テンセント、『鳴潮』開発元KURO GAMESの株を過半数取得し筆頭株主へ
テンセント・ホールディングスがKURO GAMESの株式を追加で約37%取得したとの海外報道がなされている。このことにより、テンセントはKURO GAMESの株式を51.4%保有することになる。Youxi Putao(游戏葡萄)が報じている。
テンセント・ホールディングスは中国・深圳に本拠を置く、大手IT企業だ。『League of Legends』『VALORANT』開発元のRiot Gamesや、『Conan Exiles』のFuncom、『Warframe』のDigital Extremesを抱えるLeyouなどを傘下にもつ。また世界中の数多くのメーカーに出資しており、Epic GamesやActivision Blizzard、Ubisoftなどがその対象となっている。
KURO GAMESは中国・広州に拠点を置くゲーム開発会社だ。『パニシング:グレイレイヴン』や『鳴潮』などを開発、運営している。テンセントは2023年3月、子会社であるGuangxi Tencent Venture Capital(广西腾讯创业投资)を通じ、KURO GAMESに出資。同社の株式を14.33%保有したと報じられていた(游戏陀螺)。
今回Youxi Putaoの報道によれば、テンセントは現在の14.33%に加え約37%の株式を追加で取得。合計で51.4%の株式を取得し、筆頭株主かつ唯一の外部株主となった。なおKURO GAMES社内に共有されたとされる社内メールによれば、このことでテンセント傘下スタジオにはならず、独立運営で維持されていくことがテンセントから保証されているようだ。また社内メールでは、今後のKURO GAMESについて、今回の外部株主の変更により、「長期的な自社経営戦略」を促進するとの考えのようだ。
テンセントは先述の通り、数多くのゲーム開発元などに出資したり、買収をおこなったりしている。直近では、公式による発表ではないもののUbisoftの買収の検討が報じられた(関連記事)。そのほか「Key」ブランドの運営元ビジュアルアーツの子会社化や、『ダイイングライト』開発元Techlandの主要株主となったことも発表されていた(関連記事1、関連記事2)。今回もそうした出資戦略のうちのひとつと見られ、今後のKURO GAMESのタイトル展開にも注目が集まるところだろう。