on market conditions)との記述に留まっており、明確に「値上げ」が宣言されたわけではない。とはいえ、カナダを取り巻く市場状況を踏まえて、GameSpotなど各メディアには“実質的な値上げ表明”として報じられている。

というのも、カナダにおいては、任天堂がアメリカに輸出した商品を再度カナダに向けて輸出することによって流通させているといった実態が報じられており、二度の輸出を経ているため、為替レートや関税などの影響を受けやすい。カナダでは現在1アメリカドルあたり約1.35カナダドルとカナダドル安状態になっている。さらに2020年頃にはレートが約1.2CAD/USDで、ここ数年は緩やかなカナダドル安傾向となっており、これが価格に影響しているのではないかという見方が存在している。

なおNintendo Switchそのものはアメリカとの貿易において関税の対象外とみられる(Canada Border Services Agency)。とはいえ、輸送コストの上昇や貿易摩擦を受けた価格転嫁などの複数の要因も存在。こうした複合的理由によって“実質値上げ”として推察されているかたちだ。

ちなみに今回の発表では具体的な価格の変更は伝えられておらず、現地時間の8月1日にカナダにおけるNintendo Switch関連商品の価格が発表されるとしている。またNintendo Switch 2本体および関連商品については対象外であることも明言された。

Nintendo Switchについては2017年の発売以来、各国での地域要因として実質的な販売価格が値上げされたことはあるものの、任天堂の希望小売価格が値上げされたことはなかった。もし値上げが実施されれば公式の希望小売価格の値上げとしては世界初となる。今後も為替、関税といった市場状況の変化により、カナダ以外での希望小売価格改定なども考えられ、引き続き市場動向、そして任天堂からのアナウンスには注目されるところだろう。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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