Steamのゲイブ、『Half-Life』新作について語るも「言葉が難しすぎてわからない」とツッコまれる。とりあえず新作の可能性はたぶんある


Steamを運営するValveは11月16日、『Half-Life 2』発売20周年を記念し、本作の期間限定無料配布を開始した。あわせて無料大型アップデートも配信中で、配布期間は11月19日3時まで。この節目に寄せて、本作の開発について振り返る2時間のドキュメンタリー映像も公開されている。同映像では、Valveを立ち上げたGabe Newell氏がシリーズの将来について語り締めくくっているものの、言い回しがかなり複雑。「言葉が難しすぎてわからない」とPC Gamerに取り上げられている。

『Half-Life 2』は、ValveからSteamにて2004年11月16日に発売されたFPSゲームだ。舞台となるのは、前作から約15年が経過した世界。コンバインと呼ばれる勢力が支配する都市・シティ 17から、主人公のゴードン・フリーマン博士による反乱の物語が始まる。前作と並びFPSゲームの金字塔とも名高い本作は、本日で発売20周年。この節目を記念したドキュメンタリー動画「Half-Life 2: 20th Anniversary Documentary」では、Valve設立者で本作開発を主導したGabe氏その人も出演している。

本作の開発を振り返る映像の最後にGabe氏は、『Half-Life』シリーズの今後の展開についても触れた。しかし、「その表現が難しすぎてよくわからない」というのだ。海外メディアPC Gamerが取り上げたのは、以下の英文となる。

“I think that Half-Life represents a tool we have and promises made to customers to capitalize on innovation and opportunities to build game experiences that haven’t been involved previously. And I think there are no shortage of those opportunities facing us as an industry right now.”

強いて翻訳するのであれば、「『Half-Life』が象徴しているのは私達がもつ道具であり、かつ、イノベーションを活用して今までに発明されていないゲーム体験を構築するための、顧客との約束でもあると考えています。私は、企業としての我々の向かう先にはそうした機会が少なからずあると思っています」といった内容となるだろう。こうした説明をGabe氏はよどみなく語っている。

こうした一読では理解しがたい説明について、英語圏メディアであるPC Gamerも困惑を示していた。Gabe氏によるこの言葉は、同氏の前に語ったValveのエンジニア・Brian Jacobson氏の言葉を念頭におくと理解しやすいだろう。Brian氏は、『Half-Life』シリーズの新作展開は、技術の進歩と二人三脚で進められてきたとの旨を説明。たとえば『Half-Life: Alyx』については、VR技術というイノベーションに沿って開発されたそうだ。つまり、Gabe氏が伝えたいのは「技術進歩によりまったく新しいゲーム体験が実現可能になれば、『Half-Life』新作を開発するだろう」といったことのようだ。

なお、このたび公開された動画では、本作の辿った紆余曲折や、Gabe氏のゲーム開発にかける熱意の伝わるエピソードも披露されている。たとえば、Vivendiとの係争のなかで資金が尽き、会社もGabe氏個人も破産寸前のなか開発を続行。しかし当人は今になり、破産の危機について「別に怖くはなかった」と語っている。

また、本作開発にあたりGabe氏は“無期限・予算無制限”の開発リソースをチームに与え、革新的な作品の開発を是としたとされる。同氏とValveにとって、『Half-Life』シリーズは革新的なゲームであるべきなのだろう。技術が進歩を止めない限り、“Half-Life 3”がいつか誕生する可能性も、あるのかもしれない。

『Half-Life 2』はPC(Steam)にて11月19日3時まで無料配布中。