「ゼノブレイド大好きおばあちゃん」が脚光浴びる。『ゼノブレイドクロス』移植裏事情まで推察する、理論派情熱達観ゲーマーおばあちゃん

任天堂は、モノリスソフトが手がける『ゼノブレイドクロス ディフィニティブエディション』を3月20日にリリースする。そんな本作の発売に先駆けて、本作にかける熱意を語った「ゼノブレイド大好きおばあちゃん」がにわかに注目を集めているようだ。
本作は、2015年にWii U向けに発売された『ゼノブレイドクロス』の決定版だ。当時配信されたDLCのコンテンツも収録される。Nintendo Switch向けに3月20日に発売予定。本作の舞台となるのは、未開の惑星ミラ。異星文明同士の戦闘に巻き込まれ地球を失った人類は、放浪の末に辿りついたこの惑星で生きることを決意し、新たな拠点ニューロサンゼルス(NLA)を作り上げている。プレイヤーは、地球を脱出した人類のひとりとしてブレイドと呼ばれる民間軍事組織に加わり、NLAを拠点に各地の調査をおこなう。
今回話題となっているのはニュージーランド在住のBritta Food4Dogs氏。同氏はYouTubeにてさまざまなゲームのプレイ動画や、ゲームに関するトークなどを投稿している。Britta氏はモノリスソフトが手がける『ゼノブレイド』シリーズもかなり気に入っているようで、たびたびシリーズに関連する動画を投稿していた。同シリーズのロゴをあしらったシャツをはじめとした関連グッズもたびたび同氏の動画に映りこんでおり、お気に入りのゲームであるようだ。
そんなBritta氏にとって、明日3月20日に発売予定の『ゼノブレイドクロス ディフィニティブエディション』は特別な一作のようだ。本作の発売が目前に迫った3月18日。興奮を抑えきれないBritta氏は、WiiU版『ゼノブレイドクロス』のゲームプレイの一部を切り抜きつつ、各場面に同氏の思い出や解説などを載せるコメンタリー動画を投稿した。
この動画はX上でスクリーンショットにて紹介され、たちまち話題となった。年配のBritta氏がTシャツを着て発売を歓喜するほどの『ゼノブレイド』シリーズのヘビーユーザーであることが物珍しく映ったのか、同投稿は本稿執筆時点で1000リポストを超え、いいねは1.2万件を記録。返信や引用では、「老後はBritta氏のようになりたい」などと、憧れを抱く反応が多くみられる。
そんなBritta氏は、『ゼノブレイドクロス ディフィニティブエディション』が発表される以前に「どうして『ゼノブレイドクロス』はNintendo Switchに移植されないのか?」といった趣旨の動画を投稿し、自身の考察を述べていた。同氏は「本作のテーマは現在でも十分に通用する」としつつ、『ゼノブレイドクロス』を取り巻く技術的な理由が移植のネックになっているのではないかとの見解を示していた。ファンゆえにNintendo Switch移植を待ち望みつつも、開発側の事情にも理解を寄せていたわけだ。
というのも『ゼノブレイドクロス』にあたっては、プロデューサーを務める川畑真吾氏が、「一時期は1枚に収まらないんじゃないかという懸念すらあった」と述べたり、リリース後に「ロード高速化データパック」というかたちで無料DLCが配布されていたりと、Wii Uにて許容される限界までリソースを総動員した様子もうかがえる。Britta氏はそうした状況を鑑みて、モノリスソフトのインタビューなどを引用しつつ、Nintendo Switchに本作を移植するのは技術的にも、リソース面でも難しいだろうという見解を主張していた。

しかしBritta氏の予想は良い方向に裏切られる。2024年10月には『ゼノブレイドクロス ディフィニティブエディション』が発表され、先述の通り今年3月20日に発売予定となった。当然Britta氏はこの発表に反応。「『ゼノブレイド』ファンにとって、なんて心躍る日だろうか!」と喜びをあらわにしていた。同氏にとって待望の決定版ということもあり、発売直前にも先述した気合たっぷりな動画が投稿されたわけだろう。
そうして発売を迎える『ゼノブレイドクロス ディフィニティブエディション』では、システム面で改修が加えられている。フライトパック装着時にジャンプが可能となったり、バトルでは新要素「クイックリキャスト」が追加されたりなど、プレイが快適になる要素が導入。それだけではなく、日本刀のような武器を携えた新型ドール「フレスベルグ」、新キャラクターとして登場するニール・ネール、新フィールド「浮遊大陸」など、追加コンテンツも続々登場する。Britta氏はゲームの感想や分析をおこなう動画をこれまで複数投稿してきた。『ゼノブレイドクロス ディフィニティブエディション』においても、Britta氏が数々の追加要素などについて、どういった動画を投稿するかも注目されるところだ。
ちなみにゲームに熱中するおばあちゃんはBritta氏以外にもおり、過去たびたび話題になった。『The Elder Scrolls V: Skyrim』の実況プレイを数々投稿し一躍話題となったShirley Curry氏や、『どうぶつの森』シリーズを数千時間もプレイしたというAudrey Buchanan氏などは、Britta氏と同様、「ゲーマーおばあちゃん」のひとりといえる。高齢ながらそつなくゲームをこなしたり、若年のゲーマーにも負けず劣らずの熱中具合を見せるおばあちゃんはしばしば人気を博している。老後の理想像として映ったり、その穏やかな語り口に惹きつけられたりするのだろう。今回は『ゼノブレイドクロス』への愛を抑えきれないBritta氏が、SNS上で広く注目を集めたかたちだ。
『ゼノブレイドクロス ディフィニティブエディション』は、Nintendo Switch向けに2025年3月20日発売予定だ。