Paradox Interactiveは10月30日、『Stellaris(ステラリス)』に向けてDLC「Grand Archive」をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam/GOG.com)。本DLCではとあるバグが報告されたが、開発元トップが「面白いバグなのでしばらく直さない」と発言。ユーザーからは共感や感謝の声が寄せられている。海外メディアGamesRadar+が報じている。
『Stellaris』は宇宙を舞台にしたストラテジーゲームだ。プレイヤーは人間だけでなく、多種多様な異星の種族たちから、陣営を選択可能。宇宙空間を開拓し、全銀河の覇権あるいは平和を目指して、銀河帝国を運営していく。
本作は2016年のリリース以来多くのDLCが発売され、新要素が追加されてきている。今回10月30日に配信された「Grand Archive」では、宇宙の遺物や野生動物など貴重な標本を展示できる巨大構造物「グランドアーカイブ」が導入。動物を捕獲して繁殖させるといった要素も実装され、さらに新要素にまつわる新たな起源なども追加されている。
今回報告されたバグは、同DLCで追加された起源・トレジャーハンターを選択し、一定条件を満たすことで使えるようになる宇宙船用の装備「搭乗ケーブル」に関係している。同装備は低確率で敵の艦船を捕獲し、自勢力のものにできる効果をもつ。そして今回その捕獲対象となるユニットに、どうやら制限がないことが報告された。つまり本来はNPC専用の超強力なユニットであっても捕獲し、自分の艦隊として運用できるのだ。
海外掲示板RedditのユーザーTCF518氏によると、この現象は中国のコミュニティで発見されたという。ゲーム終盤に登場する強力な敵勢力の艦隊や、DLC「Leviathans」などを導入することで登場する、惑星サイズの超巨大宇宙生物も捕獲できることが確認されたそうだ。TCF518氏はすべての敵ユニットの捕獲が確認されたわけではないとしながらも、「これは極端に強すぎるように見える(It is apparently extremely OP right now.)」と投稿。ゲームバランスを崩しかねない、同現象のインパクトの大きさを伝えている。
この投稿に、本作のゲームディレクターであるEladrinことStephen Muray氏が反応。Muray氏はこの現象はバグであるとしながらも、「最近のなかではぶっちぎりで面白いバグ(This is by far the funniest bug of the cycle)」と投稿し、バグを楽しんでいる様子を見せた。また発見した中国のコミュニティに称賛の言葉を贈るとともに、バージョン3.14.1592のパッチまでは直さないと明言。しばらくは修正されないことが、開発トップにより“確約”されたかたちだ。
Muray氏のこの発言には多くのUpvoteが寄せられ、本稿執筆時点で1200件を突破している。またコメントも多数寄せられており、たとえばあるユーザーは「ディレクターとして完璧な姿勢、楽しさはすべてに優先する」と投稿。さらに「本バグを体験するためにニューゲームで遊び始めるところだった、修正を待ってくれてありがとう」と感謝を示すユーザーも。全体として、バグだけど面白いのでしばらく直さないというMuray氏の姿勢に、共感と感謝の声が集まっている様子である。
ちなみに本稿執筆時点の『Stellaris』のバージョンは3.14.15で、現地時間の11月12日にバージョン3.14.159となるパッチが配信予定。Muray氏はバージョン3.14.1592まで直さないとしているため、12日のパッチでは修正されないのだろう。さらに次のパッチがいつになるかは不明であるが、少なくとも1週間以上はこのまま、ということのようだ。
とはいえ、やはり将来的には修正される可能性はある模様。Steam版『Stellaris』では過去のバージョンを選んで適用できるため、3.14.1バージョンを選べば修正後も同バグで遊べる可能性はあるだろう。しかしながら、やはり最新環境で思う存分敵船を奪いたいという方は、早めにDLC「Grand Archive」を導入してプレイしておくとよいかもしれない。
『Stellaris(ステラリス)』はPC(Steam/GOG.com)向けに配信中だ。ゲーム内は日本語表示に対応している。