Nintendo Switch 2のパッケージ版ソフト、「物理キーカード方式」が主流化の兆し。非任天堂タイトルでさっそく続々採用

Nintendo Switch 2について、現時点では多くのゲームソフトが「物理キーカード」を採用しているようだ。

Nintendo Switch 2(以下、Switch 2)について、現在各小売店で周辺機器やゲームソフトの予約が可能になっている。そんな中、現時点では多くのゲームソフトが「物理キーカード」の方式を採用していることが明らかとなった。

Switch 2は、Nintendo Switchの後継機種だ。携帯モードと、ドックに取り付けてのTVモードの両方で遊べる点などの特性を引き継ぎつつ、CPU・GPUの性能が強化され、対応する画面解像度・フレームレートも向上。また付属コントローラーとなる「Joy-Con 2」は本体から取り外しが可能ながらマグネット式での取り付けとなり、マウスのように使える機能も備わる。本日4月24日はNintendo Switch 2の予約抽選受付の当選発表がメールにて順次実施されているほか、全国のゲーム取扱店やオンラインショップでは本日以降準備が整い次第、順次予約または抽選の受付が開始される。

そしてSwitch 2については、各小売店プラットフォームにて、周辺機器やゲームソフトの予約が現在可能となっている。各タイトルはすでに発表されていたものの、パッケージの画像が公開されたことから、その多くが「物理キーカード」となっていることが注目されている。

キーカードは、Nintendo Switch 2のパッケージ版ソフトにて新たに採用されるゲームカードだ。ゲームを起動するための“キー(鍵)”のみが保存されており、ゲームのデータが実際にはカード内に収録されていない。ユーザーは、キーカードをNintendo Switch 2本体に挿入し、ゲームデータをダウンロードしてプレイする。とはいえゲームをプレイする際には、ゲームカードと同じようにキーカードを本体に差し込んでおく必要がある。

なお、キーカードの表面には「鍵マーク」がプリントされ、ゲームカードと見分けがつくようになっている。またゲームソフトのパッケージにもそうした記載が盛り込まれている。今回はゲームソフトの予約が開始されたことによりパッケージ画像が公開され、その多くがキーカードであることが判明したわけだ。

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そうした状況を受けて、調査会社Niko PartnersのResearch & Insights部門ディレクターDaniel Ahmad氏は、パッケージ版ゲームソフトでさっそくキーカードが多く採用されている背景を推察。ゲームカードのコストや近年のダウンロード販売の割合などを理由としてキーカードが採用されているのではないかとの考えを述べている。

なおNintendo Switch向けのゲームカードは最大容量が数種類あるとされ、ゲームごとにデータが収まる最低限のサイズのゲームカードが採用されていたようだ。容量が大きくなればなるほど原価もかさむとみられ、基本的には大容量のゲームは価格が上昇する傾向がみられた。

そしてSwitch 2のゲームカードは容量が大幅にアップしているようで、『サイバーパンク2077 アルティメットエディション』ではすでに最大容量となる64GBのゲームカードが使用されると伝えられている(関連記事)。Nintendo Switchでは最大容量とみられるゲームカードが32GBであったため、倍増するわけだ。Nintendo Switch 2向けに開発されたタイトルでは、グラフィックなどの向上から容量自体も増大しやすいとみられ、さらに大容量なゲームカードが用意されるわけだろう。

とはいえ特に32GBよりも大きいゲームカードでは、原価がNintendo Switchよりも高価になることも考えられる。キーカードは、そうしたゲームカードのコストを削減するための選択肢となっているようだ。

また、近年ではダウンロード版が売り上げに占める割合も高くなっているという状況がある。任天堂が2024年5月7日に公開した決算説明資料では、総売り上げに占めるデジタル売上高比率が2022年度では48.2%、2023年度では50.2%となっている。一昨年時点ですでにダウンロード版の占める割合がほぼ半数を占めており、着実にダウンロード版の需要が優勢になっているようだ。そうした状況もあり、ゲームカードを用いるよりも安価にパッケージ版の在庫を揃えられるキーカードが積極的に採用されているのかもしれない。

ちなみに任天堂のタイトルなど、Nintendo Switch 2でも通常のゲームカードを採用しているパッケージ版タイトルも存在。たとえば『マリオカート ワールド』はそのひとつで、ダウンロード版は税込8980円で、パッケージ版は税込9980円。同じくゲームカードを採用した『ドンキーコング バナンザ』もダウンロード版が税込7980円、パッケージ版は税込8980円となっており、パッケージ版の方が割高だ。

ただ先述した『サイバーパンク2077 アルティメットエディション』ではダウンロード版が税込9878円なのに対し、パッケージ版が税込9328円と、パッケージ版の方がお安い。ゲームカードを採用する場合の価格設定については、メーカーによってまちまちのようだ。

対してキーカードが採用されているタイトルでは、基本的にダウンロード版と同額で発売される様子。キーカードはメーカー側にとって、パッケージ/ダウンロードによる価格の違いをなくしやすい選択肢となっているのかもしれない。さっそく多くのタイトルがパッケージ版にてキーカードを採用しており、ローンチ以降の採用率も注目される。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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