『黒神話:悟空』に「パッケージだけ似せたゲーム」がニンテンドーeショップに出現し物議醸す。ゲームは3Dですらない

海外のニンテンドーeショップに『Wukong Sun: Black Legend』なるゲームが出現し、物議を醸している。ゲームタイトルやキービジュアルの、『黒神話:悟空(Black Myth: Wukong)』との類似性が指摘されているようだ。

海外のニンテンドーeショップに『Wukong Sun: Black Legend』なるゲームが出現し、物議を醸している。ゲームタイトルやキービジュアルの、『黒神話:悟空(Black Myth: Wukong)』との類似性が指摘されているようだ。海外メディアGamesRadar+などが報じている。

『黒神話:悟空』は、今年8月20日に発売された3Dアクションアドベンチャーゲームだ。西遊記を題材としており、プレイヤーは孫悟空を思わせるキャラクター「天命人」を操り、危険と不思議が溢れる冒険を繰り広げる。同作は発売後3日間で売上が1000万本を突破するなど爆発的な人気を記録。各種ゲームアワードでノミネート・入賞しており、Golden Joystick AwardsではUltimate Game of the Yearの受賞を果たした(関連記事1関連記事2)。

一方『Wukong Sun: Black Legend』も「西遊記」を題材とするゲームで、孫悟空(Sun Wukong)が主役になるという。ゲームプレイは2Dアクションとなるようで、4つのステージを巡り、ボスと戦いながら冒険を繰り広げるとのこと。現地時間12月26日に発売予定とされている。

『Wukong Sun: Black Legend』


そんな『Wukong Sun: Black Legend』のキービジュアルやタイトルについて、『黒神話:悟空(Black Myth: Wukong)』と類似していることが指摘されている。『黒神話:悟空』のキービジュアルは複数あるものの、いずれもタイトルロゴと、高精細な3Dモデルの天命人を配したデザインだ。


アートスタイルは異なるものの、『Wukong Sun: Black Legend』のキービジュアルでもタイトルロゴや、高品質な3Dモデルの孫悟空が描かれている。先述のとおり本作は2Dアクションゲームであり、あえてゲームプレイとは異なるキービジュアルが採用されている点は『黒神話:悟空』に似せようとする意識にも見える。また「Wukong」を大きめのサイズで強調するデザインも共通している。

先述のとおり『黒神話:悟空』は高い人気を誇り、2024年を代表するゲームのひとつといえる。『Wukong Sun: Black Legend』は、そんな同作の人気や知名度を利用する意図があるのではないかといった疑いを招いているようだ。西遊記や孫悟空自体はゲームの題材となることがしばしばあるものの、あえて「Black」という共通する言葉をタイトルに用いている点からも疑念が生じているのだろう。

開発・販売を手がけるのはGlobal Game Studioなる企業だ。2024年には本作の他に4本のゲームをニンテンドーeショップで販売。なかには『Farming Simulator』を彷彿とさせる『Farming Harvester Simulator 2025 Deluxe Edition』や、『トライアルズ』シリーズに類似した『MotoX Madness 2025』なども見られ、これまでにも人気作風のゲームをさまざま販売していたようだ。


ちなみに海外ニンテンドーeショップでは過去に、『The Last of Us』に類似したゲーム『The Last Hope – Dead Zone Survival』が出現して物議を醸し、配信停止となったことがある(関連記事1関連記事2)。こちらもタイトルやキービジュアルが似ていることが問題視されていたゲームだ。ゲームプレイは3Dサバイバルアクションゲームとなっていたものの、3Dモデルの多くにUnityアセットストアの素材がそのまま使用されているなど、品質の低さも指摘されていた。

ニンテンドーeショップに限らず、キービジュアルやタイトルだけを人気作に似せた低品質のゲームは各プラットフォームでしばしば見られる。人気作の知名度にあやかったショベルウェアとして問題視されており、対策が求められている状況はあるだろう。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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