『ステラーブレイド』開発者、アダルトMod禁止しないと明言。ただし今は公式コンテンツの方が優れてる

Shift Upは6月12日、『ステラーブレイド（Stellar Blade）』をPC向けにリリースした。そして6月14日、同社のCEOキム・ヒョンテ氏に対して、韓国メディアThisisgameがインタビューを実施。インタビューにおいてアダルトModを禁止しないことが明かされている。

『ステラーブレイド』は、侵略者から地球を取り戻すために戦うアクション・アドベンチャーゲームだ。本作の地球は、突如現れたネイティブと呼ばれる敵に襲われ、占領されていた。コロニーから降り立った兵士イヴは、人類の未来を取り戻すため、地球に残った生存者アダムや、かつて空挺部隊の隊員であるリリーと協力し、ネイティブに立ち向かうこととなる。また本作については、主人公含む女性キャラの露出が多かったり、セクシーな印象を装ったりしている点も特徴だ。

本作のディレクターであるキム・ヒョンテ氏は、過去には『マグナカルタ』のキャラクターデザインなどを担当し、自身のスタジオShift Upを設立。『DESTINY CHILD』や『勝利の女神：NIKKE』を手がけてきたことで知られるクリエイターであり、同社のCEOも務めている。『ステラーブレイド』のPC版発売前には、Modの使用や制作を全面的に支持する立場であることが語られていた（関連記事）。

そんなキム・ヒョンテ氏に対して、本作のPC版の高い人気を受けてインタビューが実施された。インタビューではキーボードマウス対応やウルトラワイド対応などPC向け最適化の苦労、ストーリーテリングが弱いという指摘について開発コスト削減のためいくつかのカットシーンを省かざるを得なかったなどの裏話が語られている。

そしてインタビューの後半ではPC版のModについての方針や立場を問われ、「定まった方針はありません。不正利用でない限り、Modもゲームのプレイ体験や領域を広げてくれる肯定的な役割を果たすと考えています」と肯定的な立場であると回答。続いて、「まだModderの火力が弱いです。今のところは公式コンテンツの方が優れていると思います」と回答した。同氏はゲームの遊び方を変えたり、プレイ体験を拡張するようなModの登場に期待しているという。

さらに、アダルトModに対して制限を考えているかという質問に対しては、「『ステラーブレイド』は青少年利用不可レーティング（日本では17歳以上対象となるCEROレーティングD）なので、そのようなModを制限する大義名分がないと考えています。Modが開発会社によって完全に制御された事例もおそらくないでしょう」と回答。ゲームを所有している以上は、ゲームの楽しみ方はユーザーの選択と自由であり、制限するつもりはないそうだ。ただし、常識的な範囲で活動し、反社会的であったりセンシティブな部分には気をつけてほしいとも述べており、アダルトModを販売するような人が増えることには懸念を示している。

世界最大級のMod投稿サイトNexus Modsには本稿執筆時点で418件のModが投稿されており、そのうち156件がアダルトコンテンツに分類されている。割合として約40%がアダルトModであり、人気上位のModもアダルトModが多数を占めている。Mod投稿サイトはほかにも存在しており、数多くのアダルトModが溢れているものの、今回あらためてアダルトModを制限しないことが伝えられ、Modderおよびユーザーは少なくとも“禁じられた遊び”をしているわけではないことにはなる。

ちなみに、現在はスキンを変更するようなMod以外にも、パリィの判定時間を伸ばすModや釣り時間を短縮するMod、さらにはプレイヤーのシールドを無効化する高難易度化Modや初期の回復アイテムを失う代わりにHP吸収量を増やすModといったゲーム体験を変更するようなModも登場してきている。キム・ヒョンテ氏の期待に寄り添い導入してみるのもいいだろう。

なお、アダルトModの扱いについては各社によって立場は分かれると思われるものの、おおむね「公序良俗に反してはいけない」という考えは共通しているようだ。たとえば『FF14』のプロデューサー兼ディレクターである吉田直樹氏はMod文化に肯定的であるとしつつ、卑猥なModのスクリーンショットをSNSにアップロードする行為は公序良俗に反しているためNGであると述べている（関連記事）。キム・ヒョンテ氏もセンシティブな部分に気を付けてほしいと述べているため、一般的な常識の範囲内で利用するよう留意されたい。

『ステラーブレイド』はPC（Steam/Epic Gamesストア）およびPS5向けに販売中だ。