ダンジョンPvPvE『Dark and Darker』、なんとEpic Gamesストアから“完全消滅”へ。所有者のライブラリからも消える予定

Epic Gamesは6月17日、Epic Gamesストアでの『Dark and Darker』所有者に向けて同作をライブラリから削除予定であることを告知した。11月1日をもって本作はEpic Gamesストアのライブラリから削除され、プレイ不可となる。なおEpic Gamesストアではすでに本作のストアページが閉鎖済み。今回は閉鎖前にライブラリに追加していたユーザー向けの案内がおこなわれた格好だ。

本作は、韓国のスタジオIRONMACEが手がける、一人称視点のマルチプレイダンジョン探索ゲームだ。基本となるPvPvEモードでは、プレイヤーは最大3人でパーティを組んでダンジョンに潜り、ほかのプレイヤーやモンスターと戦うこととなる。また4月には敵プレイヤーが参加しないPvEモードが実装された（関連記事）。いずれのモードでも、ダンジョン内で宝をかき集め、脱出ポータルから帰還することが目標。ただし死ぬと所持品は失われてしまう。

本作はEpic Gamesストアにおいては2024年3月に基本プレイ無料にて配信開始。しかし今年3月に突如ストアページが閉鎖され、新たにライブラリに追加することができなくなった。

ストアページ削除前にライブラリに追加していたユーザーについては、引き続きインストールやプレイは可能。しかし今回Epic Gamesは本作の所有者に向けて、本作を11月1日にライブラリからも削除予定であることを通知した。読者報告のほか、筆者も同様のメールを確認している。

またあわせてEpic Gamesストア上では、ゲーム内有償通貨であるRedstone Shard、および「レジェンダリー・ステータス」アップグレードの販売が終了。すでに購入済みのRedstone Shardについて払い戻しはおこなわれず、11月1日まで使用可能だという。一方でレジェンダリー・ステータスの購入者すべてに対して払い戻しが実施。購入時の支払い方法に応じて返金がおこなわれ、それが不可能な場合はEpic Gamesストアアカウントの残高に返金されるそうだ。

なおEpic Gamesは本作のストアページ、およびライブラリからの削除は、本作を巡って韓国でおこなわれている裁判を考慮した対応であると説明している。というのも本作の開発元IRONMACEに対しては、ネクソンが訴訟を提起。ネクソン側は、IRONMACEの一部スタッフがかつてネクソンにて未発表の開発タイトルの開発に携わっており、秘密保持義務に違反して同作の情報を持ち出し『Dark and Darker』の開発に利用したと主張。著作権や営業秘密を侵害されたとして、韓国にて不正競争防止法の違反に基づく民事訴訟がおこなわれてきた（関連記事）。

そして今年2月の一審判決では、著作権侵害の疑いについては退けられたものの、営業秘密保護法の違反について認定。IRONMACEはネクソンに対して85億ウォン（約9億円）の損害賠償を支払うように命じられた（関連記事）。この判決も、Epic Gamesストアが本作をストアから削除した背景にあるのだろう。なおネクソンはこの判決を控訴しており、7月に予定されている控訴審を待つ状態にある。

そうした中でEpic Gamesストアでは所有者のライブラリからも本作が削除されるという、徹底した対応がおこなわれることが告知されたわけだ。ただ本作は公式ランチャーであるBlacksmithのほか、Steamでも引き続き配信中。今回のEpic Gamesストア版サポート終了決定にあたり、IRONMACEはBlacksmith版へのアカウントの移行を案内している。ゲームを起動して移行用のコードを取得し、Blacksmith版にて入力することでアカウントを移行することが可能だ。ただし「レジェンダリー・ステータス」アップグレードや、所有していたRedstone Shardについては引き継がれない。またBlacksmith版ですでにキャラクターを作成していた場合は、すべて削除してから移行をおこなうように案内されている。

『Dark and Darker』はPC（Steam/公式サイト）向けに基本プレイ無料にて配信中だ。Epic Gamesストア版はすでに配信が終了されており、所有者のライブラリから11月1日に削除予定。