新作MMORPG『レイヴン2』マルチプレイでギルドダンジョン攻略したら「失敗だらけ」で大変だった。何もかも情報不足、だからこそ”みんなと試行錯誤”が楽しい
気になるのは「マルチプレイ」の仕様だろう。

ネットマーブルは5月28日、MMORPG『RAVEN2(以下、レイヴン2)』を日本国内向けに正式リリースした。プラットフォームはPC/iOS/Android。
PC
https://raven2w.netmarble.com/ja
iOS
https://apps.apple.com/jp/app/%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%B4%E3%83%B32-raven2/id6448719154
Android
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.netmarble.raven2
『レイヴン2』は、2015年からスマートフォン向けに配信されていたアクションRPG『RAVEN』の正式な続編となるMMORPGだ。前作から続くダークファンタジーの世界観にMMOの協力・対戦などの要素をかけ合わせた意欲作で、”究極のMMORPG”を謳っている。本作を手掛けるネットマーブルが拠点を置く韓国では、1年前に正式リリースされ人気を博しており、このたびついに日本でも待望の正式リリースを迎えた期待のタイトルだ。
となると、気になるのは「マルチプレイ」の仕様だろう。本作ではどんなマルチプレイ体験ができるのだろうか?知らないこと・わからないことだらけのMMORPGを、他のプレイヤーと一緒に試行錯誤していく様相を楽しんでいただきたい。
「手を引いてもらうように」ギルドダンジョンへ
多くのMMOと同様に、本作にもギルドシステムが存在する。ギルドに加入した際にのみプレイ可能なギルドダンジョンに踏み込むため、筆者もレベル20になるや否や、ギルドに飛び込んでみた。
筆者にとってギルドダンジョンは初めてとなるため、なるべく同行メンバーに迷惑を掛けないよう慎重に進もうと考えていると、先行ギルドメンバーがアジトへと誘ってくれた。アジトでは、ちょっとしたバフも適用でき、メンバーリストで名前だけ知っていた人たちと、初めてキャラクターの姿で顔合わせができ、ダンジョンも楽しみになってきた。なんだか懐かしいドキドキである。

また、ダンジョン入場前にリーダーが、「四方から来る敵が中央の柱(ギルド守護石)にダメージを与えないよう守るミッション」だと軽く説明してくれた。つまりタワーディフェンスのようなものだろうと理解し、少し緊張しながら開始を待つ。説明してくれたリーダー、優しい……。

第1ウェーブが開始となり、敵が押し寄せてくる。どうやらウェーブ形式のようだ。10人の参加者でうまく分散し、難なく敵を討伐して柱を守る。小型モンスターがひとしきり湧いて、それを討伐し終えるとボスの登場。ここまででひとつのウェーブだということがわかった。
筆者も初めてながらに、防御力の高さを武器に敵を引き付け、ウェーブを乗り切った。このときまでは、特に作戦のため声を掛け合うことはなくとも、各々がそれぞれの場所でできることをすればうまく行っていた。ボス戦も含め、合間にチャットで軽口を叩く程度には余裕があった。何もわからない状態ではあるが、共闘するのはとにかく楽しいものである。



しかしこの第1ウェーブはほんの小手調べに過ぎなかった。続く第2、第3ウェーブは当然難易度が上がっていく。特にウェーブ2のボス「かじる者ナティン」は、強く感じた。


プレイヤー側は、ボスの敵視を制御することはできないため、ほぼランダムに見えるターゲット変更に翻弄される。ウェーブ1のボス以上の広範囲攻撃で柱の耐久ゲージが削れるたびハラハラしつつ、メンバーと協力しながら距離感を測る。ウェーブ1の余裕さに比べると、明らかに場の空気が緊迫したのを感じる。緊張感がすごい。
筆者の頭にある“ゲーム脳”の部分も、「すべてのウェーブがワンパターンであるはずはない」と警告を鳴らすが、具体的に敵がどう動くかは見てみるまでわからない。協力の甲斐あって、ようやく外周までナティンを引っ張ったそのときだった。ナティンが地面に潜り、柱のすぐ横にワープした。意表を突かれた。どうやら柱から離れすぎるとプレイヤーへの興味を失ってしまうらしいことが判明した。結果、柱は無防備になり、こちらのDPSはダダ下がりという二重の大きな隙を作ってしまうこととなった。ただやみくもに柱からボスを離せばいいと思っていたが、大きな誤算だった。慢心であった。
徐々にチャットも活性化していく。「タゲ行ったよ!」「もう少しだけ離れよう!」「ここより先は遠すぎるかも」というふうにチャットやキャラの動きを駆使して意思疎通を図り、チーム全体の立ち位置を調整する格好でようやく討伐となった。このとき、メンバー全員がドキドキしていたと思う。

ラストのウェーブ3では、更に大きな誤算に見舞われる。ウェーブ3スタート直後、メンバーからギルドチャットで「残り10分切ってる」の声が上がった。筆者はこのとき初めて、ギルドダンジョンへの挑戦に、全体で20分という制限時間が設けられていることに気付いた。ダンジョン開始時、「各ウェーブ20分ごとの計60分なのかな……」などと、時間をよく見ず呑気に構えていたが、全体で20分となるとまったく話が変わってくるではないか。
柱・プレイヤーともに耐久の面では危なげなく事態は進行しているように見える。しかし、こうなってくると本当の敵は残り時間なのではないかという気持ちが頭をもたげてきた。大量の小型モンスターを片付けると、ウェーブ3のボス「審判官ブラク」が降臨した。「このボスかっこいい!」「命中足りなくて攻撃当たってないかも!?」など、チャットも賑やかになる。

超大型モンスターとの対決に気持ちは盛り上がる一方で、残酷にも時間は過ぎ去っていく。予想を超えて大きく立ちはだかる残り時間とDPSの壁。全体が20分であることを意識できていなかったこともあり、ペース配分がぐだぐだになってしまった部分もあったのだろう。結局、惜敗と呼ぶにはあまりに相手の体力を残しすぎた残念な決着。
この第3ウェーブのボスを討伐できればEASYダンジョンクリアとなったのだが、次の難易度へ進むには火力と練度がだいぶ不足していることがわかった。「お疲れ様!」「来週までにもっと強くならないとですね」と話しながら、数分後に控える別のボス戦に備えるのだった。
わからない、だから楽しい
リリースから1週間と経っていない本作は、何もかもが謎に包まれている。これまでのMMOの経験を応用できる部分ももちろんあるが、みんなが「レイヴン2初心者」だ。ワールドチャットやギルドチャットでも、時折質疑応答のやり取りが見られる。ゲームがリリースされたばかりで右も左もわからないことは、誰にとっても同じである。だからこそ、「わからないことをみんなで考え、教え合い、知っていく」という部分を、多くの人と並走しながら楽しめると思った。
たとえば、ギルドダンジョンの挑戦を終えたあとにも、ギルド内で「強くなるために、今できることはなんだろう」という話が自然と始まる。そこで、少し進んでいるメンバーから、日課のこれとこれをやるのは特にオススメとか、イベントのおかげでこの装備品を作ることができるから忘れずに製作して装備しようという情報がもたらされる。筆者は不思議に思う仕組みがあると、すぐにダメ元で検証プレイをしてしまうタイプなので、そこで見つけたものも色々あった。忘れていたことや、気づかなかったことを各々が発見・共有し、みんなで少しずつギルドのボトムアップを測ることが楽しい。知らなかったことが「わかった!」に変わる瞬間の喜びを、他のプレイヤーと同じタイミングで感じ、共感し合っていけるのは、今だけの特権のように思えた。
フィールドでも、集まってレイドを楽しむ
本作では、ギルドと無関係にプレイ可能なレイドボスが一定時間ごとに出現する。ボスのスポーンから討伐までの間にダメージを与え、ボス消滅の瞬間現場に立ち会っていれば、与えたダメージに応じた報酬が得られる。それぞれの出現時刻は決まっているため、タイミングが近づいてギルド内がざわざわしてくることも、毎日、毎回の恒例となりつつある。



この日筆者らは、20時半の亀裂ボスに一通り顔を出してからギルドダンジョンへ行き、ダンジョンが終わると今度はフィールドボスの討伐のため各地を巡回したりと忙しなく過ごした。しかし、たくさんのレイド戦を連続で遊び倒しているこの感じがMMOらしく、この忙しなさこそ充実感であるようにも思った。また、レイドボスを巡回することもプレイヤーの強化に繋がってくるため、ダンジョンをクリアできなかった筆者らのボス戦巡回へのモチベーションは急上昇したのだった。
本作にはほかにも、さまざまなギルド戦が存在しており、プレイヤーレベルを要求するものが多い。今後実装されるGVGコンテンツ「古代城塞」では、ギルドレベル15以上、キャラクターレベル55以上などの参加条件が必要で、筆者含めまだプレイ歴の浅い者には少し先の話になりそうだ。「ガチ」めのギルドが、鍛え抜いた強さをプレイヤー同士でぶつけ合い、誰が”最後の一撃”を与えられるか競うさまは、観戦するのも面白そうである。
ダークファンタジーが好みの筆者としては世界観にどっぷり浸りつつ、始まったばかりのMMORPGを他のプレイヤーと一緒に手探りしていくプレイを楽しんだ。リアルな映像美も魅力なので、特にダークファンタジー好きのみなさんにはぜひ触れてみてほしい。まるで、平らに降り積もった雪の上にみんなで全身ダイブするように、自分たちだけの足跡を残す楽しみが待っていることだろう。
『レイヴン2』はPC/iOS/Android向けに、基本プレイ無料にて配信中。
PC
https://raven2w.netmarble.com/ja
iOS
https://apps.apple.com/jp/app/%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%B4%E3%83%B32-raven2/id6448719154
Android
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.netmarble.raven2