『スマブラSP』の「非公式出会い系アプリ」が開発されるも、配信前に停止通告される。それはそう
『スマブラSP』プレイヤー向けに開発されていた出会い系アプリについて、リリース前に配信停止が通告されたようだ。

『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』(以下、スマブラSP)のプレイヤーに向けた非公式出会い系アプリ「SmashTogether」が開発されていたものの、5月14日、同アプリの開発元は停止通告を受けたことを明かした。
『スマブラSP』は、2018年にNintendo Switch向けに発売された『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズの最新作だ。本作では史上最大規模のボリュームが謳われており、過去に登場したファイターと新規ファイターをあわせて86体のファイターが登場。各ファイターにはそれぞれ異なる技が存在し、基本的には相手を画面外へ飛ばす/落とすことを目的に戦う。

「SmashTogether」は、そんな『スマブラSP』のプレイヤーに向けた出会い系アプリとしてリリースされる予定だったようだ。同アプリのXアカウントで公開されているスクリーンショットを見るに、「SmashTogether」では相手の写真や名前(ニックネーム)、年齢、居住地の情報などが表示されることを確認できる。
さらに同アプリではそうした一般的なマッチングアプリで得られるような情報や機能のほかにも、『スマブラSP』でメインとしているキャラクターや大会実績などを記載する欄もある様子だ。相手の実力やプレイスタイルなどがプロフィールから推し量れるようになっているものとみられる。チャット機能なども用意されていたようで、“スマブラ好き”の恋人を探せるようなアプリとして開発されていたのだろう。
同アプリは2024年6月に発表。その後音沙汰がなかったものの、今年5月12日にはオープンベータに突入することが明かされた。オープンベータは5月15日にリリースされる予定で、事前登録も受け付けていたようだ。なおSmashTogether公式によれば、事前登録者数は5月13日時点で400名を超えていたという。
ところが5月14日、SmashTogether公式は「停止通告を受けた(We got cease & desisted)」と発表。つまり、米任天堂から開発元にアプリの停止通告が届いたようだ。その後の追記はないものの、おそらくこのまま同アプリはリリースされないまま開発中止となるのだろう。どのように停止通告がおこなわれたかは定かではないものの、無断で『スマブラ』と関連付けられている点が権利侵害として指摘されたのかもしれない。また迅速に対処された点を見るに、出会い系アプリというサービス内容が問題視された可能性もあるだろう。
特に海外『スマブラ』コミュニティでは、複数のプレイヤーがほかプレイヤーから性的暴行もともなうハラスメントを受けたと告発する事態もあった。なかには未成年も性的ハラスメントに関わっていた事例もある(関連記事1、関連記事2)。マッチングアプリでは未成年者が利用できないようにする仕組みが設けられるのが一般的ながら、SmashTogetherにおいてそうした仕組みが用意されていたかどうかは不明。いずれにせよ無断で『スマブラ』IPと関連付けられたサービスとみられ、トラブルのもとにもなりうることから、オープンベータ開始の告知後に即座に停止通告がおこなわれた可能性はありそうだ。