米国の“TikTok禁止法”の巻き添えになり、『マーベル・スナップ』が同国でプレイ不可能に。ほかのゲームもいろいろ巻き込まれる

アメリカで一部アプリを禁止する法律が発効。巻き添えとなり、『MARVEL SNAP(マーベル・スナップ)』などのゲームが現在米国内でプレイ不可能になっているという。

アメリカでは1月19日、国外で管理される一部アプリを禁止する法律が発効した。実質上TikTokと運営元ByteDanceの関連アプリを狙ったこの法律の巻き添えとなり、『MARVEL SNAP(マーベル・スナップ)』などのゲームが現在米国内でプレイ不可能になっているという。

今回米国にて発効したのは「外国の敵対勢力によって管理されているアプリから米国人を保護する法律(Protecting Americans from Foreign Adversary Controlled Applications Act)」だ。同法はTikTokを筆頭とした中国企業ByteDanceと関連企業が手がけるアプリのほか、大統領が米国の国家安全保障に重大な驚異をもたらすと判断された企業のアプリに対して制限をかける。ByteDanceが米国向け事業を売却しない限りは、取り締まり対象アプリの配信に対して制裁金といったペナルティが課されるかたちだ。

同法を受けて、米国ではTikTokと関連アプリが使用不可能に(本稿執筆時点では一部機能再開)。また、ByteDance/TikTokおよびその子会社が提供するLemon8といったアプリについても影響を受けた。AppleもApp Storeにおける対象アプリの提供状況を特設ページで報告するなど、広範な影響が発生していることがわかる。

そうした措置に、『MARVEL SNAP』も巻き込まれたとのこと。同作はマーベルの世界観をもとにしたデジタルカードゲーム。2022年10月にPC(Steam)/iOS/Android向けに基本プレイ無料にてリリースされ、累計2200万ダウンロードを記録している人気作品だ。同作はデベロッパーのSecond Dinnerが開発し、ByteDance傘下の販売元・Nuverseより配信されている。

Second Dinnerは1月19日、Xにて「米国で一時的に『MARVEL SNAP』が利用不可能になっている」と報告。同作の停止はまったくの予想外だったとしつつ、復旧に取り組むと伝えた。対象アプリの範囲の広さに、思いがけず巻き添えを食らった格好だろう。

ほかにも、Nuverseが配信する『グロリアスランド ー不滅の栄光ー』やByteDance傘下のデベロッパーであるMoontonによる『モバイル·レジェンド: Bang Bang』といった作品も停止されている様子。Google Playでは、『きみのまち ポルティア』も含むNuverse提供作品が丸ごと米国で表示不可となっている様子だ。なお、Steam版『MARVEL SNAP』については、米国からもストアページ自体は表示できる様子であるものの、現在同国からプレイできるかは確認できていない。

なお、今回の“TikTok禁止法”については、トランプ次期大統領(日本時間1月21日に就任予定)が同法の執行を当面猶予すると発表。これを受けてTikTok側は米国内サービスの復旧に動いており、同国内での一部機能が回復しているとのこと(NHK)。しかし、『MARVEL SNAP』といった作品については依然として利用不可能な状況が続いており、サービス再開が待たれている。

Sayoko Narita
Sayoko Narita

貪欲な雑食ゲーマーです。物語性の強いゲームを与えると喜びますが、シューターとハクスラも反復横とびしています。

記事本文: 1881